突然ですが、世界3大スープといえば何かわかりますか?世界の3大珍味や3大山脈、3大遺産などとは違い、なかなか明確に答えるのは難しいのではないでしょうか?それもそのはず、スープはどの国をとってもこだわりがあるため、3つに絞るのは難しいと言われており、いまだにどれが世界3大スープと呼ばれるかハッキリ決まっていないからなんです。
そこでこの記事では、現在世界3大スープとされているスープと、その座を虎視眈々と狙うスープについてご紹介します。
■ 世界3大スープは4つある…?
「世界3大スープ」と言われれば、当然3つあるもの…と思われますが、実は世界を代表するスープは3つには絞りきれず、今では4大スープとして紹介されています。スープは長い月日をかけてつくられたその国を代表する食べ物ですから、各国が自国のスープを3大スープとして挙げています。ときには3大スープの選定者の意見の喰違いなどから5つも6つも挙げられることもあるとか。それほど甲乙がつけがたく、いまだに他のスープを主張する人もいるそうです。
■ どうしても3つに絞れない!「世界4大スープ」
◎ ブイヤベース
・国:フランス
・色:赤〜黄
・味:海鮮の旨みがぎゅっと凝縮された濃厚な味
フランスの港町、マルセイユ発祥のスープ。もとは、売れなかった魚を使って作っていた漁師レシピだったそうです。トマト風味の味付けをすることもありますが、サフランといったハーブ風味の味付けをするのがメジャー。白身魚やカニやニンニクなどの食材をふんだんに使っています。ぎゅっと凝縮させた海鮮出汁にハーブで香りをつけ、エビやオマールエビで飾る豪勢なスープ。このスープひとつで十分な主食となるボリュームと栄養があります!
◎ ボルシチ
・国:ロシア
・色:やや赤い
・味:野菜をふんだんに使った甘みのあるスープ
ボルシチは、ロシア料理と思われていますが、実はウクライナの伝統料理。ウクライナから徐々に東欧、そしてヨーロッパにまで広がったようです。玉ねぎやニンジン、キャベツなど沢山の具材を炒めて、赤く甘みのあるスープに仕上げます。素材の甘さがじんわりと身体に浸透していく、ほっとするようなスープです。
◎ トムヤンクン
・国:タイ
・色:濃いオレンジ色
・味:ハーブの風味と魚貝類の旨味を凝縮させた、辛味と酸味の強い味
南国の暑さを追い払うためにつくられたといわれるトムヤンクン。「トムヤンクン」の「クン」はエビのことを言います。辛味と酸味、そしてハーブの香りとナンプラーの旨味を掛けあわせた、世界を代表する旨辛スープです。飲むたびに喉の奥がカッと開くような辛さは一度飲むと病みつきに。暑い時期にも寒い時期にも飲みたくなるスープです。
◎ フカヒレスープ
・国:中国
・色:やや茶色
・味:とろみのある鶏ガラスープ
「食感」を楽しむスープでは右に出るものはいないと言われるフカヒレスープ。高級食材のフカヒレと鶏ガラスープをじっくり煮込んだ中国を代表するスープです。ちなみに「フカヒレ」は鮫のヒレの乾物のこと。スープにすることでゼラチンのような食感に変化します。とろみのある喉越しとフカヒレ特有の食感を堪能できます。
■ 「我が国のスープこそ!」と主張されるスープ
◎ ガスパチョ
・国:スペイン
・色:赤
・味:トマト風味の冷製スープ
「ガスパチョ」はアラブ語で「びしょびしょのパン」という意味。その名の通り、パンやニンニク、オリーブオイルやトマト、きゅうりなどが使われている赤色をしたスープ。夏に食べる冷製スープとして好まれています。
◎ サムゲタン
・国:韓国
・色:白
・味:薄味の鶏ガラスープを塩とキムチで調整
薬膳スープとして美容に敏感な女性の間でも人気が高い韓国のスープ。スープのなかにはしょうがやもち米、ナツメ、朝鮮人参などを詰め込んで煮込んだ鶏肉が入っています。白く濁ったスープが特徴的。もともとは宮廷で食べられた料理だったそうです。
◎ 味噌汁
・国:日本
・色:使う味噌の色に準ずる
・味:カツオや魚の出汁に味噌を溶いたスープ
我らが日本!お味噌汁です。大豆を発酵させてできた味噌をメインに、カツオや昆布でとった出汁を混ぜる日本のスープ。具材は豆腐や玉ねぎ、ワカメなどがメジャー。生活習慣病を防ぐといわれる万能スープです。
■ 世界のスープはその国のソウルフード!
ひとくちにスープといっても、味や種類は想像もできないくらいに広がっています。どの国も「自国のが1番!」と主張したくなるスープへの熱意がすばらしいですね。今では各国のスープが市販されているので、食べ比べてみるのも面白そう。外食続きで「最近お味噌汁飲んでないな…」なんていう人は、もっと積極的にスープを味わってみるのもいいかもしれません。