これは素晴らしいゲームだ!!
何故ならクリアした時、プレイヤーの気持ちを心底明るく照らしてくれるからだ
クリアして真っ先に気づいたのは、自分の気持ちが軽く、そして明るくなっていたことだ
「このゲームをプレイしてよかった…」と強く思った。多くのプラス感情のめばえだ
こんな感情をゲームで抱くことは、あまりない。大変有意義なゲームで、とても素敵なゲーム体験だった
▼高卒社会人の緑は、中小企業に就職する。だがそこは、無理難題を押し付けてくるばかりか、残業が100時間を超えるブラック企業だった…
残業代は21時間までしか出ず、社員はすぐに辞めていく。社長も平然とパワハラを行っている
先輩社員の村岡もとても冷たい。
女なのに平然と「お前、〇〇しろよ!」という口調で恫喝してくる(でもおっぱいが結構大きいし、嫌いになれない)
緑は劣悪な現実に、徐々に心を蝕まれていく…
▼そんな彼には子供の頃から逃げ道にしている、想像上の世界がある。
そこではミドリは村長で、住人はとても優しい。彼だけの中に存在する、優しい世界だ
…だがいつまでも、逃げることはできない
緑は現実と架空の狭間で、自己との対話や、辛い現実と向き合うことになる…
ここが本作の、重要なテーマの1つだ
▼少しだけネタバレしてしまうと、本作は社会だけではなく、発達障害をテーマにした作品だ。
フリーゲームではかなり珍しいだろう。
肉体的な障害者がテーマの作品は名作の「かたわ少女」があるが、精神的な障害をテーマにした作品は「死ぬよりもつらいこと」(同作者の他のゲームだったかも)など、そう多くはない
▼主人公は発達障害を持っているがゆえに、また、幼いころからの周りの影響で、上手く仕事ができない。同僚になじむこともできない
そんな人間が社会でやっていくための苦悩が、フリーゲームという媒体を最大限生かしたメタフィクション、システム、演出、どんでん返しを繰り返す怒涛のストーリーで再現されている
これまでのプレイ結果が反映されるボス戦も、SLGとして面白い画面だ
新キャラの登場もあり、「ここから更にストーリーが続くのか!?」と思わず唸った。中盤では、まだこのゲームの着地点が見えなかったしね
▼ゲーム作品としては、グラフィックやUIなど、細部まで非常に完成度が高い。
曲調が一変し雰囲気が変わったり、精神的ホラーとしても怖かった。
ホラーが苦手な人のためなのかオフ機能もあるが、ホラーはこのゲームの大事な一部。
ぜひ緑くんの苦悩を、恐怖というありのままの形で受け止めて欲しい
評価A+
85点
……ウディコン一発目で、いきなりとんでもないゲームを引いてしまった
めちゃくちゃおすすめです。
ストーリーが余りにも面白いので、一気にクリアしてしまった。2時間半くらいだろうか。
人生と同じでオートセーブでやり直しが出来ない(?)独自のシステムを使っているが、1度もロードせず、ぶっ放した。そのくらい、面白かった
尚、本作は「フリーゲーム製作者」「動画制作者」をテーマにした作品でもあります。
緑くんは仕事が嫌で、動画で食っていきたいと夢を見ている。典型的な駄目ニートの思考回路です(ニートじゃなくて社畜だが)
そんな彼の末路だけは…さすがにちょっとご都合主義感あるかも?
