シリーズ第二弾、第三弾を、プレイしました。過去に配信された第一弾も、折角なので振り返ります。
本作「時間感傷旅行の少女たち」シリーズは、心理士の作者が製作したビジュアルノベル。原作はkindleの電子書籍らしいです。
税抜き200円で深い知識と感激を(センスある文)と謳った200円シェアウェアを、フリー化した模様
時間感傷旅行(この言語センス、好き)をするヒロインが、現実の厳しさに直面した主人公に会いに来る。そして心理学についての知識を授ける(非常に短い内容なので、そこまで深くはない)
内容や雰囲気については、誰もが1冊は読んだことがある、ストーリー性のある小学生〜高校生に向けた教材漫画に近い
または社会人向け「まんがでわかる」シリーズ
3作の共通テーマとして、内観療法がある。プレイ時間はどれも、5分〜10分ほど
内沼観月の純愛〔時間感傷旅行の少女たち No.1〕
孤独な男子高校生の元に、謎の少女が現れる……。史上初、純愛内観物語というだけあって、シリーズで一番恋愛要素が濃い。
タイムトラベルの果てにまさかのエンディングになり、シリーズで一番記憶に残る。
逆に、内観については、殆どさわりだけ
内谷観香の情愛 時間感傷旅行の少女たちNo.2
シリーズ唯一の、live2D作品。これはゲーム化ならでは。
更には、シリーズで唯一、主人公ではなく明確にプレイヤーがヒロインと内観についてコミュニケートする。テーマの掘り下げは一番
ヒロインのタイムトラベルの理由は釈然としないが、情愛は感じる内容…
因みに、何故かブラウザ版だと、一部でボイスが入ってます(本当に、なぜ?)
内河観魔の愛執 ー時間感傷旅行の少女たちNo.3ー
シリーズで唯一の女性主人公、来世に期待!なので、恋愛要素なし。
ヒロインの名前に魔が入っているし、外見もファンタジー(実際この立ち絵はファンタジー系で使われることが多い)
いじめという難しい題材だが、内観がきっかけにすぎないストーリーに、3作目にしてきたと思う。悪く言えばテーマがブレたかな?
「私は牛に生まれ変わっても、空を目指す」は名台詞だった
評価C+
65点
1と2が気に入ってます。
3作に共通していえることは、短編の教材的ソフトなのに、かなり印象に残る言葉やシーンがあるんですよ。
こっちの心理に訴えかける事が目的なので、そういうツボは熟知しているのでしょうね。
ただ、その代わりに社会人ストーリーが余りにも滑稽で荒唐無稽なのだが、ストーリー作りの上で、ご都合主義として必要なのかもしれないですねえ…
お勧めのシリーズです。
2018年11月11日
2018年11月10日
よながさま レビュー感想 これからエンドロール
?
!?
このゲームの文字は小さすぎて読めなああああああぁぁぁいい!!!!
大学の卒論研究で『よなが村』に数日滞在することになった主人公:古川亥之介。
その村で長寿の神様として崇められる『よなが様』には不穏な伝承が存在していた。
―国籍不明のひろし、ヤンデレの美少女、変なじじい共、妖しい未亡人……
悪友の小暮と共にう●こを連呼しながら、亥之介はよなが村に隠された真相に近づいていく…!
土俗(?)ホラーを楽しんでプレイできるように8割ギャグ2割真剣な作りになっております。
ホラーは好きだけど怖いの苦手な方向けです。
全年齢対象なので、どなたでもプレイできます。
▼ホラーギャグをゲームにするというのが、まず稀有でいいよね、目の付けどころがいい
ホラーギャグの先駆者といえば山咲トオルだが、彼はもうセミリタイヤしているので、一般的には押切蓮介なんだろうか。でろでろとかね。
テイストとしてもそれを想像していたが、一部近いものがあった。
▼ストーリーは大学生の主人公が取材しにいった村で、ヤンデレ美少女や変な外国人にカラまれながらも、村の伝承の神に迫るといった内容
▼まあとにもかくにも、建て前はホラーなんだけど、ギャグが滅茶苦茶面白い。
開始直後から笑いをガンガン誘ってくるし、そのテイストが最後まで続くのだから凄いね。よくネタギレしなかったものだ。おまけや、あとがきに至るまで面白いとは。
かといってただのバカゲーではなく、グラフィックはありえないくらいの作り込みで、スチル枚数も多く、登場する殆どの物に画像がある。しかも多分、ほぼ自作じゃないかな。
ホラーとしてどうか?というと、非常にあっさりでよながさまについての掘り下げも余りないが、バッドエンドの2個程は少し怖かった。コンセプト通りでは。
以下ネタバレ
▼ちょっとうるっときちゃったのが、有坂母子のシーン。
自分、涙いいすか…?
