ケガをしたか弱きヒトちゃんを5日間保護して、無事に人間社会へ返してあげよう!
ただし、人外さんは人外ゆえにヒトの表情や言語がわからない。学習ターンでパラメータをあげることで、ヒトの顔グラフィック、フキダシの内容の解像度をあげてヒントを得よう。
即死ルート選択肢複数あり。ルートによっては、一部、ホラーおよびグロテスクな表現あり。
▼好感度やステータスを上げるタイプの育成SLGでは、久々の大当たり。
めちゃくちゃよく出来てる。
手塚治虫や藤子不二雄にありそうなブラックSFで、
巨大な人外が「野生のヒト」を拾うところから、物語はスタートする。
私たちのいるこの現実世界の人間にとっての野生動物は、
「ヒトちゃん飼育日記」の世界観では、まさにその私たちなわけ。
巨大な彼らにとって人間は、まさにペット。
▼人外さんは「ヒト」と意思疎通すべく
餌を与えたりヒトの言語や表情を勉強し、奮闘。
これらは「みだしなみ」「言語理解」「心情理解」の3種のパラメーターで表現されている。
「みだしなみ」が上がれば人外さんの見た目は人間に近づき(本当か!?)、
「言語理解」が上がれば記号や単発的な漢字だった台詞が読み解けるようになり、
「心情理解」が上がれば、人形のようだったヒトが、まるで本物の人間のように描写されるんだよね。
単純だが、実によく出来たゲームシステムで面白かった。
「言語理解」が低い内でも、「腹!」「減!」のような文字でヒトの気持ちが推測できたりね。
そこから彼が何を言いたいかを読み解いて、正しい選択肢を選ぶ面白さがあるわけ。
正しい選択肢を選べば信頼関係(好感度)が上がる(だが上げ過ぎてしまうと……まさかこんなギミックまで用意されてるとは)。
▼どこからどう見ても黒く怖い話だが、
意外にも人外さんがペット愛好家で、TRUEエンド(?)までは飼い主とペットの優しい話として完結した。
エンディングは13種類もあるので完全攻略はまだ先だが、
逆にブラックでグロいエンディングもあるので、多様な世界観も面白い。
▼なんといっても、グラフィックが凄いね。
所謂立ち絵がほぼなく、多くのシーンがイラスト、スチルによって表現されている。
かなり膨大な作画枚数だが、全然手抜きがされてない。
シーンが切り替わるごとにイラストも変わるものだから、物凄い手間暇には恐れ入ったよ。
評価B+
75点
完成度の高い人間飼育SLG。
人外とヒトのコミュニケーションゲームで、楽しめました。
このジャンルとしては久しぶりの大当たりで、「従妹を大学に連れていく! 」以来の良作かも
おすすめ!
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