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2021年01月25日

国会で乱闘?(正月廿二日)



 昨日の木曜日のことだったと記憶するが、うちに帰ったら7時のニュースが始まるところだった。うちのが、国会で喧嘩したのがニュースで流れるはずだと、料理の手を止めてテレビの前に立っていた。大乱闘でも起こったのかと思って、ちょっと期待してニュースが始まるのを見ていたのだが、最初のニュースではなかった。

 二つ目か三つ目のニュースとして流された映像を見て、落胆することになった。喧嘩とは言ってもマイクの奪い合い程度で、殴り合いをしたわけでも流血沙汰になったわけでもなかったのだ。これなら以前、医師会の総会かなんかで、元医師会長で当時厚生大臣たっだダビット・ラートが、演説中の会長(違うかも)の頭を後ろから引っぱたいて、「俺は臆病者じゃない」とか喚いていたののほうがずっと衝撃的だった。
 今回のは、下院での審議の際に起こったことだというので話題になったのだろうけれども、その昔の日本の、ヤクザまがいというか、ほぼヤクザそのものの衆議院議員たちが起していた乱闘のことを知っていると大したことねえよなと思ってしまう。やるならやるでもう少し派手にやらないと、見世物にもなりゃしない。ラートの件はビデオが拡散され世界中に恥をさらすことになったのだが、今回の件は、それほど世界の注目は集めないのではないかと想像する。

 ところで、何について喧嘩になるまで熱心に議論していたのかというと、さっぱりわからなかった。恐らく大して重要なことではなかったのだろう。だからニュースの冒頭で扱われることもなかったのだ。政治家どもが貴重なはずの国会の審議の時間を、意味不明な戯言の繰り返しで無駄氏にしているという点では日本もチェコも大差はない。

 念のためにうちのに聞いてみたところ、どうもオカムラ党の内紛、オストラバを中心とするモラビアシレジア地方で選出された国会議員たちが除名された件とかかわりがありそうだという印象を受けた。先ず、オカムラ党の国会議員が演壇に立って、マスクをしないまま演説をしていたのがすべての発端だったようだ。国会での審議だというのにTシャツで登壇したというのもあれだけど、政府の規制に反対しての演説だったのかな。
 それに対して、TOP09の議員が、この非常事態宣言下でマスクをしないで演説するのはエチケットに反するのではないかとやったらしい。個人的には、日本人が花粉症を防ぐためにマスクをしたり、咳がちの風邪をひいたときに他人にうつさないようにマスクをしたりするのを笑っていたヨーロッパの連中がこんなことを言うのには反感を持ってしまうのだけど、発言事態はまあ間違いではない。

 そこに、なぜかオカムラ党を出て無所属になっているボルニーという議員が出てきて、マスクをしないでわけのわからないことを言い出した。よくわからないのはオカムラ党を追い出されたはずなのに、オカムラ党の議員と同じTシャツを着ていたことである。こっちはその上に背広を羽織っていたから少しはましなのかな。下はジーンズだったけど。
 何でも自分は人民によって選出された議員だから自分が正しいと思うことをしていいはずだとかゼマン大統領を思わせるようなことを言ってマスクをしないことを正当化していた。それに誰かに喧嘩を売るような発言をしていたようにも聞こえたのだけどよくわからない。こんな議員が出ると人ではなく党を選ぶ比例代表制ってのは欠陥だらけのシステムだとしか思えない。最低でも党を離れたら議席も失う制度にしないと、選挙の意味がなくなる気がする。

 それはともかく、審議の場にふさわしくない発言だというので、議長役を務めていた下院の副議長が演壇のマイクのスイッチを切ると、議長席に押しかけてそこのマイクで話そうとして押し合いになり副議長の援軍に駆けつけた議員たちとちょっとばかり喧嘩っぽいことになっただけである。体格のいいボルニー氏を押しのけるのは大変で、椅子で頭をぶん殴ろうかと思ったとか言っている議員もいるようだが、やればよかったのにとしか思えない。どうせたいした仕事していないんだから、せめて有権者を楽しませろよという話である。
2021年1月23日22時30分










2021年01月24日

ガリアは語る〈後半〉(正月廿一日)



 ガリアは出場辞退に至ったチーム内の状況についても説明している。チームとしては気力体力が続いている間は、出場を諦めておらず、ガリア自身は、最後まで出場可能な選手の一人だったようだ。チーム全体で何とか状況を安定させ、チームとしてエジプトに行けるように努力していたが、精神的にも追い詰められていったという。そして、仮に出場できていたとしても、精神的に追い詰められた状態で、肉体的にも追い込まれるから、チームは崩壊していただろうと考えているようだ。
 最終的に、出場は無理だと判断したのは、出発予定の二日前のことで、感染者が増える中、陰性の選手たちで練習をしていたところ、負傷者が何人か出たことが最後の一押しだったという。それまでは、追加で呼んだ選手を加えて大会に出場することは可能だと考えていたようだ。そして、同じ状況に陥ったら多くのチームが辞退を選んだんじゃないかと付け加える。

