妊娠中は葉酸やらミネラルやら、「摂った方がいい」と言われる栄養分がたくさんあります。
その一方で、魚介類については、食べる量に気を付けた方がいいことを知っていますか? 今アメリカではそんな話題が持ち上がって、マグロやツナ缶の摂取量について論じられているのです。
■魚介類が胎児にもたらすメリットとデメリット
魚にはEPAやDHA、オメガ3脂肪酸などが豊富に含まれ、これらは子どもの成長にとって重要な栄養素となります。
しかしその一方で、魚を食べると同時に自然界に存在する水銀も、微かですが摂取しています。その量は私たちの健康に影響をもたらすほどではないと、厚生労働省でも報告していますが、しかし胎児にとっては話は別。
母親のお腹の中にいる胎児にとっては、低濃度の水銀でも成長に影響をもたらす可能性があるとみて、日本でも厚生労働省がガイドラインを設けているのです。
■アメリカのツナ缶から水銀が検出
アメリカ食品医薬局(FDA)でも、さまざまな魚における水銀の平均摂取量をホームページに掲載。しかし今回、その基準が低すぎるのではないかと話題になっているのです。
2005年から行われているツナ缶の検査において、検査対象となったもののうち20%が、FDAが報告している基準値よりも2倍以上高い水銀値が検出されたと、消費者レポートが指摘。ガイドラインの見直しを提議しています。
ツナ缶の中には基準値よりも低いものもありますが、消費者はツナ缶を購入するときに、どれに水銀が多く含まれているかということはわかりません。
このレポートでは妊娠中や授乳中、また妊娠を希望している女性なら、1週間に食べる魚介類は最大で約340gと提案しています。ツナ缶は1缶で170〜200g程度ですから、1週間でツナ缶約2缶分ということになります。
今回ツナ缶がアメリカで話題となったのは、アメリカにおけるツナ缶の消費量が、シーフードの中でもトップクラスだから。しかし日本の場合は、厚生労働省でツナ缶については、「通常の摂食で差支えない」と述べています。
また、水銀濃度が高い魚にはマグロがあり、日本では、妊婦は1週間に80gまでとガイドラインを設けています。
しかし冒頭でも紹介している通り、魚介類は胎児にとっても必要なものなので、全く食べないのはNGです。量や種類について気を付けて、正しく食事に取り入れるようにしましょう。