2021年04月12日

やりがい

同年代のM先生に声を掛けられた。
「俺はずっと副担だけど、丹澤先生はさ、ずっと担任やってきたのに、担任がなくなって淋しいって言うか、やりがいがなくなった、ってことないの?」

見ている人は見ているのだ。
ここ数年の私はおとな人しい。
職員会議などでも、激しく発言することもない。
加えて、静かに淡々と生きている。
ここ何年か、静養期間のように過ごしてきた。

「やりがいがなくなったってことはないですね。ここ数年、傷ついた心を癒やす期間にしているんです。最後の担任のとき、結構傷ついたので…。」

「へー、そうなんだ。知らなかった。てっきり、担任外されて、やりがいが無くなってしまったのかと思っていたよ…。」

「まあ、学年所属でも、居候ですから…。」
「なんか、淋しくない?」

M先生は、これまで一度も担任になったことがないので、淋しいのだろう。
だから、私のことを挙げて、そんな風に聞いたに違いない。

「陰で支えられれば、それでいいんです。密かに生徒指導の手を打っていますよ。誰にお言わないことも多いですが…。」

「ありがとう! 勉強になった…。」

そういってM先生は去って行った。

「やりがい、か…。」
私は、小雨に濡れながら考える。

一つ、言えることは、未だに、「担任をやりたい」という気持ちが湧かないことだ。

若くないので、もう子どもたちと一緒に行動するのが難しいということもある。

だが、最大の理由は、「また傷つくのが嫌だ」という、傷心のままに生きている私のわがままなのだろう。





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