政井さんはドル円グラフのフリップを用意して2007年から2012年2月までの円安トレンドはそこから転換の流れに入ったと言う。最近まで80円台でこう着していたのは日米金利差のないことが原因だ。
ところが日本の経常黒字が3.11以降大幅に減少し最近では単月で赤字になっていることと、政局に動きがあり「今度こそ!」の期待感が82円台になった理由と説明する。
海外短期機関投資家筋は円安トレンドに乗り遅れる不安感を持って飛び乗っているのも円安傾向を後押ししている。それを見て長期機関投資家も注目し始めている。
今後のドル円相場は年末から来年3月までは84円台を上値の目途とし、その1年後は88円を上値の目途と見ている。FRBは2015年半ば金融緩和を続けると言っているが為替の変化率が大きい物に通貨が動くので米ドルより円が動くだろう。
経常黒字縮小からも円高に振れるリスクは少なくなっている。2013年の日本は景気浮揚と増税駆け込み需要が期待出来るので円安傾向になる。2014年はその反動で景気は後退りすると予想している、と語った。
グラフのトレンドラインを使った説明は説得力がある。市場参加者もそのラインを意識した取引を行うのだからこの予想が当たる可能性は高そうだ。もっともこのシナリオは「ユーロ危機は去った」、「米国の財政の崖問題は回避される」と言う前提条件があってのこと。
市場トレンドには「乗れ!」とは言われるが、米国からは協議が進展していないと言うニュースが伝わってくるし、今は市場が注目していないが欧州各国の財政立て直しの進捗も「財政の崖」が解決されれば再度注目されるようになるだろう。その時再び円が買われる時が来る可能性もある。
そして2013年日本の景気が良いと言う予想は誰の話?と思って聞いていたが、検索してみると幾つもの総研が「13年後半は駆け込み需要」を理由に消費が伸びると見ていると分かり納得するものの実感が伴わない。(苦笑)
シニア層の消費意欲は高いとも書いてあるが、その原資は貯金の取り崩しなのだから今後日本国債の買い手や外貨の買い手の予算が減少すると言うことだ。これは円安傾向を弱める可能性がある。
こうして素人ながらドル円相場を考えると、モーサテの解説通り緩やかな円安傾向にあるが、VIX 恐怖指数が跳ね上がる様なことがあれば急激な円高に振れる可能性も残っていると言う当たり前の結論に辿り着いた。(苦笑)
【関連リンク】
『米「財政の崖」回避に向けた協議は進展せず、歩み寄りの兆しも』
http://jp.reuters.com/article/marketsNews/idJPTK824705620121127
『内外需の低迷で2012年後半は後退局面となる可能性』
http://www.jri.co.jp/report/medium/publication/japan/
『日本の景気が良いのになぜ円安が進むのか?』
http://www.mo-ney.net/about/why.html
『国債バブル終焉と円安、個人は外貨建て投資で備えを』
http://www.nikkei.com/money/features/32.aspx?g=DGXNMSFK2703O_27112012000000
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