どうもこういう話に弱いね。
結局夫が帰ってこないってのも、ハッピーエンドではないしね。
このゲームで唯一の悲しいポイントではないか?(この後、バッドエンドによっては息子が抹殺されることも悲しい)
円花は登場シーンでこのゲームのヒロインだと思ったのだが(クリア後に見た公式サイトでも、そんな感じ)、まさかアラサーのママだとはね…
前情報なしだと、びっくりするね。
▼一部を押切っぽいと前記したが、悪霊を暴力で物理的に倒すってのがそのパターンで、笑ってしまった
散々引っ張ったラスボスの撃退法が、まさかこれとは(笑)
評価B+
75点
笑いあり涙あり笑いありホラーあり笑いありで、いいゲームでした。
ちなみに冒頭の小さすぎる文字は、特定のポイントでバックログを出した時のみ、ハズキルーペが必須になります
2018年11月08日
真昼の暗黒【完全版】 レビュー感想 未解決事件の果てに
細かいポイントは前編レビューにあるので、割愛します。
https://fanblogs.jp/katananana/archive/569/0
▼まずいきなり吃驚。タイトル画面やメニュー画面が大きく変わっている。
旧Windowsをモチーフにした画面に変更。
初期WindowsやPC98っぽい絵柄なので、それを意識したのかな?(と、その時は思っていた)
グラフィックも驚いた事に、多くが描き直されている。目パチもする。
10歳の少女であるミサの露出度が増えた気がする
▼うたげの立ち絵はいかにも男に媚びるような女に修正されているので、よりイメージに近づいた。
(PCモニター風の画面演出のせいで、文字が小さくて読めなぁっぁああああい!!)
逆に、ミサは通常立ち絵がなぜか微笑んでるので、違和感あるかも。
もっと死んだ魚のような目をしているキャラクターだからね
ブルースクリーン(昔のパソコンのバグ、エラー)まである
▼残念だったのは、性格診断の台詞がカットされていたこと。あの皮肉は、いかにも偏屈な性格診断の答えという感じで、よかったのに
もしかしたら、他にもカットされた絵、シーンがあるかもしれない。
冒頭モノローグの主人公がアップになったスチルと、主人公コンビのカラーイラストは、完全版には無さそう
逆に、修正しなかったグラフィックは粗くて違和感があったので(若き日の姉のシーンは、多分修正なし)、別物というくらい描き直してる
▼ストーリーは膨らませ方が非常に上手いと感じた。
果たして主人公は姉を連れ去った犯人を見つけ出すことができるのか?というアオリ文は、ほぼ意味をなさない、本題は別のところにある
2つの時間軸が重要になる展開で、11年後の未来に話が飛んだ時は、単純にワクワクした。入り方も油断したスキにイッキに来る感じだ
本編が回想であることはわかっていたが、ここで来るか!って思ったね
以下ネタバレ
深沙(21)「私の11年、返してよおおおおおぉおおお」
計(33)「ヒエッ…」
▼あーミサ、やっぱりこうなってしまったか…(;^ω^)
普通のゲームだと美少女がそのまま美人に成長するけど、ミサがまともな大人になるわけないもんなあ、あんな境遇と人生で。リアルすぎるわ。
一方明らかに通常ではない計が、ほぼ老けず若いイケメンのままなのがなんとも…
頻繁に吸血してた所為か
これでは、深沙のほうが年上に見える(笑)
▼そんなふたりの、あまりにも奇妙な同棲生活の果てが描かれた7話8話はとても面白かった。9話よりお気に入りだ
計の「弟」の正体とは?などの多くの謎が紐解かれるカタルシスもある
旧型PCに見立てた演出も、深沙の執筆している文章という設定と融合していて、本作にはゲーム性こそないが、これはビジュアルノベルでしか出来ない演出だと感心した
ソフトが起動する演出も、パソコンゲームならではだ
文章もここでイッキに表現力が高まったので、制作のピークを上手く終盤に持ってこれたんじゃないかと(正直前作は逆で、失速してしまったと思うから)
私のおすすめは、ED1。何やら独特の加速感がある
▼後は、誤字脱字、バグがかなり多い。暗転フリーズが多発するし、セーブできないポイントが大多数ある。
バグではないが、キャラクターの服装が突然変わるようなミス(?)も見られた。
このシーン、同じ時系列じゃない…?
