「藤子・F・不二雄ミュージアム」へ行けばきっとコミックスが読めるだろうと考え、子供の時雑誌で読んで今でも記憶に残っているエピソードを探そうと考えた。17時過ぎて2F「まんがコーナー」が空いていたので全45巻てんとう虫コミックス「ドラえもん」を読み始めた。
まず0巻を読めば連載開始時のドラえもん登場の話が収録されていた。そうこの話だと思えば掲載年月からも間違いない。それにしてもオバQ同様アイディアが浮かんでいないまま予告を出してしまい1ヶ月の間にドラえもんを生み出し年齢ごとに話を変えて漫画を描き上げるとは、F・不二雄先生は凄いとしか言いようがない
0巻巻末の全巻索引を見てまず見つけたのはTC15巻「入れかえロープ」だ。雑誌掲載時のコマ欄外注釈に「ややこしいので良く考えて読んでね」みたいなことが書いてあった記憶がある。子供心にこのロープは魂(精神)を入れ替えるのだと思っていた。
大人になって今読み返すと、そうではなくキャラクターデザインを入れ替える漫画家にとってのメタ認知ギャグだったのではないかと感じた。キャラデザは以下の通り入れ替わっていく。
【のび太】->ジャイアン[ケンカ敗北]
【ジャイアン】->のび太->ドラえもん[お母ちゃんに追いかけられる]
【ドラえもん】->のび太->しずか->犬[騒ぎを解決しようとする]
【しずか】->のび太
【犬】->しずか[ママと歯医者へ]
だからジャイアンの母ちゃんは入れ替わったドラえもんを追いかけまわし、しずかちゃんのママは中身が犬の娘を疑問にも思わず歯医者に連れて行くのだ。
と言うことはロープを出す原因になったのび太とジャイアンの喧嘩で入れ替わったのび太がジャイアンを殴って勝ったのは一見目的達成に思えるが実際は全く役立っていない。
確かにややこしくなる話だが面白いからOKだ…と思ったがそうだとしたらしずかちゃんのママはのび太を連れて行かないといけなくなる。オチを間違えているから道具仕様が曖昧になりややこしくなっている気がする。その後このロープの仕様は色々変更されているそうだ。
参考:入れかえロープ
https://dic.pixiv.net/a/%E5%85%A5%E3%82%8C%E3%81%8B%E3%81%88%E3%83%AD%E3%83%BC%E3%83%97
あとはタイトルからではどんなエピソードか分からないので1巻ずつパラパラ読んだ。次にTC5巻「ドラえもんだらけ」を見つけた。これも連載時はコマ欄外注釈に「分からなかった何度も読み返してね」みたいなことが書いてあった記憶がある。この漫画のお陰で宿題でも仕事でも早くから手を付け余裕を持って終わらせようと心掛ける様になった私の人生の指針だ。
最後の1本はタイムマシンを使ったのび太のお小遣いの話だ。17:55までねばり19巻まで確認したところTC4巻「してない貯金を使う法」TC18巻「お金がわいて出た話」を見つけた。これらではないが、意外とお金に関するエピソードがあるのだと知ることになった。
私が読んだエピソードは次の話だ。
すぐに今月分のお小遣いを使ってしまったのび太はドラえもんのタイムマシンを使って翌月の小遣いを自分から取ってきて2か月分の浪費を満喫した。1カ月経って今月の小遣いをもらえたと思ったら1ヶ月前の自分が来て取られてしまう…というストーリーだ。
これを読んで子供心に借金や前借の怖さを知った。私のマネーリテラシーを高めてくれた話なだけに、今回見つけられなかったのは残念だ。次の機会にまた探してみよう。