僕が警備員を辞めた理由

今回の記事は、警備員のみならず
他の仕事でも使えるものです。



特に職場でリーダーとしてやっていく
時の武器となるでしょう。



説明は実例を挙げるのが手っ取り早いと
思うので、さっそく始めます。



今回登場するのは、僕の知人である警備員。
１号（施設警備）指導教育責任者の資格を
持つ、経験２０年以上のベテランです。



彼が駐車場警備の仕事に就いた時の事。
カテゴリ「エピローグ〜さらば警備業界編」
のD社で、僕も従事した現場です。



僕が従事していた時は、月２４日出勤で
した。すなわち３０日の月は６日休み。
３１日の月は、７日休みとなります。



これに知人は異議申し立てを行いました。
正社員は、最低何日働かなきゃいけない
んだ？



当現場は、正社員の他に準社員（パート）
隊員も勤務していました。正社員と違って
勤務日数が少なく社会保険がありません。



知人は、正社員としての待遇を維持する為の
最低出勤日を明らかにしたかった。



月２４日勤務は、彼の生活にとって多かった。
プライベートが忙しかったようです。



こうして会社に折衝した彼は、月２４日より
少ない日数で勤務しました。何日減らしたか
は失念しましたが。



もう一件、今度はこれまた僕も勤務した事の
ある、地元市役所警備の現場での事例です。



僕らが入札に負け、引継ぎ時に指導教育責任者
である、前出の知人と知り合ったのです。



彼は後に市役所警備隊隊長となりましたが、
ある折衝を行った時のエピソード。



朝からの開庁業務で、車庫のシャッターを
開ける業務がありました。



僕らはクライアント側である管財課の指示に
従い、「手動」シャッターを上げていました。



これが重いのです。当時僕は若かったので
気にしていませんでしたが、歳を取ると腰に
きたりします。



そこで指導教育責任者の彼は、管財課と折衝。
「ロックを解除するだけで良いか？」
この提案は通り、負荷は減りました。



彼は公共施設の警備経験が長く、クライアント
側がどう出てくるか、ある程度読めるそうです。



もちろん警備上どうあるべきか、について
指導教育責任者として勉強し、理論武装して
から、折衝を行う。



彼が信条のように語っていたのは、「仕事を
減らすのも責任者の仕事」



施設警備は、年数と共にクライアント側から
依頼される、仕事は増えていくもの。



それを吟味し、警備上相応しくない業務を
削っていく。いかにも指導教育責任者らしい。



隊長になってからは、警備隊のレベルアップ
に力を入れ、隊員全員が施設警備２級を取得
する快挙を成し遂げました。



まとめると、上司やクライアント側から指示
された業務をそのまま受けず、提案を行う。



「ここまでの業務で良いか？」
「こんな形で行って良いか？」



決してやらないという「拒否」ではなく、
制度上の境目や、お互いの妥結点を探る
折衝であるのです。



これは警備以外の業務でも役に立ちますね。



僕は彼が長く警備員をやってきて、培った
能力であると踏んでいます。



例えば禁止の命令や指示をするにしても、
ここまでなら良い、と許可を与えるもの
である場合もあります。



命令や指示を吟味して、言葉に奥に隠れた
真意を探って、お互いの妥協案に導く。
これぞ折衝力の醍醐味でしょう。



指導教育責任者の知人は、これに長けて
いました。指導教育責任者の資格に裏打ち
された経験。



仕事は言われた事を忠実に実行するのが、
末端の労働者のミッションです。



だけれども、そこから一歩踏み込んで
こうした形でやってよいか、と考える時
指導者としての経験値が上がります。



指導者にならなくても、警備という業務で
伸びていく鍵である事には違いない。



折衝、ネゴシエーションは特別難しく考える
必要はないと思います。相手の立場を考えて
提案する。提案は折衝力のゆりかごですね。

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