ウズベキスタンのお正月料理ってどんなの?
Yangi Yilingiz Bilan!!
あけましておめでとうございます!!
12月26日〜1月3日までウズベキスタンのタシケントとカルシを旅行して、無事に戻ってきた。年越しはウズベク人の友人の実家のあるカルシで過ごし、とても貴重な経験をした。これから数回に分けて、ウズベキスタンでのお正月の過ごし方を紹介しようと思う。今回はウズベキスタンのお正月料理についての記事だ。
カルシに行くことにしたのは、今日本に留学しているウズベク人の友人が、年末カルシの実家に帰ると聞いていたので、それに合わせて自分もカルシに遊びに行こうと思ったからだ。しかし、友人が「やっぱり私、お正月は日本にいる」と宣言。その時には私はもう飛行機のチケットを買っていたため、一人でカルシに行くことになった。
カルシは首都タシケントから約500km南西に位置する都市で、首都タシケントからは飛行機で1時間半、列車だと5時間半で行ける。空港や駅でのエピソードを詳しく書きたいところだが、このブログは旅行記ではなく、一応料理ブログなので、移動中のエピソードなどはこちらをどうぞ→【ウズベキスタンマニア必見!】タシケント⇔カルシの移動方法
カルシ空港に着くと、ウズベク人の友人の妹と母親が迎えに来てくれていた。母親がウズベク語で何か質問してきた。私は「ウズベク語分からないです」とロシア語で言うと、友人の妹がロシア語で「タシケントは良かった?」と通訳してくれた。ウズベキスタンではウズベク語の学校とロシア語の学校が選べるのだが、妹はロシア語の小学校に通っているのでなまりもなく、ぺちゃくちゃとロシア語を良くしゃべった。
ウズベク人の友達は「私の家は空港から近いです」と話していたが、スーツケースの重さが18kgもあるので、さすがにタクシーかなと思っていた。しかし、母親と妹がタクシーを素通りして、空港の前の道路を横断しはじめた。「えー、このスーツケース持って歩くのかぁー」とため息が出た瞬間、「着いたよ」と言われた。家は道路を挟んだ向かいにあった。空港から近いというか、目の前じゃないか。
家についたら、友達の妹たちが出迎えてくれた。私の友達は5人姉妹の長女なので、家には4人の妹たちがいる。空港まで来てくれたのは一番下の子で、その他の妹たちはロシア語は分かるけど、あまり話せない感じだった。おそらくウズベク語の学校に通っているのだろう。
カルシという町は、肉を良く食べる地域のようで、特に羊肉を良く食べる。家に着いて、夕食に出されたのは羊肉。羊肉をつかったウズベク風の肉じゃが「ディムラマ」が運ばれ、「これも肉だよ」って言って、どう見ても肉に見えないものが出てきた。
羊のどこかの部位だと思うが、奥の肉片は黒い毛が生えてる。
どちらも食べてみたら、鶏肉の皮のような食感と味がした。黒い毛はさほど気にならなかった。
しばらくすると、父親が仕事から帰ってきた。父親はロシア語が上手で、「タシケントはどうだった?」「ロシア語はどこで習ったの?」とか色々質問された後、5番目くらいの質問が「お給料はいくら?」だから、びっくりした。ウズベク人はよくこの質問するみたい。こうして、カルシの生活は始まった。
12月31日の朝、起きると一番下の妹が「新年おめでとう!」と挨拶して、私もつられて「新年おめでとう!」と返した。1日早くないかと疑問に思ったが、どうやらこっちでは12月31日からもう新年のお祭りモードに入るみたいだ。
朝から次女がメドーヴィクというはちみつのケーキを作ったり、オリヴィエ・サラダを作ったりしていた。オリヴィエ・サラダは、ロシアでもお正月に良く食べるサラダである。発祥の地ロシアでは、普通たまねぎを入れるが、ウズベキスタンではたまねぎを入れないようだ。(ウズベキスタンで3件のお宅でオリヴィエ・サラダを食べたが、3件ともたまねぎが入っていなかった。)カルシでは、このオリヴィエ・サラダに燻製チーズも入れていた。家によって、作り方は色々あるようだ。
次女と3女が作っていたもうひとつのサラダが、フランス・サラダだ。このフランス・サラダもウズベキスタンでお正月に良く食べられる料理。ゆでたビーツ、燻製チーズ、牛肉のハム、酢漬けのにんじんときゅうりの千切り、細切りの揚げたじゃがいもをマヨネーズであえたもの。なぜフランス・サラダというのかウズベク人の誰に聞いても、「分からない」と言われたが、おそらく揚げたポテト(フレンチ・フライ)がフランスっぽいからかもしれない。
新年には、この他にヴィネグレートというロシアのサラダも良く食べるようだ。ウズベキスタンではもともと12月31日を祝う習慣はなかったが、ロシアの影響で祝うようになったそうなので、新年の料理にロシアの影響がかなり見受けられる。
これは羊の脂肪を揚げたもの。確かジャズと呼んでいた。「油っこいのかな」とおそるおそる食べたが、意外とおかきのようにふわっと軽い食感で、口の中でしゅっと溶けた。味はけっこうしょっぱい。料理を作っている最中に、つまみに食べた。スナック菓子的なものみたいだ。
娘たちがサラダを作っている間に、母親は七面鳥に取り掛かった。内臓を取り出して、中をきれいにした後、また心臓をもとの場所に戻して、たまねぎ、酢漬けのトマトなどを詰めた。
5女が「私、七面鳥の心臓が大好きなの。私の一番好きな部位!」と隣ではしゃいでいる。マヨネーズを塗って、フェンネル・コリアンダー・塩・胡椒などが入ったスパイスを振り、またマヨネーズを塗って、またスパイスをかけての繰り返し。オーブンでじっくり焼く。
肉料理はこれだけではない。夕方、母親と一緒にシャシリク(ケバブ)を作った。牛肉と羊の脂肪を一口大に切り、玉ねぎのスライスとお酢でマリネする。別の家で作った時はマヨネーズでマリネしたけど、ここではお酢でマリネするみたい。
串に肉と脂身を交互に刺し、炭火で焼く。ちょっと火が強すぎて苦戦する。
ほとんど出来上がった頃に、父親が家に帰ってきた。
「今、シャシリク手伝うよ〜」と叫んでいたが、もうほとんど出来上がっている。「シャシリクを焼くのは男の仕事だ。自分が焼いていればもっと上手く出来ていたと思うよ。」と父親。だったら、もっと早く家に帰ってきて欲しい。
ウズベキスタン料理といったらプロフ。結婚式などのお祝い事には欠かせない料理なので、新年も作るのかと思いきや、プロフは作らなかった。普段からプロフは良く食べているので、新年の料理にはあえて作らない家庭もあるらしい。もちろん、プロフを作る家庭もあるが、ウズベキスタンのお正月料理にプロフは必須ではないようだ。
出来上がった料理を客間に運んで、いよいよこれから大晦日の夕食がはじまる。ウズベキスタンのお正月料理紹介はここまで。
大晦日の夜の過ごし方はまたこちら↓
日本のお正月とは違う!ウズベキスタンの新年の迎え方
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