評価B+
75点
エロ、グロ、ナンセンス、猟奇、全てが盛り込まれ、エンディングでは謎の高揚感に包まれる、怪作。
グラフィックはアニメーションするシーンも多く、臨場感が高い
ゲームでしか出来ない演出、表現技法もある…
MINDCIRCUSを超えた…
…と思ってます。
https://fanblogs.jp/katananana/archive/569/0
▼まずいきなり吃驚。タイトル画面やメニュー画面が大きく変わっている。
旧Windowsをモチーフにした画面に変更。
初期WindowsやPC98っぽい絵柄なので、それを意識したのかな?(と、その時は思っていた)
グラフィックも驚いた事に、多くが描き直されている。目パチもする。
10歳の少女であるミサの露出度が増えた気がする
▼うたげの立ち絵はいかにも男に媚びるような女に修正されているので、よりイメージに近づいた。
(PCモニター風の画面演出のせいで、文字が小さくて読めなぁっぁああああい!!)
逆に、ミサは通常立ち絵がなぜか微笑んでるので、違和感あるかも。
もっと死んだ魚のような目をしているキャラクターだからね
ブルースクリーン(昔のパソコンのバグ、エラー)まである
▼残念だったのは、性格診断の台詞がカットされていたこと。あの皮肉は、いかにも偏屈な性格診断の答えという感じで、よかったのに
もしかしたら、他にもカットされた絵、シーンがあるかもしれない。
冒頭モノローグの主人公がアップになったスチルと、主人公コンビのカラーイラストは、完全版には無さそう
逆に、修正しなかったグラフィックは粗くて違和感があったので(若き日の姉のシーンは、多分修正なし)、別物というくらい描き直してる
▼ストーリーは膨らませ方が非常に上手いと感じた。
果たして主人公は姉を連れ去った犯人を見つけ出すことができるのか?というアオリ文は、ほぼ意味をなさない、本題は別のところにある
2つの時間軸が重要になる展開で、11年後の未来に話が飛んだ時は、単純にワクワクした。入り方も油断したスキにイッキに来る感じだ
本編が回想であることはわかっていたが、ここで来るか!って思ったね
以下ネタバレ
深沙(21)「私の11年、返してよおおおおおぉおおお」
計(33)「ヒエッ…」
▼あーミサ、やっぱりこうなってしまったか…(;^ω^)
普通のゲームだと美少女がそのまま美人に成長するけど、ミサがまともな大人になるわけないもんなあ、あんな境遇と人生で。リアルすぎるわ。
一方明らかに通常ではない計が、ほぼ老けず若いイケメンのままなのがなんとも…
頻繁に吸血してた所為か
これでは、深沙のほうが年上に見える(笑)
▼そんなふたりの、あまりにも奇妙な同棲生活の果てが描かれた7話8話はとても面白かった。9話よりお気に入りだ
計の「弟」の正体とは?などの多くの謎が紐解かれるカタルシスもある
旧型PCに見立てた演出も、深沙の執筆している文章という設定と融合していて、本作にはゲーム性こそないが、これはビジュアルノベルでしか出来ない演出だと感心した
ソフトが起動する演出も、パソコンゲームならではだ
文章もここでイッキに表現力が高まったので、制作のピークを上手く終盤に持ってこれたんじゃないかと(正直前作は逆で、失速してしまったと思うから)
私のおすすめは、ED1。何やら独特の加速感がある
▼後は、誤字脱字、バグがかなり多い。暗転フリーズが多発するし、セーブできないポイントが大多数ある。
バグではないが、キャラクターの服装が突然変わるようなミス(?)も見られた。
このシーン、同じ時系列じゃない…?
