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2021年07月18日

冬つく花だより レビュー感想 Death&Flour

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眞田春樹は生まれつき幽霊が見える霊感少年。


ある日、いつも通り幽霊を見ながら震える日々を過ごしていた春樹はレイラと名乗る少女と遭遇する。





「貴方は死ぬわ」






自らを死神と自称するレイラは、遠くない内に訪れる春樹の死を宣告し―――。






「付き合ってくれ」






レイラを彼女にすれば、春樹が死ぬのを取り消してくれるかもしれない。



ヤケクソと安易な考えからの突発的な発言に、死ぬ前に恋愛っぽさを味わえるなら未練はないだろうと、レイラは恋愛ごっこならやってもいいと妥協案を出す。



ごっこならば、それを本気にさせれば良い。


僅かな光明を見出した春樹は、生き延びる為にレイラを惚れさせる方法を模索していく。























▼ヒロインが幽霊や死神というのはギャルゲーのテンプレートの一つだが、そのカウンターとして、主人公が生存のためにヒロインを落とすというのがなかなか新しい




この設定、かなり面白いんじゃないか。少なくとも私はこの題材だけでも「冬つく花だより」に興味が湧いた







主人公がヒロインに命乞いをするとか、実にユニークな導入だ




「掴み」もとてもいい














▼ストーリーは実にシンプルだ。主人公の命乞いを受けいれたヒロインのレイラが、恋人になるべく、クラスに転入してくる





皆の前でいきなり、「私は彼の、恋び…」と言い淀む。




他のゲームや漫画でも1度は目にしたような王道ぶりだ








ここでの変化球が、「恋人ごっこ」が序盤でいとも簡単にバレることだ。王道ではごまかし続けるだろう。

主人公に片思いしてるサブヒロインが、「本当につきあってるの?」なんて疑うシーンがよくある(そしてこの役目のサブヒロインは大体が幼馴染か、クラスメイトだ)







お約束ばかりではつまらないので、こういうところが上手い具合にスパイスになっている。








主人公が裏切った(バラした)友達のことを「ユダの銀貨30枚は今では少額なんだ」と言ったり、ギャグもしっかり入れてくる
















▼初対面では冷徹に見えたレイラだが、「付き合ってくれ」といわれて動転したり、世間知らずで水族館デートに醤油を持ってきたり、天然ぶりがとてもかわいい





ギャップ萌えというやつだ






「冬つく花だより」は心霊もの…恋愛もの…青春もの…多くの呼び名が当てはまるが、一番近いのはギャルゲーだろう






「ヒロインの魅力」はギャルゲーの面白さを大きく左右する












▼主人公とヒロイン以外の、サブヒロインや親友キャラもいい味出してる。立ち絵は恐らく素材だが、妙にキャラが立っている。





特に2人いるサブヒロイン……









正直ヒロインよりかわいくね?










だが残念!攻略対象外!


ギャルゲーあるあるだ!

















▼プレイ中もさることながら、クリアして真っ先に思ったのは、「なつかしい」という気持ちだ





私はどうも、このような「昔ながらの王道」に弱い。


「暖白のイルジオネ」(これも心霊ものだったな)もそうだが、フリゲにはたまにこのような、妙に2000年代初頭の雰囲気を持つ作品が出てくる





昔のギャルゲーが好きな人には、特におすすめだね






終盤の急展開もお約束だ









▼欠点としては、…やはり長すぎる事。3時間は用意したほうがいいんじゃないか



アニメの脚本のように1話ずつ進むが、主人公やヒロインが魅力を発揮していない、かつ、別にこのゲームでなくてもいいんじゃないかという、設定を活かせてない、微妙で冗長なエピソードもあり、中盤からはダレてしまった








序盤の些細な事で喧嘩したまま死別してしまったカップル、ミカとトオルの話が、本作の理想的サブエピソードでは。起承転結もはっきりしているし、ギャグも小気味いい。



サブキャラだけの話に終わらず、ラストでは、しっかり主人公とヒロインの恋愛につながる…



このテンポが中盤以降も欲しかった



















評価C
60点



消化不良な部分もありますが…


それゆえに、心霊もの特有の切なさを感じられるエンディングでしたね











切ない昔ながらのギャルゲーが好きな人…










ロリコン…





設定にびびっときた人…









ヒロインが死んでないと興奮できない変態…











そんなあなたにおすすめです



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