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2014年10月09日

獣の奏者

さてさて、三冊目になってしまいますが。

獣の奏者
獣.png

アニメ化もされた大変有名なファンタジーですが
この一巻が発売され
まだ本屋さんの本棚の上の方に
置かれているような時に
何だか、何となく手にとって
ハマってしまった
という個人的な思い出があります笑

個人的な意見ですが、お勧めなのは
一巻と二巻にあたる
『闘蛇編』と『王獣編』です
理由はおいおい

さて、こちらのお話で鍵となるのは
このお話の中で出てくる
架空の動物、闘蛇と王獣です

はじまりはなかなか過酷なのですが、
ぐいっと読者を引き込んでくれます

エリンの母親が世話をしていた闘蛇
が全て死ぬという悲劇から物語は幕をあけるのですが…

主人公エリンは、とにかく生き物が好き
普段は、その戦闘能力の高さから
人間によって特別な笛を使うことで操られ
武器、として使われている
闘蛇や、王獣なのですが

エリンは
野生の王獣を見つけ
その美しさに心を奪われ
憧れるようになります

また、闘蛇が、なぜ全て死んだのか、
これもエリンにとってとても
大きな、突き止めるべき課題と言えるでしょう

エリンは、他の人のように
武器、としてではなく
あくまで、血の通った生き物として
彼らを真っ直ぐ見つめていきます

1巻、2巻ともに
エリンの中にあるのは

闘蛇や王獣の秘密を解き明かしたい
彼らと心を通わせたいという思い

彼女はただひたすらに生き物に憧れる

その、憧れる気持ち
心を通わそうとする気持ち

彼女の行動原理は全てそれであり
そのことが時に奇跡を起こし
時に、挫折を生む

『闘蛇編』と『王獣編』での
最大のテーマは
おそらく

人と他の生き物はどう関わり合っていくべきか

なのですが、このテーマが
常にありながら、物語としても面白く

ファンタジーでありながら
本当にありそうだと思えるほど
緻密につくられていて
普段ファンタジーなんて
ふわふわしたものは
読まないよ、なんて人も
是非、勿体ないので読んでください
といいたくなる作品です

『闘蛇編』と『王獣編』は
完全につながっているものであり
それぞれ一つだけを読むというのは
無理なのでは?と思います笑

『王獣編』のラストで、『闘蛇編』からずっと
エリンが追い続けてきたテーマ

人と他の生き物の関わり方

これについての、エリンの考えが
それまでの彼女の集大成として
一つ提示されます

エリンが最後にその考えに到るには
それまでの彼女の並々ならぬ努力と
生き物に対する
底も無いほどの愛情あってこそ

それに、生き物が、どう答えてくれるのか。
本当に人と生き物は通じ合えるのか

本当に、私は『王獣編』のラストが大好きです
内容を言いそうになるのを
必死で留めているくらい大好きなんです

楽しみ、感動し、
さらに考えさせられる
傑作ファンタジーだと思います

ちなみに、この次『探究編』『完結編』
では、テーマが変わるような気がします
と、言いますか変わっていますね。

また、エリンが一気に大人になっているので
少し、それまでのエリンと違うような、そんな気もする…

どうやら、本来はこの二巻で完結の
はずだったものが
読者の強い声により、続編が出されたようで

うーむ。これは人それぞれでしょうが
私は、二巻で終わらせておいて欲しかったなぁ、と
二巻の終わりがですね、本当に素晴らしいんです
(さっきからそればっか

なんだかそこから3巻4巻へ続いて
しかも内容がまた結構シリアスで…
登場人物も結構変わってないけど
変わったような、そんな雰囲気で…

と、いうので、私からは
一巻二巻をお勧めしておきます。

とはいえ完全に個人的な好みの偏重ですので
あまり、お気になさらず…


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