評価B+
75点
エロ、グロ、ナンセンス、猟奇、全てが盛り込まれ、エンディングでは謎の高揚感に包まれる、怪作。
グラフィックはアニメーションするシーンも多く、臨場感が高い
ゲームでしか出来ない演出、表現技法もある…
MINDCIRCUSを超えた…
…と思ってます。
2018年11月03日
小坂さん。 レビュー感想 現実
高校デビューに失敗し、孤立している主人公は、屋上で自殺志願者の後輩と出会う
空に赤い星が見える同志として、自殺同盟を組むふたりだったが…
▼立ち絵が存在せず、全編スチルという力作ぶり。多分背景も自作しているんじゃないかな。
クオリティも高く、ヒロインの小坂も可愛い。
これだけ大量に描いてるのに、デフォルメを除いて、作画が殆ど崩れてないのも凄い(胴体や手がおかしいところはあるが)。
正直、かなり好きな絵
▼ひょんなことから知り合ったふたりは、空に隕石が見える、もうすぐ降ってきて人類が滅亡すると意気投合
シナリオの入り方がファンタジー風で、背景もマリオかな?というようなステージが出て来る
(レトロゲームで見た)
他にも背景に未知の生命体が浮遊していたり、現実を舞台にした不思議世界、物語シリーズのような異空間かと思った
…のだが終盤、まさかあんなどんでん返しが待っているとは…
▼隕石が落下する3日目までに自殺するという小坂と付き合い、ランチやデートをするふたりが仲睦まじい
小坂の持つ世界観がとても可愛らしい。
ヒロイン属性としては、電波系や、不思議系の女の子といった感じ
単に同盟というだけじゃなく、「友達」になったふたり
明らかにボッチな小坂とは、似たもの同士なのもよかった
でも、主人公には小坂以外にもナイジェリア人のモーゼスという友達がいて、彼もまた、いい味出してた。(テイルズオブレジェンディアを思い出した人は、多分管理人と同世代だ)
会話劇もカルチャーショックがあって面白いし、意味不明なようで考える要素があるんだよな。
平然と、俺は向こうだとドラッグやってたぜなんて言われたりね、日本人じゃありえないね。
こんなこと実際の友達に言われたら、驚愕し、話を聞いてしまうだろう。どういうことなの!?ってね
そして、そんなモーゼスとの何気ない会話が、まさか終盤のどんでん返しへの伏線になっているとは…
そして、来たるべき3日目…
事件は起こった
ネタバレ
▼本作のことは、あくまでファンタジー系だと思っていたのだが、まさかリアルだとは想定外だったよ。
ところがどっこい!これが現実!!
小坂と主人公が見ていたのが、全て、麻薬による幻覚症状だったなんて…
(めっちゃ流れ星降ってるやん)
モーゼスとの会話、このためにあったんだね…
それでも屋上から飛び降り自殺してしまう小坂と、追いかけて飛び込んでしまう主人公。
これまでの想い出のシーン、想い出の場所が、隕石と一緒に回想されるのが切なすぎる(田中さんには爆笑したが)。
ふたりにとって、隕石は本当に降ってきたんだね。
結局ふたりは死んだんだろうか。伏線というなら、落下した生徒が花壇のお陰で生きていた話があるので、ふたりも生存していると予想するが…
EDのフタツノココロも、シナリオにマッチしてた。自作曲かな?
評価B+
70点
笑いあり涙ありで、非常に完成度が高い一作。
最近はこういう痛々しい系の青春モノで、面白いゲームが多いですね。
余談だが、マクドナルドをマナルと略すのって、初耳でした。大抵はマクド、マック、ネットじゃマクナルが人気なので
マナルだとアナルみたいですね
奈落の華 レビュー感想 記憶を疑う前に記憶に疑われてる
▼結論から言うと…
またも、凄いホラーゲームが出ましたねぇ…
「血怨」「虚ろ町ののばら」に続き、短期間でここまで良作ホラーゲームが続くのは稀じゃないでしょうか。体験版しか出てないが、「ハスノウテナ」も。
ポテンシャルがかなり高いゲームなので、誰もツイートしていないし、この記事を作成した時点で、反響0なのが、不思議なくらい…
▼地獄に落ちた少女アルリカは、謎の少年に導かれ、地獄を探索する。冒頭から不思議な雰囲気で、謎めいた世界観
犯した罪はまだしも、そもそも主人公の目的が不明なままストーリーは進む
▼ゲームシステム上、ホラーゲームにありがちな鬼ごっこや無駄に難しい謎解き、トラップによるゲームオーバーなどもなく、非常にスムーズに進める事が出来た
それでいてしっかり怖がらせに来るので、油断出来ない。
▼キャラデザも美麗で、主人公アルリカは、なかなかの美少女。
画風は、ゼノギアス、ゼノサーガ時代の田中久仁彦っぽい
そういえば、ベッドシーンヒロインで有名な、エリィに似てるな
▼そしてやはり、触れるべきはシナリオの面白さだね。
いやー久しぶりに手に汗握った。
何を語ってもネタバレになってしまうので、以下は、クリア後に読むことを激しく推奨します
▼主人公アルリカの視点で描かれた本作…
まさか主人公が別人だったとは
お前アルリカじゃなかったんだなー。2周目を見ると、結構伏線や事実を隠すための演出が細かくて驚きがあった。