 負傷の原因が精神的に追い詰められたことだと考えているのだろう。普段であれば、負傷など起こらない状況で負傷した選手がいるのかもしれない。健康であるはずの選手たちが、精神的な負担が肉体にも大きな負担となって負傷するというのは好ましい状況ではあるまい。そんな雰囲気の中では追加で呼ばれた選手たちも怪我をしかねない。

 さらにガリアは、陽性だと判定された選手たちが健康を取り戻した後、大会に出場できるかかどうかもわからなかったと続ける。肉体的な面では大会に向けてしっかり準備できていた選手たちが、陽性の判定を受けると、12日の間、部屋の中で寝ているしかなく、陰性になった後も、病院でさまざまな検査を受けることになるという。そして、代表に雇われているわけでもない選手たちが、負傷のリスクを犯して大会に出場することを許可する雇用主、つまり所属チームはないだろうと続ける。
 それから、いわゆる「バブル・システム」についても説明していて、そのシステムに組み込まれる前には5日間の隔離が必要で、その最後に受ける検査の結果が陰性だったとしても、それが次の日の陰性を保証するものでも、同じ泡の中のほかの選手を感染させないことを保証するものでもないと言う。この辺りは、バブル・システムで動いていながら、監督をはじめ多数の感染者を出した実体験からの感想のようにも思える。

 そして、現在は、ハンドボールの世界にいる人たちが、さまざまな解決法や、何がいけなかったのかについて考えている。自分としては犯人探しをするつもりはないけれども、今後に向けて、何が原因だったのかを究明することは必要だろうという。それが、代表暦20年になんなんとするガリアの考え方だといったん話を結んでいる。
 その後に続けて、10点差、15点差で負けることがわかっていて試合に出るわけにはいかないし、何の目的もなく出場するチームにはいたくないと言う。ハンドボール関係者、ファンはみんな大会を楽しみにしていただろうけれども、自分たちもまたものすごく楽しみにしていて、プルゼニュに集まって準備の合宿をしていたチームであれば、最低でも準々決勝に進出できたと信じているが、それは大会が例年通りの状況で行われた場合だと付け加えている。

 最後は、監督をはじめとする、協会関係者やスポンサーなどさまざまな人たちへの感謝で声明を結んでいる。2番目に合宿中滞在していたホテルが上げられているのはちょっと意外。監督解任という結果を知ってから読んだせいか、ところどころ皮肉に響くところもあるけれども、この状況で辞退という代表チームの決定が受け入れられ、出場を強要されなかったとことについては、感謝していると素直に読んでおこう。

 全体を通しての感想としては、辞退に関して関係者やファンなどがあれこれ批判をしているのに対して、批判する前に代表チームのこと、選手たちのことを考えてほしいということだろうと思う。ファンというのは、サッカーに限らず無責任に好き勝手なことを言うものだし、協会の関係者は選手が一番大事だというのは口先だけのことというのが世の東西を問わず決まり物である。
 無理して出場して、精神的な重圧に負けて不振に陥るのも、怪我をしてキャリアを棒に振るのも選手たちである。エジプトに行くことで感染の危険にさらされるというのも付け加えたほうがいいかもしれない。そんな状況で、予想外の大活躍をする選手が出てくるとも思えない。

 ガリアも最後かもしれない世界選手権の辞退ということで、人一倍残念に思っているだろうに、最ベテランとしてこんな声明を出す必要にかられてしまったわけである。たかがハンドボールの世界選手権で、選手たちがこんな辛い立場に追い込まれたということから導き出せるのは、オリンピックは、選手たちのことを考えればこそ、中止にすべきだということである。
 感染が発覚して出場できなかった選手がどんな目に遭うか考えたら、選手たちのために開催なんて口が裂けてもいえない。特に日本は、スポーツ関係も含めてマスコミがゴミ以下だからなあ。選手への脅迫者という犯罪者を作り出し、最悪の場合には選手を自殺に追い込みかねない。そしてまたそれを危機として報道するに決まっている。それなら、政治の責任で中止にしてしまったほうが選手たちのためである。
2021年1月22日15時30分。










2021年01月23日

ガリアは語る〈前半〉(正月廿日)



 チェコのハンドボール協会が、出たらめっぷりを発揮しているその裏側で代表の中心選選手の一人で、最年長のマルティン・ガリアが、選手たちを代表するような形で、出場辞退に至った経緯を協会のホームページで明かしていた。チェコ語でよければここから。せっかくなので、簡単に内容を紹介しておく。

 最初の部分では、この声明を発表するのは、自分自身の意思であることを強調した上で、自分は短時間で決定を下せる人間ではないと言う。おそらく最年長の選手の責任として長い間どうするべきか考えてきて、この声明を発表することを決めたという事なのだろう。そして、現在の状況にそれぞれの人がそれぞれの意見を持っているのは当然で、誰を説得するつもりも、自分の意見だけが正しいというつもりもないと言う。
 続けて、エジプトへ行けなかったのは残念だが、自分たちの決定は正しく、あの時点ではほかにやりようはなかったと続ける。もちろん、チームの中にいなかった人たちが、別の意見を持ち、いくつもの疑問を感じるのは当然だが、自分たちの決定は、選手たちを守るため、それが健康の面であれ、将来のキャリアであれ、守るためだったのだと強調する。

