天候の悪化により遭難しかけていた。
そんな中、ペンションLe Soleil(ル・ソレイユ)を発見し、事なきを得る。
そこには従業員を合わせ男女9人が宿泊していた。
雪が治まるまで滞在を許された2人だったが、
翌日オーナーの遺体が発見されてしまう。
猛吹雪によりペンションは孤立し、外部との連絡手段も途絶した状況で、悲劇は終わらなかった…。
▼見た瞬間「好きなの来た!」と思った。
下火ジャンルとなった、推理ADV…それもクローズドサークルだ。
設定も王道中の王道で、奇を衒ったところは1つもない。
殺人鬼と一緒に居られるか!と騒ぐ奴がいたり、
ペンションから逃げようとするも車がパンクしてる!と大慌てで戻って来る奴がいたりと、もうすべてが王道
▼推理ものには、フーダニット、ハウダニット、ホワイダニットという区分がある。
「ル・ソレイユの殺人」はフーダニット、ホワイダニットに分類される。
推理ゲームとしては非常に簡単でプレイヤーが推理する箇所は終盤のみなので、難なく攻略できるだろう。
ほかは勝手に、主人公が解いてくれる。
そのような側面から、
本作は推理ADVというより推理をモチーフにしたノベルゲームと言った方が近いかもしれない。
…
これについては、物足りなかった。
プレイヤーが頭を使うシーンが、せめてもう少し欲しい。
だがストーリーは面白い。
小さなペンションでの殺人事件が、過去に起こった思わぬ事件とリンクしていく
…
…
…過去からつながる殺人事件の謎を解き明かし、悲しみに満ちた犯人の心を救済して欲しい。
▼もう1つの面白いポイントは、主人公とヒロインのラブコメだ。
冒頭からエンディングまで、幼馴染らしい痴話げんかが続く。
どうでもいいようなイチャイチャ(?)が繰り広げられ、なんとも微笑ましい
特にヒロインのキャラクター性には
妹属性だけではなく絶滅危惧種の大食い属性まであったりと、古き良き時代のヒロインを思わせる
優しかった主人公が昔と変わってしまったことを気に病んでおり、彼女なりに気を使っているようだ。
語られるのは、昔は優しかったという過去の話ばかり。
「大人になって変わっちまったアイツ」という、妙にリアルなもの悲しさを感じた。
なぜ彼は変わってしまったのか?
プレイヤーが解明するのは、事件の謎だけではない。
最後に待っていたのは、ふたりの雪解けだった。
推理だけではなく、そんな恋模様も見届けて欲しい
評価B
70点
推理ADVとラブコメの融合で、楽しめました。
推理要素が薄い事については、評価が分かれるでしょう(私は物足りなかった)。
本格推理ではありませんが、初心者向けは長所にもなり得ます。
本格推理は初心者には取っつきにくいが、
ライトミステリは誰でも一定の面白さを感じるからね。
気になる方は、プレイしてみては?
【このカテゴリーの最新記事】
フリーゲームにそっと寄り添い優しく支える事から、「フリゲ界のpied clair」と呼ばれています。
日夜みなさんにフィットするレビューをお届けしています。
「ル・ソレイユの殺人」には、「推理を題材にしたサウンドノベル」という印象を持ちました。
プレイヤーが頭を使い推理する要素が少なく、読み進める要素が中心となったゲーム構成だからです。
唯一の推理である犯人当ても「普通に話を聞いていれば解かるレベル」で推理というより答え合わせなので、初心者にも安心かなと。
クリア後は吹雪が止み、陽が差す画像に変わっていましたね。
クリア前がル・ソレイユに向かうシーンの画像なので、晴れやかな気持ちと共に「2人が帰るシーンの夜明けかな…」とこの良作が完結してしまった事を実感し、少し寂しくも思いました。
私も同様の感想でした。読みやすくてキャラもストーリーも良かったので、推理ゲームではなく、サウンドノベルとしてはオススメできるなあと思いました。ずっとペンション内で、絵的に変わり映えはなかったけど、主人公たちのやりとりで退屈することなく楽しめたので本当にいい作品でした。
クリアしたらタイトル画面が変わるのも晴れやかな気持ちになれました。