回想が白黒演出なのは自然なので、初めて色がつくシーンでは、吃驚だね。
伏線、叙述トリック、入れ替わりが綺麗にハマってた
▼人形の腹を鋏で裂いたり(裂いたら悲鳴が欲しかった)、蜘蛛に食われたり、魔女の家のオマージュを想起させたが、オチも似てるかな
でも、魔女の家は徹頭徹尾ホラーだが、奈落の華は恋する女の怖さが描かれてるのが、サイコホラーとしても怖かったね
そこが決定的な違いで、奈落の華は、愛憎劇なんだよな
主人公アルリカならぬ真の主人公ナリザは、アルリカに嫉妬し、オーウェンに横恋慕していた純粋悪。
その狂気で、バッドエンドでは夜神月みたいに神や悪魔をも超えてしまう。新世界の神になっちゃったね。
笑い声が鳴り響くラストシーンは、怖かった。
でも、トゥルーエンドはホラーゲームとは思えないほど綺麗な結末で、タイトル回収も上手くて、これにもまた感心したね。
▼演出も凝ってて、カルマ値カンスト、文字だけの画面からフェードアウトするのは格好良い
評価B+
75点
シナリオと演出で魅せる、稀有なホラーでした
ところで、キャラクターは何歳なんでしょうねえ。
ナリザとアルリカは見た目こそ女子高生くらいだが子供だと強調されてて(笑顔も子供っぽい)、それと恋仲のオーウェンがロリコン扱いされてるので、ナリアル14歳、オーウェン30歳くらいかなぁ…
2018年11月01日
探偵は振り向かない レビュー感想 ふりむかないことさ
20xx年 トウキョウ――
政治も警察も秩序を失った世界で加納宏昌は東七菜と探偵とは名ばかりの『何でも屋』を生業としていた
面倒な仕事を終え、ようやく一段落ついたところに突然トラブルが訪れる
加納の思惑とは裏腹に、トラブルは大きな形へと変形していく
振り向くタイミングさえ許してくれない、『追いかけっこ』が始まる――
人気の映画、ドラマ、アニメをTSUTAYA TVで!
▼秩序が崩壊した、架空のトウキョウを舞台にした探偵ゲーム。
探し屋トーコのように推理ゲームではなく探偵ゲームか?と思ったが、説明文の通り、探偵要素すらなく、主人公とヒロインが悪党を倒すストーリー
探偵要素が全くなかったのは少しがっかりしたが、中盤までのハードボイルド感はなかなかよかった。
なんとなく、菅野ひろゆきっぽい世界観
主人公が普通にローズとセックスしてたことが、一番驚いた(笑)
▼だが中盤以降、何故か急激にコミカル化し、凶悪で殺人も厭わなかった犯人が突如としてファニーな海外アニメの小悪党のようになってしまったのは、がっかりしてしまった
事件解決も実にあっさり
ここは中盤までの路線で最後までやったほうがよかったと思う
日本がとんでもない事になっている!敵も手段を択ばない極悪人!さてどうする!?という序盤のワクワク感からすると、ボスが小物すぎました
▼そんな流れで、中盤までのストーリーは、洒落た会話劇もあって面白い。
それだけに、後半で萎んでしまったのが残念。
ただテキストに誤字脱字が多く、「酒を呑む」ばかりではなく、「コーヒーを呑む」など、呑むという言葉が連発されているのは、違和感がありますね…
通常液状のものなら飲むであり、呑むは表現としても大酒のみが呑みこむとかでしか使わないので、ましてや落ち着いたシーンで「コーヒーを呑む」というのは、変でした。
そういえばこれ、大昔に、Welcome to ER Private Roomで盛政樹も書いてましたね(本当にふいに思い出した)
ttp://sakari.sugoihp.com/page/diary/03/diary0302.html
彼はシナリオライターでもあるので、やはり飲むが正しい気がします
人気の映画、ドラマ、アニメをTSUTAYA TVで!
評価C
60点
多くの謎を残したまま終わってしまったので、続編前提…?
私はいつも、ゲームでも、小説に於いても、削れるところは削った方がいいと主張していますが、本作については明らかに、丸投げとも取れるほどに説明不足で終わってしまいました。
想像の余地ではなく、プレイヤーに与えないと面白くならない肝心の情報が空白というか。
これだけで終わるなら本当にこのキャラは暗い過去がある、あのキャラはあの事件の所為で死んだ…などの雰囲気だけだが、短編ADVとしてなら美麗な作画といい、良いデキなので、絵が好きならおすすめですね。
2018年10月31日
ボーダーリコリス レビュー感想 僕たちは可哀想なんかじゃねぇよな
【あらすじ】
「それは、僕が『可哀想』に見えたから?」
困っている人を見ると手助けをしたくなる、坂月日名子(さかづきひなこ)。
ある日、今にも窓から飛び降りようとしている生徒・早瀬に出会う。
彼を助けたものの、早瀬は授業に一切出てこなかった。
授業をさぼる理由を問いつけてみると、早瀬は「探し物が見つからない」と言う。
日名子は早瀬の「探しもの」を手伝おうとするが……。
分岐なしの一本道 学園ものノベルゲームです。
プレイ時間は1時間〜2時間に収まるかと。
一部グロ表現があります。お気をつけ下さい。
人気の映画、ドラマ、アニメをTSUTAYA TVで!