 次の部分では、ハンドボールの代表というのは、一朝一夕に作り上げられるものでもないし、新しい選手が呼ばれてすぐに普通にプレーできるようなものでもなく、二、三人の新しい選手を呼んでチーム全体のコンセプトに当てはめていくのでさえ苦労するのだという。今回の世界選手権にも若手選手を何人か呼んで試合に出場させて経験を積ませる予定だたけれども、それはすべての試合を任せるという意味ではなかったと付け加える。
 世界選手権のような大会は長丁場で、二週間にわたって。一日おきに試合が行われる肉体的な負担に耐えられる選手は、残念ながらチェコリーグにはいないという。そして仮にチェコリーグの若手選手たちに主力として試合を任せた場合には、負傷や健康上の問題が発生するのは確実で、その選手たちの今後のキャリアに悪影響を与える。だから、辞退には、(自分の能力を超えた負担を強いられかねない)若手選手を守るという意味があったのだという。

 多くの人たちが、代表Bチーム、Cチーム、Dチームを準備していなかったことを批判するけれども、20人もの新しい代表経験に乏しい選手たちを集めて試合に臨むのは、予選の1試合、2試合ぐらいまでなら意気込みとか熱狂とかで押し切れるかもしれないけれども、世界選手権のような長丁場には通用しないと言う。
 そもそもBチームを率いて、勝つためではなく、できるだけ僅差で負けることを目的に世界選手権に出場してくれる監督はいるのかと疑問を呈しているが、ただし、Bチームというアイデア自体は、長期的な代表の強化を考えると、Aチームと同時期に招集して、同じコンセプトで練習を積んで試合をさせることができれば悪くなさそうだとも言う。

 ここまでが前半の要約で、ガリアの意見にはおおむね賛成である。ちょっと気になるのはいきなり若手選手に全試合を任せる話になっているところだけど、話の流れからそうなったのか、中心選手のほとんどが、感染や怪我でエジプトにいけない状況になっていて、本当に若手選手が全試合出づっぱりになりかねなかったのかはわからない。後者だとすれば、辞退することになったのも当然である。ファンとしては、無名の若手選手が出てくるのは大歓迎だけど、その若手選手が大惨敗して批判にさらされるのは見たくない。
 また、チェコ代表にはBチームはないけど、50人ぐらいの選手が候補として登録されているから、多少なら選手の入れ替えに対応できるけれども、今のままだと感染して快復済みという証明書があるかどうかで代表選手が決まりかねないなんていうのには笑ってしまった。ガリアの言うとおり、そんな決め方をされた代表チームなんか見たくない。
 長くなったので残りは次回。
2021年1月21日22時。











2021年01月22日

ト・イェ・スナット・スランダ(正月十九日)



 またまた思わず、チェコ語にしてしまったけれども、冗談だろうというよりは、冗談であってほしいと思うようなニュースが飛び込んできた。ハンドボール協会の理事会が、今回の世界選手権の出場辞退に至った経緯を調査した結果、監督二人を中心とする代表チームの指導部に責任があるという結論にいたり、その解任を決定したというのである。
 その決定に抗議して理事会の一員である協会長、代表チーム担当の理事である最近引退した(と思う)チュルダなど4人が辞任することを決めたという話も追加された。理事会では9人の理事のうち5人が解任に賛成だったというから、一票差で解任が決まったようだ。誰かが責任をとらなければならなかったのだろうけれども、それを代表の監督に押し付けてしまうのは協会の責任逃れにしか見えない。救いは辞任した協会長が解任に反対したことぐらいである。

 ハンドボールのチェコ代表なんて、世界最高の選手の一人だったイーハがいてやっと世界選手権やヨーロッパ選手権に出場できる、うまく行けば一次グループを勝ち抜けることができる程度のチームでしかなかったのだ。イーハ以外にも監督のクベシュやフィリップ、代表のマネージャーをやっていたノツァルなどのフランス、ドイツなどで活躍してキャリアを積んでいた選手たちがいてその程度だったのだ。

 イーハよりも年上のクベシュたちが代表を引退し、イーハも怪我で欠場がちとなり、そろそろ代表引退が近づき始めたときに、チェコのハンドボール代表に暗黒時代が待ち受けていることを覚悟したファンは多かったはずだ。そこに降ってわいたように訪れた福音が、フィリップとクベシュの代表監督就任で、当初はマネージャーもノツァルが勤めるというトロイカ体制が取られていて、プレーの面だけでなく、チームの運営に関しても先進国のノウハウが取り入れられるようになった。
 この決定を知ったときに、喜びよりも驚きのほうが大きかったのは、チェコ国内のハンドボール関係者の一部がイーハたち国外で活躍して代表を引っ張る選手たちを嫌っていて、できれば排除したいと考えていることを知っていたからだ。そういう連中がまた協会内で力を持っていたのだけど、うまく話を持っていってクベシュたちの就任につなげた当時の協会長には脱帽物である。ただ、その後、ノツァルがささいな問題を咎められて解任されてしまったのは残念だった。

