けど辞められないというものがあります。
これは金銭的な要因ではなく、社長が強権的
専制君主だったりして、退職を認めてくれない
ようなケース。
もし強行突破的に退職しても、警備業界を含む
ビルメンテナンス業界に転職したり、また地方で
世間が狭いならば、いつどこで何をされるか
分からないといった懸念。
禍根を残さずに組織を去るのは、意外に難しい
ものです。
そこで僕が提案したいのは「一瞬の隙を突く」
やり方。順を追って説明します。
まず僕が最初に就職した警備会社A社。
カテゴリ「プロローグ〜交通誘導警備編」
「施設警備〜市役所葛藤編」「施設警備２
〜市役所迷走編」が舞台となりました。
交通誘導警備時代、他の警備会社から
スカウトされる形で移籍してきたY課長。
彼との軋轢は退職まで続きます。
彼は剣道家で４〜５段であったと思います。
とにかく相手の機先を制するのがうまい。
僕は何回もやられ、突っ込まれました。
「キエ―！小手・面・胴！」
少しでも隙があればこんな感じです。
しかしやられ続けるうちに学んだのです。
一瞬のスキを突くやり方を。
時は流れ、市役所警備入札に負けたA社は
撤退後の敗戦処理をしなければなりません。
社長は、新たに落札した業者への移籍は
認めないと強硬姿勢。そこで既存の施設に
隊員を振り割りするしかない。
完璧でスキのなかったY課長の辣腕でしたが、
ここにきて綻び始めたのです。第一、市役所隊
全ての受け皿となる施設はA社にはありません。
僕は結果的に干され、収入０の月さえありました。
地方の中小警備会社は日給月給制なのであり得る
話です。
Y課長はお気に入りの部下の人事を優先し、
後は野となれ山となれ。
そんな時、A社を辞めた元同僚からB社への
誘いがありました。社長には同業他社のB社に
行くから辞めます、なんて言えません。
まずは、これまでのY課長の不徳が原因で
辞めざるを得ない状況にに追い込まれた
事を社長に説明しました。
親戚筋で仕事の話が来ている事だけ伝え、
僕はA社を退職したのです。
Y課長には僕もさんざんやられ、支配され
ました。彼の辣腕あってこその業務発展も
あるでしょう。
しかし入札に負け、市役所を撤退した後の
敗戦処理人事失敗という一瞬のスキを突いて
退職できたのです。
結果的にY課長の人事上の落ち度で僕が退職
したという形になって、社長や幹部一同に
惜しまれながら？退職しました。
このタイミングがA社を辞められる唯一の
チャンスであったのです。（続く）
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