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2014年10月03日

恋文の技術

本日ご紹介するのは、こちら

恋文の技術

恋文の技術.png

なんともロマンチックなタイトルに表紙ですね。
作者は……そう、森見登美彦さんです……ふふふ。

森見さんをご存じの方はすぐにピンと来られるでしょう、そう、これは
ただのロマンチックなお話に終始するものではありません。
ちなみに、私的にはこのお話は森見さんの中で一番…です
少なくとも今まで読んだ中では

まず、面白いのがこちら、書簡体と言って、主人公が様々な人に出した手紙を
読んでいく形式になっています。相手からどんな返事がきたのかはそこから想像します
主人公はやはり阿呆学生です。そこはやはりぶれないご様子。さらにいうと破廉恥です。
文通相手は、恋するマシュマロ男、暴君姫君、ませすぎ小学生等々……ほら、
これを聞いただけでも楽しくなってきませんか?
何と、文通相手には、森見登美彦先生までいらっしゃいます。

主人公は時に媚びへつらい、時に説教を垂れ、時に先生面をし
失礼なのだか、何なのだか分からない手紙を書いて書いて書きまくり
そして送りつけていきます。

しかし、そんな主人公にも、書けない、送れない手紙がありました
それが、主人公の想い人に対する手紙です。

主人公は想い人に、素敵な恋文を届けようと、何度も挑戦しますが
全て、失敗書簡としてオジャンに。この失敗書簡が本当に面白くて
私は何度も何度も読み返しては笑ってしまいました。いつ読んでもやはり笑います。
必死に頑張っている彼には悪いのですが。

この失敗書簡の後には彼の反省文ものっていて
これまた面白い。くすくすどころではありません

あ、そうでした、そうでした
この小説、間違っても公の場で読まないように…
特にどちらかというと笑いやすい人は…

さて、そんなこんなで
彼は無事彼女に素敵な恋文を届けられるのでしょうか?

手紙を読んでいるだけ、だというのに
見事にストーリーが浮かび上がっていくというのが素晴らしいです
そして、終わり方が本当に大好き。笑って笑ってさらに笑って……

最後は心温まる終わり方

最後までいくと表紙の意味が分かるのですが
本当に、私はこの赤い風船と手紙の
組み合わせ、好きですね

なかなかロマンチックじゃない、と
彼にお手紙でも出して賞賛したいところ。

笑いたい方、ほっとしたい方
疲れた心を癒したい方

とりあえず何でもいいから
面白い本をお探し中の方……

どうぞご一読ください


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