 フィリップとクベシュの指導の下で、チェコ代表は予想を超える好成績を残すようになったし、国内の若手選手が代表に呼ばれて大きく成長するなんてこともあった。ユジーチェク以来の頼れるポストプレイヤーとなったペトロフスキーなんて、最初に代表に呼ばれたときには大きな体をもてあましている感じだったのに、呼ばれるたびにプレーが洗練されていき自分の見る目のなさを知らされることになった。他にもジーハのようなチェコリーグでもあまり注目されていなかった選手の守備への適性を見つけ出して代表に呼んで活躍させたのも凄かった。
 この二人の監督でも、予選の際のバルカンの笛には散々悩まされ、時に世界選手権の出場権を失うこともあったし、本戦での成績も凸凹があって、常に最高の成績を残したわけではないけれども、それはどこの代表でも同じことである。イーハのような世界的な選手のいない代表であることを考えると、将来には期待できたのだけどなあ。優勝争いまではまだまだ時間がかかりそうだけど、ヨーロッパで準々決勝の常連になるところまでは近いうちに届くのではないかと思っていた。

 結局、外国で監督を務めるフィリップとクベシュが、チェコ代表の監督であり続けているのに不満を抱いている勢力が、今回の件を口実に二人の排除に動いたというところだろう。就任直後に、どうせ国内の選手は無視して外国で活躍する選手ばかり集めるんだろうとか吐き捨てるように、意味不明の批判をしている人がいたのは今でも覚えている。監督二人が感染したことが、この手の連中に口実を与えてしまったのだろう。
 しかし、この状況で火中の栗を拾って監督を引き受けてくれる人が見つかるのかね。仮に引き受けてくれる人がいたとしても、二人の残した結果を越えるのはほぼ不可能である。イーハならと思わなくもないけど、世界最強チームのキールの監督だから、副業は禁止だろうし、そもそもフィリップたちを排除した連中がイーハに話を持っていくとも思えない。

 代表監督不在、協会会長不在という非常事態に陥ったチェコのハンドボール協会、立て直せるのだろうか。協会の駄目ップリはともかく、やっぱり中国許すまじだよなあ。
2021年1月20日24時30分。










2021年01月21日

ワクチン接種を巡っても混乱(正月十八日)



 ハンドボールの世界選手権のカーボベルデは結局プレーできる選手を集められないということで出場辞退ということになった。せっかくエジプトまで出かけたのに1試合、初戦でハンガリーに負けただけで終わってしまった。当初の予定では最終戦のウルグアイに勝って、2次グループに進出というところだったのだろうけど。これ以上没収試合が増えないことを願うのみである。

 さて、本題である。ファイザー社のワクチンがEUでも認可されて、加盟各国への搬送が始まったのが昨年の年末のこと。それがチェコに届いてワクチン接種が始まったのは、クリスマス開けの週末のことだった。当然、医療関係者の中でも特に感染者の処置に関っている人から優先的に接種されることになったのだが、慌てすぎているのではないかという印象を拭えなかった。
 どうも、国内での各病院への搬送も製造業者のファイザーに任せていたようで、案の定、すぐにあちこちの現場から、予定していたワクチンが届かないとか、来ないはずのワクチンが届いて接種する人を集めるのが大変だったとか悲鳴が上がり始めた。政府だけの責任ではなく、ファイザー社の供給体制が不安定だったのも原因なのだけど、政府のやり方が無計画、無責任だったことは否定できない。

 その後、チェコに供給されたワクチンの数と、実際に接種された数に大きな差があることが判明して、政府が当初主張していたような届いた分はすぐに接種にまわしていて順調に進んでいるというのがまやかしでしかないことが明らかになった。計画的に、毎日一定数の接種を行うために、一度どこかに集めてからチェコ各地に配送するシステムになっていれば、この差はいくら大きくても問題はないと思うのだが、そんなことはしていなかったからなあ。
 二つ目の認可されたモデルナ社のワクチンも、一回目に納入された分は、数の関係でオストラバのあるモラビアシレジア地方だけで使用することになったのはいいにしても、納入の予定がころころ変わっていたのには現場の人たちは大変だろうなと同情を禁じえなかった。実際に病院を運営する地方から上がってくる不満の大半は、情報が、正確であれ不正確であれ届かないことで、これは春の最初の流行時から変わっていない。

 政府の予定では、少なくともこちらが理解した範囲では、まず、感染が広まったら困る医療関係者、長期入院者、老人ホーム関係者、入居者のワクチン接種が終わってから、少しずつ対象を広げていくという話だった。それが全国的なコーディネートが存在しないので、医療関係者や老人ホームの接種が終わらないうちに、厚生省などの役人、地方の役人などまで摂取を受け始め、今月の半ばからは、80歳以上のお年寄りを対象にワクチン接種の予約が始まることになった。
 役人のワクチン接種に関しては、その家族までもがなぜか優先的に接種を受けたということで、1980年代の、知り合いの知り合いをたどって便宜を図ってもらう必要のあった時代に逆戻りじゃないかと強く批判され、責任者が辞任することになった。地方の役人はパルドビツェだったか、フラデツ・クラーロベーだったかの地方政府の高官が、なぜか優先的に接種されたときに、奥さんまで連れてきて接種させたらしい。好き勝手なことをやるのはANOの政治家だけではないのである。

