今回は、僕の体験をベースに
組織運営が上手くいかない原因と
その対応について探ります。
タイトルにある、権限と責任の不一致
とは何でしょうか?
カテゴリ「施設警備3〜ブラック企業編」
B社での出来事。
全国規模のビル管理会社であるB社。
主に外資系保険会社ビルの警備を担当。
地元に警備する施設は一つだけ。
すなわち、上記現場を失うことは
全員解雇を意味します。入札は
年一回、秋に実施。
建前上は正社員を謳っていましたが、
実質は1年単位の契約社員です。
B社は雇用継続に「努力」はする。
警備隊は10人を超える大所帯だった
ので、隊長の下に副隊長3人を置き
ました。
後に班長と改称され、手当ては副隊長
の1/4の月5千円。
問題なのは、班長に誰もなりたがらない
こと。月5千円では割に合わないか。
手当以上に重大な問題が横わたって
いたのです。
それは、班長に人事権がないこと。
班長は、夜間や休日に隊長不在時の
代行をします。隊長は平日昼間のみ
勤務、で手当月5万円。
隊長は、班長達に平隊員のレベルの
低さは班長の責任と言い「嫌われる
のを恐れて注意をしない」と糾弾。
隊長は、上司は嫌われるのが仕事と
事あるごとに言っていました。それを
実践できない班長はダメだ。
隊長は、ダメだと判断した部下を
辞めさせる権限が事実上ありました。
すなわち、隊長の眼鏡に合わなければ
解雇もあり得る。
一方班長にはありません。平隊員の
尻拭いで、逆に自分が解雇される
事もありうる。
それならば、班長にも同等の人事権を
与えるべきです。
施設警備で現場責任者に任命された
人のボヤキの最大公約数は、部下を
選べる、権限を与えろというもの。
僕も経験がありますが、ミスを大きく
して、責任者に振ってくるブラック
部下に、煮え湯を飲まされたことも。
B社では、それが班長の解雇につながる。
平隊員は責任を問われず太平楽です。
それがB社の仕組み。
隊長は、辞めさせたい隊員がいるけど
平隊員だと、叩くのが難しいと言って
いたのです。
それなら、班長にして潰せばいい。
それができないのは、隊長自身に
火の粉がかかるのを恐れたから。
問題ある隊員を、他部署に異動させて
融通を図る事ができない事も、職場を
閉塞状態にしてしまっていました。
こうして、僕が辞めた後B社現場は
崩壊に向かっていきました。
班長職は平隊員の輪番制になりましたが、
うまくいかない。クライアント側の信用を
失う形で臨時入札が行われ、THE END。
上記のように権限に見合わぬ責任を押し
付けているケースは、警備に限りません。
良くあるのが、非正規雇用に正規雇用の
仕事を負わせていくというもの。
基幹化と言われています。
基幹化は、待遇に見合わぬ業務負荷という
問題がありますが、権限に見合わぬ責任を
負わされるのも、それ以上に問題です。
これは職場の人間関係の軋轢を
エスカレートする原因になります。
これまで以上に人間関係がギスギスする。
マスコミで取り沙汰された、保育士の
一斉退職も、権限と責任の不一致が
あったからではないか。
このように、権限と責任の不一致に
抗うには、団結して行動するのが
一番効くようです。
そうでなくても、理不尽な指揮命令
については「ノー」といい、職場を
選べる力を個人で持つ手段もあり。
以前、警備時代の知人から
「俺たち貧乏人はいろんなところに
唾をつけておけ」と言われたことも。
唾をつけるとは、行ける可能性のある
職場をピックアップしておき、実際に
アプローチしてみる。
求人が出る前に、会社に電話して
この現場で人を募集してませんか、
と打診してみる。
もちろん、業務に必要な資格を持ち
経験値が高いことが条件です。
給料の上がらない時代、自分が生き
易い環境を探すのも、サバイバル術の
一つ。
個人であっても、こういう動きが
拡がれば、使う側も行き詰まりに
気づくでしょう。
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