以前に今話題のマンガ、「進撃の巨人」のツッコミで終わってしまいましたが、今回は見るべきところを紹介しましょう。

　このマンガ、以前に「緻密すぎる設定があるため、気が回ってないところの設定に穴を感じてしまう」と書きましたが、その緻密な部分について。

　人類が対決する巨人には「通常種」と「奇行種」があり、その書き分けが予想以上にしっかりしています。（３巻までの知識ですが）

　通常種を元に生態を見ると体型は中年男性の様なそれで、基本的に多く人が集まるところを狙ってきます。捕食の時には手で獲物（人間）を捉えることが多い。２巻を見ると、巨人の侵入により住民が避難するため、兵士が前線に集まり巨人を引き付けますが、それを無視して突破する通常種がいます。ただ、その先に避難が遅れた住民がいたので、これも生態どおりと言って良いでしょう。

　次に奇行種は痩せ型だったり、妙な筋肉質で必ずしも人が多いところに集まるわけではありません。そして人を襲う際に口から行くことが多い。

　この法則で読み返すと、巨人がその通りに動いてるんで、きちんと書き分けてると感じています。

　ちなみに武器の設定もなかなかですが、こちらは多分、他の人もやってるんでそっちに任せて（笑）。（まぁ、その技術があるならもっと強力な武器が作れるはずですが）


　次に妙にリアルな心理描写について。１巻の序盤、主人公の母親が子ども達を見送るシーンでつい出てしまったセリフは、通常のマンガではありえないセリフです。が、それは子ども達の行く末を考えて、思わず口を突いて出たものだと分かります。

　同じく１巻の中盤、訓練所を卒業したばかりの新兵が巨人を防ぐ塀の上でどの部隊に志願するかを話し合うシーン。自ら危険な部隊に志願する決意を固める仲間、この結束があれば巨人に対抗できると希望に胸を膨らませる場面など、若者独特の青臭さを見事に描写していま…いや、作者の年齢を考えるとそのまんまかな？

　それから刺激が強いかもしれませんが、１巻の終盤までに出てくる登場人物の運命も無慈悲に描かれていますが、淡々と描いているのが余計に残酷でテンポが良い。これもプラス評価です。

　最後に（ネタバレしないような表現ですが）３巻の序盤に現れる巨人の造形は見事です。あのデザインはなかなか作り出せない。

　総じてツッコミどころが多いものの、面白いマンガだと思いますが…「これが21世紀の王道漫画だ！」ってコピーは大袈裟だなぁ（笑）。


おまけ

ついでにこの機会に。

Elwoodの選んだ偏ったコミック（笑）
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