 15日の金曜日に始まった高齢者の予約のネット上での受付は、あれこれ批判を浴びながらも、例えば80歳以上の人がネットを使いこなして予約なんでできるのかとか、予約の手続きが煩雑すぎて手間がかかりすぎるとか言われていたのだが、何とか機能している。理解不能なのは、病院関係者などへの接種が完全に終わっていないのに、一般の80歳以上の高齢者への接種を始めたことで、当初の計画とは大きく変わっている。
 その結果、12月に一回目の接種を受けた人たちはそろそろ二回目の接種が必要なはずだが、ワクチンの数が足りなくなる恐れが出てきて、一週間延ばそうとか言い出している。一番の原因はファイザー社が生産量を増やすために生産体制の改変を実施し、その間生産量を減らすと言い出したことだけれども、行き当たりばったりではなく計画的に進めていればこんなアホなことにはならなかったはずである。一部の地方からはすべてのワクチンの接種が終わったのに新しいのが届かないなんて悲鳴も上がっているしさ。

 全国的な予約システムも機能していないとは言わないけれども、予約した時間に出かけたのに接種は受けられなかったなんてことが何件も起こったらしい。接種を待つ間のお年寄りの様子がニュースで流れたのだが、以前と変わらず普通に隣り合って座っていた。検査の際には2メートルの間隔をあけろという政府の推奨がある程度守られているのに、いいのか、これでと思った人は多いはずだ。ワクチン接種の際に感染なんて洒落にならないことが起こっても不思議はない。
 こういう混乱振りを見ていると、二回摂取を受けなければならないワクチンが、現時点で二種類使用されているわけだが、一回目と二回目で別のワクチンの接種を受けるなんて事故が発生してもおかしくないような気もする。幸いなことに今のところ二つ目のワクチンはモラビアシレジア地方でしか使用されていないし、モラビアシレジア地方にはファイザー社のワクチンは届いていないはずだから起こりようはないのだけど、今後の展開しだいではありえないとはいえないのである。

 チェコという国は、政治家や官僚のだめさを、現場の有能な人たちの工夫で何とか支えて持っている国である。ただ、現在のように現場が疲弊していると、現場の人たちが間違いを犯しても責められない。責められるべきは政府であり官僚たちである。批判ばかりしている野党が政権をとっていたとしても大差はなかっただろうとは思うけど。
2021年1月19日23時。









posted by olomoučan at 07:06| Comment(0) | TrackBack(0) | チェコ

2021年01月20日

4格をとる前置詞最終回(正月十七日)



 ハンドボールの世界選手権の出場を辞退したのはチェコだけではなかったようだ。オーストリアとの試合を見たスイスが、アメリカが辞退したことで出場権が回ってきたらしい。解説の話では出場権が回ってくることを信じて、決まる前から選手を集めて合宿を組むなどしっかり準備をしていたようで、オーストリアにも勝ったし、ノルウェーともいい試合をしていた。
 そして今日、ドイツとカーボベルデの試合が中止となり没収試合扱いで、ドイツが10−0で勝利したことになっていた。恐らく感染者が大量に出てチーム編成ができない状態になったのだろう。チェコも無理に出場していたら、こんなことになっていた可能性もあるわけだ。


 とまれ、前置詞の続き。4格をとる前置詞。まずは「v」から。「v」というとどうしても場所をあらわすときに使う6格との組み合わせの印象が強いのだが、例外的に「na + 4格」を取る動詞がいくつか存在する。


・věřit(信じる)
 日本語では、「〜を信じる」なので、前置詞なしの4格を取ると思いがちなのだが、チェコ語では3格を取ることが多い。ここまではいいのだが、信じる対象が抽象的な名詞の場合に、「v + 4格」を取ることがあるのだ。「Věřím v Boha(神を信じている)」、「Věřím v budoucnost(未来を信じている)」なんて使い方を見たときには、正直やめてくれと思ったのだが、印象が強かったのか覚えてしまった。自分で使う機会はあまりないのだけど、うまく使えるとうれしい表現のひとつである。


・proměnit se(変身する)
 カフカの『変身』のチェコ語訳は「Proměna」だが、その動詞形が「proměnit se」となる。グレゴール・ザムザが変身したのは虫だったが、変身する対象を「v + 4格」で表して「Proměnil se v hmyz」と言う。チェコの童話ではしばしば魔法使いの呪いで、登場人物が変身させられるわけだけれども、その時は、「se」の代わりに変身させられる人物を4格にすることになる。

