今回は、すべての人にとって優しい訳
ではありませんが、これも経営の一手法だ
というケースを紹介します。
カテゴリ「エピローグ〜さらば警備業界編」
のD社。
地場中小警備会社であったD社。社長は
地元警備業協会の役員をしていました。
D社は社長がやり手で、コストカットの
上手い会社。
D社では就業規則で、退職する際は一か月
前に申し出ること、とありました。
僕はそれに従い退職しましたが、最後の
給与明細を見て、その理由が判明。
社会保険費用を抜いてあったのです。
無駄な経費はびた一文払わないという
D社のスタンス。
今はどうなっているか知りませんが、
当時は有給の概念もなく、有休消化で
在籍すれば、違ってきたでしょうね。
給与が業界地元最低レベルなので、退職者
が後を絶ちません。暮らしていけない給与
レベルだから。レベルにもいろいろあります。
生活コストに余裕のある人か、年金を
貰っている人しか来ないのでは?と
思ったりしますが・・・
D社は健在で潰れず、現場は回っています。
それも交通誘導・雑踏・施設・身辺警護と
幅広く業務を展開。
ここで思い当たる節があり、使えないお荷物
隊員も、ぎりぎりまで使い続けるスタンスに
あるようです。
要は、仕事ができない人に優しい。まるで
社会保障のような事業ですね(半分冗談)。
過去記事「警戒棒紛失しても」の対象で
あったのもD社隊員。D社は当該隊員に
顛末書を書かせていました。
よく警戒棒紛失で顛末書で済んだものです。
最低でも始末書、懲戒処分になっても
おかしくない。
拾った警戒棒が、凶行事件に使われれば
どうなったか・・・会社も罰せられるのは
必至でしょう。
警備員失格の行いであっても、使い続ける。
一方、雑踏警備の現場で隊員同士の
つかみ合いのケンカについては断罪。
懲戒処分(減給)を行いました。D社で
仕事ができない隊員は、変な角を立てない
人が条件のようです。
かつての同僚で、社長のコネで入社した
隊員がいました。警備以外の仕事はでき
なさそうです。
彼は僕と同じ、青果市場の警備に配置
されていました。彼は文句を言いながら
辞める気配はない。
僕と入れ替わる形で交代したお荷物隊員
通称「ポン吉」も、ミスがありながらも
対外的なトラブルには発展しませんでした。
それだけ、現場の同僚がカバーしていた
ことは否めません。カバーする方にして
みれば、いい加減にしてくれ。
仕事ができない隊員を使い続けるのも、
回りのカバーがないと、成り立たない。
辞められるリスクも織り込み済みか。
ただそのやり方も、ほころんだケースが
あったのです。
地元大型商業施設を警備していたD社。
聞けば、クライアント側から切られた
との話。
あくまで噂ですが、隊長が部下をイジメて
いた背景があったらしい。それが大きく
なった。
イジメられた部下隊員は、隊長の粗さがし
をやったでしょう。それをクライアント側に
告発したのかもしれません。
元隊長は自分も知っていますが、社長と
仲たがいして、事務所スタッフから
商業施設警備に左遷されたようです。
遠くに放逐された隊長は面白くない。
自分の居る現場を如何に快適にするか。
これが至上のテーマになった。
それが昂じて、上記事案の背景になった
可能性大です。やり手の社長も禍根を絶つ
ことはできなかった。
仕事ができない隊員にとって優しいD社。
現場が回る、ギリギリの人件費コストで
やっていたのです。
経営は成り立っていれば正解です。
資本主義は生き残った者が正しい。
僕は個人的に、商業施設警備を切られ
その後のD社の人事がどうなったか、
気になります。
根も葉もないことですが、徳というもの
が問われているのかも知れませんね。
社長の人徳、会社の法人としての徳。
戦国武将立花道雪が、主君大友宗麟を
諫めた言葉「人を弄べば徳を失う、物を
弄べば志を失う」出典は中国古典の書経。
資本主義ではあるけれど、徳の要素も
見直される世の中になっていくのでは
ないでしょうか。
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