▼配信から1カ月以上が経過し、しかもティラノゲームフェス2018が発表され、多くのレビューが投稿されているにも関わらず、オフ会0人ならぬネット上にレビュー0件
そんな隠れた良作を、久しぶりにサルベージ。ロマニー教授とクリームシチュー以来かな
▼本作ボーダーリコリスは痛い、青い、そんな青春ものかなーというファーストインプレッションだったが、その印象より黒かった
序盤の乙女ゲーな空気から程遠い亡霊とか出てくるんだもん(厳密には亡霊ではないが、見た目的に)
▼謎の少年早瀬から、化物を探して、僕を助けてくれと頼まれる主人公。
そこで繰り広げられるのは、人間の汚さが渦巻いたストーリー。
心霊ミステリ風でもあった。
▼でも、登場人物が余りにも少ない、かつ、主要人物以外がシルエットなので、化物の正体や、誰が犯人か?という推理は簡単に成り立ってしまうかな
別に推理物じゃあないんだが、プレイヤーを引っ張るポイントがまずそこなので、もっと練り込んで欲しかった。もう少し緊張感を持たせられたんじゃないかと
ストーリーが冗長で会話が長い割に、進展が急速なのは、作者も言う通り難点。
また、真犯人の動機も意味不明で説明不足。背景があると、台詞に説得力が出たと思う。
人気の映画、ドラマ、アニメをTSUTAYA TVで!
評価C
60点
憎悪、痛い青春、女性主人公…
自分の事を可哀想だなんて勝手に決めつけないで欲しい…
同情はするな
そんな言葉に反応する人に、おすすめです。
ストーリーこそは王道だが、台詞のないエンドロールの微笑ましい結末に、思わず和んでしまうことでしょう。
しかし、佳苗とのこの会話シーンをサムネにしたのは、センスありますね。
2018年10月27日
血怨 第二章前編後編 レビュー感想 悪夢は続くが、光明も…
ホラーアドベンチャー血怨第一章の続編。二章は前後編構成。
前作と全く同じシステムなので、細かい説明は割愛します。
詳細は第一章のレビューを。
https://fanblogs.jp/katananana/archive/578/0
▼一章EDで亜子は自宅に帰った筈なのだが(設定、変えた?)、家に帰れず公園で途方に暮れているところを、通りすがりの男に拾われるところからスタート。
前作レビューで触れたが、やっぱり王子様キャラとして達也が出てきたね。でも、活躍の場は殆ど無かったな
っていうか主人公のお相手役としては、ちょっとホモっぽい
気を失っている亜子に指一本触れてないとか、ある意味一番狂っている…
先輩の山口も絵に描いたようなホモだし
▼その代わりといってはなんだが、後編は仲間として、親父の部下を自称する霊媒師、沙耶が登場
部下だったと強調したり、ツーショット写真を持ち歩いてたり、年頃の娘に対して堂々と、親し気に崇彦さんと呼ぶ沙耶はまあ明らかに親父の愛人なのだが
パーソナルスペースガバガバ過ぎィイイイイ!