 動作の対象を表すといえそうな「v + 4格」についてはこのぐらいしか書くことがない。例外的な使用法なのである。

 この用法の最後は、「o + 4格」であるが、「o」も典型的な6格をとる前置詞で、4格を取るのは例外的である。ただその例外が重要なものというのが困りものである。


・zajímat se(興味がある)
 名詞として使った場合の、「Mám zájem o」は、使いやすい覚えやすいということからか、チェコ語の勉強の最初のほうで出てくる。初学のころなんて自己紹介をするにしても大したことは言えないから、お世話になったものだ。これを勉強したときに4格を取るというのも覚えたはずなのだが、まだ格変化を本格的に勉強し始めたところだったので完全には定着しなかったのだろう。その後、前置詞「o」は、6格を取り意味は「〜について」だということを勉強したときに、「Mám zájem o」の後も6格じゃないかと混同してしまった。「Mám zájem o Japonsko」という文は覚えていたけれども、6格を取るのとどちらが正しいのかで頭を抱えたことがある。
 それに対して、動詞として使う「zajímat se」のほうは、かなり勉強が進んでから覚えたので、格で混乱した記憶はない。ただ、以前も書いた「zajímá mě」のほうをよく使うようになったこともあるし、自分の言葉で言えることが増えたせいで、わざわざ「〜に興味があります」なんてことを言わなくてもよくなったこともあって、最近は「Mám zájem」も「Zajímám se」も全く使っていない。


 最後はまた覚えておいたほうがいい使い方を。形容詞、副詞の比較級を使う場合に、二つのものの間にある差を「o + 4格」で示すのである。一般的には数詞を使うことが多けれども、頭一つ分の差とか、指一本分の差なんてことをいうこともある。「Jsem o dva roky starší než on(私はあの人より2歳年上です)」とか、「Ten kůň doběhl do cíle o hlavu rychleji než druhý(その馬は2位の馬より頭一つ分先にゴールした)」などという具合である。
 形容詞、副詞を使わない場合にも使うことはあるけれども、使える動詞は、形容詞から作られた動詞や、「間に合わない」「届かない」など限定的である。以前サッカーの中継で、ボサーク師匠が動詞は忘れたけど、「o prsa korejské ženy」とか言っていた。国が国なら差別だとか叩かれまくるのだろうけど、チェコだしボサーク師匠だし特にそんなことはなかったと思う。

 以上で4格をとる前置詞の説明は終わりである。特に最後の動作の対象を示す使い方については、動詞との組み合わせで覚えておかなければならないことを改めて強調しておく。何らかのルールがあってそれに基づいて考えれば正しく使えるのであれば、学習者は誰も苦労しないのである。何と組み合わせるかわからない動詞が出てきたら、経験をもとに推測するしかないのだが、大抵は「mimo」になることが多い。語学の勉強なんてそんなもんである。
2021年1月18日24時30分。









2021年01月19日

4格を取る前置詞4(正月十六日)



 ハンドボールの世界選手権、開催国エジプトが強い。初戦のチリは相手が相手だったので勝っても、相手を圧倒してもそれほど驚かなかったけど、チェコでも苦戦することの多い、相手ホームではほぼ絶対に勝てない北マケドニアを粉砕していた。準々決勝を目標にしているというのは、本気だったようだ。

 とまれ、チェコ語の4格の話、前置詞を使って動作の対象を表す使い方の続きである。二つ目は、個人的にすべての前置詞の中で一番厄介だと思っている「za」をとる動詞である。


・děkovat(感謝する)
 お礼を言うときに使う動詞で、感謝する相手は3格。確か千野栄一氏がチェコ語のお礼の言葉は「十九番」と言っておけばいいなってことを言っていたけれども、「Děkuju vám」まではお礼の言葉として、観光でチェコに来る人でも覚えている人が多いのではなかろうか。一歩進むと、その後に「za + 4格」で何に対してお礼を言うのか表現できるようになる。「za pomoc(手伝い)」「za pozvání(招待)」「za radu(助言)」なんかがよく使われる。さらに先に行くなら、名詞で済ませずに、「za to」の後ろに「že」で始まる節をつけて文で具体的な御礼の対象を表現することができる。去年は「Děkuji vám všem za to, že jste všichni dodržovali vládní opatření(みなさま、政府の規制をまもってくれてありがとうございます)」なんて、心にもなさそうな発言を何度も聞かされたものだ。


・omlouvat se(謝罪する)
 謝罪のための動詞も、感謝のときとまったく同じように使う。謝罪する相手は3格、謝罪の対象となることは「za + 4格」で、「za to, že」でより具体的にすることもできる。初めて聞いたときには、「Já se vám omlouvám」の、「vám」で韻を踏んでいるような最後の二語の響きが美しくて聞きほれたのを覚えている。
 謝罪するときには、もう一つ「prominout」という動詞を使うこともあるが、こちらの本来の意味は「許す」で、命令形の「promiň(te)」を謝罪の言葉として使うのである。ただし「omlouvat se」とはちがって、具体的な謝罪の対象については「za to」は使わずに、直接「že」でつなぐだけでいい。


・trestat(罰する)
 処罰の対象となる行為を「za + 4格」で表す。動詞ではなく名詞「trest」にも同様につけることができ、何に対する罰なのかを表現する。裁判での判決や、刑務所に入っているなんてことを説明する際に別の動詞が使われた場合も、処罰の対象となる行為は、「za + 4格」で表す。スポーツの反則も同様である。
 逆に表彰されるような行為についても、「za + 4格」で表すことが多い。一番有名なノーベル賞の中でもオリンピック度同様に役目を終えたものを例にとると、「Nobelova cena za mír(平和賞)」「Nobelova cena za literaturu(文学賞)」となる。


