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2021年04月16日

現場と一体になって

今回の記事は、カテゴリ「プロローグ〜
交通誘導警備編」の頃のエピソードから。



警備の世界に初めて入った僕は、まずA社
で交通誘導警備に従事します。



そこで初めて組んだのが、中年の女性隊員
でした。警備歴豊富なベテランです。



隊員の教育がなっていないと、社長まで
呼び出す女傑でした。



動きも良く、昭和の婦人警官のような
立ち振る舞い。当時は珍しい交通誘導
警備2級検定も持っていました。



普段は市中心部の駐車場の入口に立って
テキパキと車や人を誘導。



A社が、病院駐車場の警備契約を取った
時に、隊員の質の低さに嘆く
クライアント側。



上記駐車場のような隊員はいないのか、と
いう話になった時、A社幹部「ウチです」



それで病院駐車場警備に「異動」になった
ケースもありました。



惜しくも数年前亡くなりましたが、その女性
隊員からの指導は今にも心に残っています。



一番刺さった言葉は「現場と一体になって」
仕事をするというもの。



短い言葉ですが、奥が深い。
交通誘導警備では、工事と切り離せません。



監督をはじめ、工事関係者の意を組んで
誘導を行う。言うは易く行うは難し。



交通誘導警備の技能と、経験に裏打ち
されたアクションがものをいいます。



現場(監督)が何を必要としているかを
考え、時には先取りして行動する。
ベテランならではの味ですね。



現場現場に合った指導はあるけれど、
その根底にある思想、警備に対する
考え方に想いを馳せてみましょう。



その人が、何を考え何を基準に行動して
いるのか。



できる人の、警備に対する思想みたいな
ものを学ぶのが、上達の王道ではないで
しょうか。



動画で、有資格者が指南する誘導テクニック
や一級資格者が語る片側交互通行の極意、
といった類のものがあります。



セオリーを学ぶのには良いが、警備には剣術
のように決まった構えや型はない。



人それぞれ感覚も違えば、自分のやり方は
自分にしかハマりません。



大事なのは日ごろから何を考え、どう行動し
、いかに結果を出しているか。



この警備に対する思想、考えを経験と共に
磨き上げていくのが向上の秘訣でしょう。



当時は検定資格者は珍しいものでしたが、
今はそうでもないようです。配置基準が
厳しくなり、検定者を置く現場が増え。



逆に言えば検定を持っていても、指導力に
欠けると人は付いてきません。上記の動画
で形だけ真似ても、実際の現場で使えるか。



なので現場で体験に学ぶこと、筋の通った
思想を持つ指導者に巡り合える事。僕は
これらに恵まれました。



最後に、警備業に入ったばかりの僕に
冒頭のベテラン女性隊員からアドバイスが
あり。



警備だけしかできない人間にはなるな、
というもの。警備の仕事は遊んでいる
よりはマシ、という程度だから。



この環境を踏み台にして、もっと良い
(待遇の)仕事を目指しなさい。



知り合いは建設関係の資格を取って、
現場でバリバリ活躍している。



まるで僕の10年後を見透かしたような
アドバイスでした。当時僕は30代前半
であったのを見てかも知れませんが。



先の先まで読んだアドバイスに、警備の
入口で良い指導者に恵まれていたと、
回想する次第なのです。

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かつて10年ほど警備業界で従事してきましたが 限界を感じ、同業界を去りました。 今は港湾施設保安職員として、港湾管理業務に従事しています。
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