しかもおっぱい当たってるし…
親父、巨乳好きにもほどがあるだろ。
一章で帰りが遅かったのも、やっぱり…
まあそんな沙耶のお陰で、後編の恐怖心は少し和らいだかな。やっぱり1人より2人だよね。
▼ホラーゲームとしての怖さは相変わらずで、停電シーンでメニューを開いたらいつもの全裸マンがいた時はびっくりしたよ。
(挿入ってるだろこれ)
魔女の家でもこの演出があったが、不意打ちは怖いね。
▼1つ残念だったのは、ホラービデオに映ってたトンネルに、実際に到着したところ。
ビデオの恐怖が現実に!!ってワクワクしたんだけど、なぜか何も恐怖演出がないまま終わってしまった。
ビデオのように振り向いても、何も無し。
ガンガンホラーで攻めてくるこのゲームにしては演出が弱くて、がっかりしてしまった。
▼攻略難易度は一章より難しい。終盤の謎解きで詰む人は多そう。
謎解きがメインのゲームではないので、ヒントを多くするか、簡単でもよかったのでは
▼ネタバレ
主人公の味方として登場した沙耶が、まさかこんな滑稽な死に方をするとは思わなかった(;^ω^)
バチが当たったのかしらん…
霊能者としての力が幾ら弱いといっても、まさかここまで手酷く惨殺されるとはね
なんとなく沙耶は、今後も頼りになるんだかならないんだか微妙な相棒になると思ってたけど、やっぱりそこは男性キャラの活躍なんだろう
ラストシーンで霊能者を連れてやってきた達也は、妙な強キャラオーラがした。新キャラの霊能者も、亜子を探し当てたくらいだし、沙耶よりは強いんだろうしね
やられっぱなしもシャクなので、そろそろ化物どもへの反撃といきたい。あと、亜子はずっと裸足なので、いい加減靴を履きたい
▼警察コンビも、どうストーリーに絡むんだろうか。悪霊から逃げるストーリーに、警察という妙に現実的なキャラクターが2人も出てきたので、奇妙な感覚だったな。
評価B+
75点
今作も本当に怖い。2回ほど声に出してビビってしまった。
エログロもあり刺激的な良作でした。
4章構成が3章になるかもしれないとのことで、次がラストなんだろうか。
これを短期間で仕上げてくる、仕事の速さに驚きですよ。開発エンジンの機能を、フル活用しているしね…
【12/2追記】
作者であるキャンサーのツイッターが削除されている。
何かの事情で自主退会したのか、BANされたのか…(こんなこともあろうかと、14歳のマッマとか、画像などは保存しておいた)
三章はちゃんと出るのだろうか…
【12/3】
相方、幻日のTwitterからも、リンク削除…
まさか…
これが血怨の呪い…
【12/8】
悪い予感の通り、三章の開発中止が正式発表された。一時凍結ではなく、ボツということなので、もう開発再開もないのだろうか(今後は別の新作に切り替えていくみたいだし)
最新バージョンからは、CG閲覧画面・エンディングリスト画面も削除されている。
全ての伏線は、丸投げのまま終了…
久しぶりのガチなホラーだったので、余りに惜しい死だね。
相方には経緯の説明と、資料の公開だけはして欲しい。折角描いたのだしね。
いつかひっそりと復活することを、願ってます。
さよなら初恋 レビュー感想 あとからあとから湧いてくる不思議な感情を抑えきれずに……わたしは笑った
平成最後の夏、「わたし」は初恋の相手である幼馴染が上京してしまうことを知る
そんな幼馴染の「たっちゃん」と偶然再会し…
▼いやあ…
このゲーム、めちゃめちゃ素敵やん?
幼馴染ものでありながら、疎遠になった関係というのが、非常にリアルでいい。
結婚の約束をしてるとかより、遥かに現実味がある。
こういう関係の幼馴染って誰にでもいると思う。非常に身近なテーマだった。
空白の時間を感じさせる演出も丁寧だ。
▼「わたし」の心情も非常に細かく描かれており、立ち絵がなく、すべてがスチルとカットインなのも、臨場感があった。
ジャンル的には乙女ゲーなんだろうけど、男性でも面白いね。
こういうゲームでは大抵男が美化して描かれてるんだけど、本作はどちらかというと主人公がいい女として描かれてる、気がするね。
▼お互いの足音が花火の音に掻き消されるラストシーンの切なさは、ひとしお
ここでクールな主人公であるわたしが初めて笑顔になるのが、またいいんだよな
▼文章も面白い。最初に平成最期の夏とあるので誤字と思えば、平成が死ぬ、そして新しい年号に生まれ変わるだなんて詩的表現が後にされてて、表現の上手さに思わず舌を巻いたね。
音楽も凄くマッチしてるんだよな。終始せつない雰囲気がある。
▼別れてしまったわたしとたっちゃんの今後が気になる
まあぶっちゃけ別れの美学みたいに終わったが、実家はめっちゃ近所だろうから、会おうと思えば会えるんだろうけど…
あれだろ?
わたしが獣医が夢だと言ってるんで、獣医師になるために上京した先でたっちゃんと再会して、恋愛に発展するんだろ?