・považovat(みなす)
 これは対象と言っていいのかどうか微妙なのだけれども、「AをBとみなす」というときのBにあたる部分を「za + 4格」で表す。この言葉を覚えたばかりの頃は、なぜかすごく便利な言葉のように思えて、濫用していたのだが、最近はとんと使わなくなった。昔と違ってあえてややこしい言い回しを使わなくなったからかな。


 こちらも最後に、知っておくと便利な表現を紹介して終わりにしよう。一つ目は「stojí za to + 動詞」。この「stojí」は、「いくらですか」と聞くときの「stojí」だが、「値する」という意味だと理解できる。それに「za to + 動詞」を組み合わせると、「〜するに値する」とか「〜する甲斐がある」という意味になるのである。
 二つ目は可能を表す動詞「moct」と「za to」を組み合わせた表現で、「Za to můžeš ty(お前が悪い)」とか、「Za to můžu já(私のせいです)」などと使う。何でそんな意味になるのかはよくわからないけれども、便利なのでよく使う。よく使うのだけど、「za」はやっぱりよくわからんというのが正直なところである。
2021年1月17日23時。










2021年01月18日

4格を取る前置詞3(正月十五日)



 ハンドボールの世界選手権の話が長くなって、実は今日も日本がクロアチアに勝ったら、ハンドボールにしようかとも思ったのだけど、終了直前に追いつかれて引き分けに終わったので、当初の予定通りチェコ語に戻ることにする。前半の前半しか見られなかったから、大センザツェにはならない引き分けぐらいだとかけることも多くないのである。

 ということで、承前。

D動作の対象を表す前置詞
 この中には、個別に取り上げた「pro」も入ると思うのだが、いくつかある前置詞の個々の意味の違いは全く判然としない。どの前置詞を使うかは動詞によって決まるとしか言いようがなく、動詞を覚える際に組み合わせるべき前置詞も覚えなければならない。

 まずは「na + 4格」をとる動詞から。


・čekat(待つ)
 待つ対象を「na + 4格」で示すのだが、それを知らないと前置詞なしの4格にしてしまいそうである。ややこしいのは人間が主語で、誰かや何かを待つ場合には、前置詞の「na」が必要なのに、逆に、何か、特にイベントの類が人間を待つという場合には、前置詞なしの4格で済む点である。「Čeká mě těžká zkouška(難しい試験が私を待っている)」などと使うのだが、日本風の言い方をするなら、「私は難しい試験を控えている」とでもなるだろうか。


・dívat se(見る)
 これも4格でよさそうだが、前置詞「na」が必要になる。同じように「見る」と訳せる「vidět」のほうは前置詞なしの4格である。この二つの動詞の区別は、意識して見ようとして見るのが、「dívat se」で、自然と目に入ってくるのを見るのが「vidět」だという。人によっては「vidět」は日本語の「見える」に対応するともいうのだけど、「見える」に対応するのは「je vidět」という使い方で、「vidět」自体は「見る」と「見える」の中間的な存在だと考えている。


・zeptat se(質問する)
 質問する相手は2格で表すが、何を質問するのかは、「na + 4格」で示す。チェコに来たばかりのころは、これを使って、「Mohl bych se vás na něco zeptat?(ちょっと質問してもいいですか)」とあちこちで質問していた。もちろん「Mám otázku(質問があります)」なんて簡単な言い方も使ったけれども、見ず知らずの人に使うには直接的過ぎるので、師匠との授業中とか、知り合いに質問するのに使っていた。師匠に丁寧な言い方で質問を求めると、嫌がられたのでこんな言い方も使う必要があったのである。「Mám na tebe otázku」なんていうこともあったから、ここでも「na + 4格」がでてきた。


・myslet(考える)
 普通に何活にいて考えるという場合には、「o + 6格」でいいのだが、誰かのことを考える場合には、「na + 4格」を取る。「na + 4格」は人じゃなくてもいいかもしれないし、人の場合でも「o + 6格」を使えるような気もする。つまり区別がよくわからないということなのだが、自分では最初に書いたように使い分けをしている。


 延々と動詞をいくつも並べていっても仕方がないので、これぐらいにしておくが、「jít + na + 4格」も、この動作の対象を表すものに入れてよさそうである。
 最後に「na + 4格」を使った覚えておくと便利な表現を紹介して、またまた無駄になったこの記事を終わらせよう。動詞「mít」と組み合わせて、その能力があるかどうかを表すことができる。普通は「Nemá na to」という形で、話題にされている仕事や課題を達成するだけの力がないことをいう。サッカーの試合の中継のときにボサーク師匠がある外国人選手について、「Na českou ligu nemá(チェコリーグでプレーするレベルにない)」とかなんとか言っていたのも覚えているが、この表現の意味を知らなかったときには、何のことやらさっぱりわからなかった。
 次は「za + 4格」の予定である。
2021年1月16日22時30分。









2021年01月17日

小さな絆創膏(正月十四日)



