2016年08月08日
呼吸を制する者は人生を制す 米国防省実践タクティカルブリージング
みなさんは「タクティカル・ブリージング」という呼吸法をご存じだろうか。
この呼吸法はアメリカ国防総省現役官僚でもあるカイゾン・コーテ氏が『ペンタゴン式 ハードワークでも折れない心のつくり方』(カイゾン・コーテ著、中津川茜訳、KADOKAWA)にて紹介している。
この呼吸法を取り入れることでストレスが減少し、気持ちを落ち着けることができるのだ。
それだけではなく心の中が心配事で満たされないようにし、神経質になりやすい気持ちも自分でコントロールができるようになるという。その結果、心身が緊張で満ちているような場面でも自身の能力を発揮することが可能になるという。
今回は「タクティカル・ブリージング」が取り入れられている背景やそのやり方について紹介をしていく。
□戦闘の前線で取り入れられている呼吸「タクティカル・ブリージング」
「タクティカル・ブリージング」というのは、アメリカ国防総省の実践現場にて取り入れられている呼吸法である。
アメリカ国防総省というのはアメリカにおける国防並びに軍事を統括している官庁である。国防総省の活動拠点である建物の形が五角形であることから「ペンタゴン」とも呼ばれてもいる。
「タクティカル・ブリージング」というのは、国防総省に所属している人たちの間で取り入れられている呼吸法だ。彼らの中には、紛争地域の前線や緊急事態と隣り合わせの場面で任務に当たる職員がいる。そんな職員たちの心的状態をサポートする方法としてこの呼吸法が取り入れられているのだ。
□「タクティカル・ブリージング」はどのようにして行うのか
「タクティカル・ブリージング」の方法について紹介していく。Navy Medicineにて掲載されていたCombat Tactical Breathingより呼吸方法を引用する。
<やり方>
1.4秒間息を吸う。この時心の中で1、2、3、4と数える。
2.呼吸を止め、そのままの状態で心の中で1、2、3、4と数える。
3.4秒間かけて息を吐き出す。この時心の中で1、2、3、4と数える。
4.1〜3を繰り返す
5.4を1セットとして、これを3〜5回繰り返す。
この呼吸の際のポイントは「鼻から吸って口から吐く」ことである(※2)。口呼吸になりやすい人は要注意だ。
□私たちの日常も常にストレスと隣り合わせ
私たちは子供から大人まで常にストレスにさらされている。人によってストレスの大きさは異なるだろうが、その人にとって大きな重圧であることには変わりない。
何かを大きく変えるということは非常に難しいことだ。だが呼吸法は今からでも変えることができる。最初は意識して行うことが必要になるが、この呼吸法があなたの非常事態に救いの手を差し伸べてくれるパートナーになるかもしれない。