数年ぶりに再会したのに、お互い「ちゃん」づけで、今でも仲いいのが変わりなかったしな。
評価B+
70点
切ない気分になれますね。
タイトル画面が線香花火なのもよかった。
【運営こぼれ話】
最近の若者はパソコンを持っておらずスマホでネットをする…
最近の若者はパソコンを使えない…
そのような話を、度々耳にしてきました
PCゲームやフリーゲームの実況動画にも、PCを持ってないからフリゲがプレイできない。だから動画だけ見てるというコメントが多い
PC派は意外でしょうが、PCゲームをメインに扱ったブログでありながら、このブログも約7割がスマホからのアクセスです(余談だが、ガラケーからのアクセスが今でもある事も驚き)
閲覧に使われている機器の1位は毎日スマホで、PCがそれを上回ったことは1度もありません(月によっては、2倍近い差がつくことも)
PCを持っていない若者が多いという話が、事実だと実感。それも開設当初より割合が増えているので、今後も増加傾向にあるんでしょうね
子供の頃からパソコンをイジってて、簡単なプログラム程度なら出来た世代からすると、携帯ゲーム機やモバイルの進化は驚異的でこそあれ、本当に凄いのは普及率なんでしょう
また、モバイルのスペックが上がったからこそ、それだけでフォロー出来てしまうので、PCが売れなくなったという側面もある
西野カナがケータイ世代の歌姫として売り出されてましたが、それすらももう古く、スマホの時代ですしね
そのような時代の変化に対応し、管理人としてもこのブログは、スマホ専用ページでの閲覧を推奨しています。(勿論PCからでも全く問題ありません)
縦一列に全てが収まるレイアウトにした上で、更に軽量化してあるので、なかなか見やすいんじゃないかと。
2018年10月23日
JKいわくただの廃校だと思ったらおばけ屋敷だった件 レビュー感想 選んだのは私だもの
エレベーターから異世界に迷い込んだ女子高生、みよは、おばけ屋敷からの脱出を試みる
▼お化け屋敷といってもステージは学校で、トイレの花子さんなど、定番のクリーチャーから逃げることになる。
まあ最初にホラーゲームなんで、怖いのかどうか、というのに言及しておくと、まあこれが結構怖いね
基本、間を持たせて…
ギャーーーのパターンだからどこで来るかは分かるんだけど、それでも予想外のところでホラーシーンが入ることもある。
正直、ギャグ系のタイトルや主人公の雑な絵から、かなり簡易的なホラーゲームを予想していたので、予想外の怖さに驚いたくらい(DL数が少ないのは、タイトルでかなり損してるから)。
音の使い方も上手くて、チャイムの後にひゅーどろどろと敵が出てくるのはとても耳に残るね
▼攻略難易度は非常に簡単で、謎解きは初心者でも解ける
一定回数エリアチェンジしたら敵が出現し、更に一定回数エリアチェンジしたら消滅する仕掛けなので、とてもわかりやすい。
システムの穴として、画面切り替えを連続で行えば敵が消滅するので、どうしてもクリアできないならその方法を使うといいかも。
でも、零シリーズのように壁や障害物をすり抜けない、障害物に引っかかるやけに現実的な霊体なので、普通に捲ける(笑)
▼みよは行く先々で、ホラーゲームにありがちな攻略ヒントを残していく親切な人に導かれながら、脱出を試みる
▼以下ネタバレ
いよいよ終盤に差し掛かり、脱出も近い。
みよは最後のヒントを読む。そこにはいつものように、親切な謎の人物からの言葉が残されていた。
死ねばよかったのに
……
ガクガク((((;´゚Д゚)))((゚Д゚;))ガタガタ
▼その後クリーチャーから必死に逃げるも、追い詰められてしまう。
そして衝撃的な事実を告げられる
お前をこれまで導いていたのは俺だと
結局憑りつかれ、死亡したみよは、都市伝説、怪談の一部になってしまう…
うーん…
まさかこんなエンディングだとはね。怖い話だなあ…
▼と思いきや、これはバッドエンド
真エンドはハードモードで見れるらしい。
なるほどなるほど、そうきましたかあ
ほうほう
このゲームには、親切にも常時難易度を変えられるアイテムがあるので、クリア直前データで使えば、すぐにでも見れるだろう。
……
だが、無い。どこにも無い。
更に前のデータをロードする、だが無い。
無い無い無い。
世代じゃないけど、シブがき隊くらいNAI-NAI-NAIと歌い出したい
ひたすら前のデータをロードして、一番古いデータでやっと発見。
ん…?
>これを使うと一度だけ難易度を変更することができる
1度だけ…
だと…!?
そういえば…
最初に使ったんだよな…イージーからイージーに…何も意味なかったけど…
はい、ということで本作、JKいわくただの廃校だと思ったらおばけ屋敷だった件のレビュー感想をここで終わりたいと思います
評価C
65点
怖さ、難易度、プレイボリューム、どれも適性で、非常に手堅く纏まった良作でした。
これはこれでよく出来たオチなので、寧ろこのバッドエンドには満足しています。
完全に力尽きたので、真エンドは、また後々見ます。
誰かの実況動画でな!!!