2016年08月11日
ガンやリウマチには「笑い」 笑えば免疫力はアップする
最近あなたは、いつ笑っただろうか? 最近の研究により、「笑い」が健康に様々な好影響を与えることが分かっている。今回は、笑いがもたらす免疫力アップについて紹介しよう。
□笑いがもたらす免疫力アップの効果
筆者は看護師として勤務した経験があるが、笑いの健康に対する効果は、実際に働いていた現場でも経験している。
ある末期がんの女性患者が、積極的な治療を行わずに、痛みなどの苦痛を取り除く「緩和ケア」という治療方針を選んだ。彼女の性格はとてもポジティブでよく笑う方だった。
彼女が緩和ケア病棟に移動してからはなおさら、笑う機会が多くなった彼女。しばらくした後、何と検査結果でがんが縮小していることが分かったのだ。治療はもう行っていなかったので、担当医師も驚いていたと言う。彼女によれば、「私は最近自分ががんであることを忘れてしまうくらい調子がいいの」と話していた。
□笑いが健康に役立つ調査結果
ある調査では、リウマチ患者を2つのグループに分け、片方のグループには40分間の講義を聞かせ、もう片方のグループには落語を聞かせた。
その後、唾液検査を実施したところ、前者のグループではストレスホルモンの増加が見られたが、後者の落語を聞かせたグループでは、ストレスホルモンの減少が見られた。減少した量は、1週間分の鎮痛剤に値するものだったという(※1)。
□がんやリウマチは免疫に関わる病気
がんは自らの細胞で正常でないもの(がん細胞)が異常増殖することでかかる病気である。がん細胞は毎日数千個が発生していると言われており、がんの発生を防ぐには、免疫力をアップさせることがカギとなる。
先に紹介した調査の対象であるリウマチも自己免疫に関連した病気の一つである。
□笑いは免疫力を向上させる
欧米を先駆けとして、笑いと健康に関する多くの研究がされ、笑いがNK細胞を活性化させることが分かっている。NK細胞とは、ウイルスや異常な細胞を攻撃する免疫細胞の一つで、笑うことで活性化する。NK細胞の働きが活発になれば、がんにかかるのを防いだり、リウマチなどの自己免疫疾患の症状を緩和させる働きが期待できるのだ。
笑いは誰にでもできる健康に役立つ療法の一つである。仮に笑えなくても、作り笑いでも効果はあると言われている。健康への第一歩として、まずは笑顔を作ってみることがお勧めだ。