…でも感動しちゃったもんなあ、文句なんていえねえよ。
【フリーゲーム小話】
▼ネットを徘徊していたら、興味深い記事を発見した
それは「作品だけ評価され作者はフォローされないこと」について物申す記事だ。フォローという言葉を使っているが、概ね作品と作者の温度差の話だ
そもそもなぜ多くの人が作者ではなく作品を評価する傾向にあるのか?という肝心な部分への考察も無ければ(それで通っているからにはそうなるだけの理由があるのだが、こういう人は、決まってその発想が出せない)、短絡的で視野の狭さがあるが、熱意が感じられ、なかなかいい記事だった
何より、とても重要な、自分とは真逆の意見を知ることができた
一家に1回線だったインターネットはスマホの普及でいまや一人1回線となり、インターネットにはデマを含む玉石混淆とした情報が溢れ返っているが、自分に都合のいい話や同意見ばかりを取捨選択するのではなく、真逆の意見を読む事はとても大事だと、改めて思った。これは何事に於いても、だ
そう、前にも書いたが、このブログも「作者ではなく、作品を評価する」レビュー感想を書いてるんだよね
一応補足すると、これは作者を評価しない、褒めない、蔑ろにするという意味では勿論ない。当たり前だ、作者がいないとその作品は生まれないのだから。むしろ尊重している
しかし私は、「〇〇の作者の新作」程度の言及に留め、作者についてはあまり触れない
レビュー感想は作品ファーストであるべきだというコンセプトの上で、執筆してきたわけだ。記事ばかりかコメント欄でも定期的に話題になるので割愛するが、このSNS全盛時代のレビューでは、もっとも重要だ。
「フォロー」という言葉を敢えて使うならば、このブログはフリーゲームのレビュー感想ブログというごく小さな小さな世界では、フォローが多いほうだ。毎日、ブックマークだけで数百人の方々に読んで頂ける。大変ありがたい
このやり方で一貫してきたゆえ、いまの読者数がある。
これはある程度、私の意見、スタンスの正しさの証明になっているのではないか(何が正しい、何が間違っているの話でもないが)
いまのフリーゲーム界隈だと、作品より作者を評価するような空気はノベコレくらいかな。
とある作者も書いていたが、フリーゲーム制作の動機の1つに承認欲求を満たしたい、自分の考えをゲームに乗せて主張したいという気持ちがあるので、この記事の主張も、ごく自然だろう
本来収益のないフリーゲームなのに実況で他人に利益が生まれたり、SNSの普及で、「フォロー」のマウンティングをする輩が増加したことも、背景にありそうだ。これも以前書いたが、やはり少しばかり歪な構造になっている
「フリーゲーム制作の価値観」は動画サイトとSNSの普及で激変したね
昔は、今ほどの柵はなかったように思う
▼「花曇と夜空」を攻略
ヒロインがきみの大好きな、女子〇学生であることを除けば、トラッドなホラーADVだった
続編がありそうなので、楽しみだ
▼「HOPEND」を攻略中。
2本のゲームがセットになった非常にユニークなフリーゲームで、序盤から専門用語が連発される
このままだと全く頭に入ってこないが、まさか筆記テスト形式でプレイヤーに憶えさせるとは(しかもクリアしないと先に進めない)、考えられた手法だ
だがとても長そうだ。全く終わりが見えないが、クリアできるかなあ
▼第13回ウディコンはこれまで以上の、ものすごい豊作の予感がする。
「エルの死神」「Ploutonion -プルートニオン-」「チグハグ王子と未明の箱庭」「ニアとアインの冒険」「UMAFILE」に興味をそそられた
気になったものからプレイしたい
【このカテゴリーの最新記事】
あ り ま せ ん ! !(絶叫)
第一人者という自覚がない管理人はすごい
自由すぎる
まあ管理人が幸せそうでよかった
この場をもって訂正いたします。
ヒロインが「きみの大好きな、女子〇学生」とありますが、
ストーリーの設定上、義理の親に監禁されているため、厳密な表現としては「きみの大好きな、女子〇学生」ではありませんでした。
「実際に半袖ミニスカでランドセルを背負い小学校で給食を食べて体育の授業を受けているのといないのとでは、
雲泥の差があるんだよ!!」という皆様方の拘りは理解していたはずが、
誤解を招く表現だったと思います。慎んで謝罪いたします。
小学校に通っていない女児を「きみの大好きな、女子〇学生」と表現してしまい、
まことに申し訳ございませんでした。
2度とこのようなことのないよう努めるとともに、「臭作」そっくりな50代の主人公と
そんな彼のことが大好きな10歳のヒロインが登場する「わたしのセンセイ」を紹介することで、お詫びとさせて頂きたいと存じます。ただヒロインが「きみの大好きな、女子〇学生」なだけではなく、どんでん返しもある良作です。お楽しみいただけると思います。
私のほうこそ、レビューした良作をプレイしてもらえたということは
ただそれだけに終わらず、自分の好きなゲーム(のファン)が広がる事にもなり、
とても嬉しいです。ありがとうございます。
主人公は19〜20歳の青年で、ヒロインはもちろん主人公に好意を持ってます。
しかし結ばれることのない関係……というのがロリコンゲー(!?)関係なく、
せつなくてよかったです。
エンディングもネタバレなので伏せますが、
続編でヒロインは救われるのかな?という希望がありました。
このゲーム、単にヒロインがロリというだけでなく、「ロリコン」…というか変質者をテーマにした作品なんですよね。エログロ路線でも攻めてました。
ドット絵も綺麗なので、おすすめです。
俄然やる気が出てきました️有力情報…ありがてえ…