 チェコ語で、「マラー・ナープラスト」というと、絆創膏の小さなものを指す言葉だが、ときどき比喩的に、絶望を味わった後の小さな喜びをこの言葉で表すことがある。スポーツの試合なら、大惨敗をした試合で、最後に若手の期待選手がちょっとした活躍を見せたようなときに、その活躍をせめてもの絆創膏、つまりは心の傷をふさぐものだと比喩的に言うのである。
 と書けば、おわかりであろう。絶望と共に始まった今年のハンドボール世界選手権を見ていて小さな、本当に小さな喜ぶべき事実を発見したのだ。ささい過ぎて中継される試合を全部見るぞという気合を入れることはできないのだけど、チェコと同グループになるはずだったスウェーデンを応援して、その試合はできるだけ見るようにしようと思うことができた。

 今日もまた、6時過ぎに自宅に戻ってきてテレビをつけたら、オーストリアとスイスの試合が放送されていた。前半が終わった時点で同点で、オーストリアならチェコ代表勝てるはずだよなあとか、何でオーストリアとスイスは無事に出場できて、チェコはできなかったんだろうなんてことを考えてしまって、試合を見ていても、試合自体は互角の面白い試合だったのだけど、あまり楽しくなく、後半はまたニュースにチャンネルを合わせた。

 そして、8時半からはスウェーデンとチェコの代理で出場している北マケドニアの試合の放送が始まることは知っていたけれども、北マケドニアのハンドボールは嫌いでチェコの代理に選ばれたことが許せないので、自らに観戦を禁じるためにその時間帯にシャワーを浴びることにした。当然、試合が終わるまでの間シャワーを浴び続けていられるわけがなく、寝巻きに着替えた後についついハンドボールにチャンネルを変えてしまった。
 テレビ画面にハンドボールが映っていれば、ささいなわだかまりは捨て去って、見てしまうのは仕方がない。他のチャンネルで見るに値するものが放送されていれば話は違うのだろうけれども、チェコも日本よりはましだけど、テレビで放送されるものの多くは、あえて見る価値などのない暇つぶしにしかならない番組である。残念ながら今日も例外ではなかった。

 後半開始から見始めた試合は、スウェーデンが大きくリードしていて、チェコだったらもう少しマシな試合をしているだろうと想像できただけでもちょっとした喜びではあった。ただ、点差がつくと、無観客の試合はどうしてもだれてしまうもので、途中からスウェーデンのプレーの質が北マケドニアと同レベルまで落ちて何ともしょうもない試合になっていた。途中、10分近くどちらも得点できない時間帯があったんじゃなかったかな。最終的にはスウェーデンが10点以上の差をつけて勝った。
 喜びはその結果ではなく、スウェーデンのゴールキーパーの名前にある。以前の大会、ヨーロッパ選手権にも出場していたと思うのだが、アンドレアス・パリチカというのである。毛っこベテランだったと記憶するから、この大会にも出ているとは思わなかった。パリチカは父親がチェコスロバキアの出身だというから、チェコ代表のいない今回の世界選手権においては、チェコ代表の代わりのようなものだ。だから、チェコの代役としてパリチカのいるスウェーデンを応援するために、スウェーデンの試合はできるだけ見ることにしよう。ちょっとだけ楽しみが増えた。それにしてもチェコの代役がスロバキアにならなかったことが残念でならない。

 ところで、大会のホームページを見ていて不思議なことに気づいた。国旗の代わりにシュートする選手をモチーフにしたマークが書かれている国が存在して、RHFという国名になっている。開けてみたらロシア代表のことのようだった。IHFのワイルドカードで出場というのだけど、ドーピング疑惑でオリンピックから除外されたロシアは、あらゆるスポーツで世界選手権などの国際大会に公的には出場できなくなっているのだったか。それを救済するためにRHF、多分ロシアハンドボール協会名義で、ワイルドカードで出場させたということか。やっぱ、IHFも腐ってるなあ。
 三日連続ハンドボールねたで、同じような愚痴の繰り返し、絶望の大きさがわかってもらえるものと思う。
2021年1月14日24時。











2021年01月16日

世界選手権開幕(正月十三日)



 チェコ代表が出場自体を余儀なくされて、何が何でも見なければならないという気分は失せてしまったのだが、ハンドボールの試合である。機会があれば、仕事があっても後回しにして見てしまうことになるだろう。今日も自宅に戻ってテレビをつけたら、世界選手権の開幕戦が行われていたので見てしまった。チェコ代表が辞退を決める前は、仕事を早めに切り上げて試合開始から見るぞと張り切っていたのにすっかり忘れていた。

 開幕戦なので開催国のエジプトの試合だったが、対戦相手はグループ最弱と見られるチリ。前半終了間際でエジプトが、7点差でリードしていた。チリのディフェンスが荒くて、数分しか見ていないのに二人か三人の退場者を出していた。エジプト側も退場者がいたから、例のアラブの笛というわけではなく、実力差どおりの点差という印象だった。
 あまり面白い試合ではなかったので、チェコ代表が出ていたらつまらない試合でも最後まで見ていただろうけど、後半はニュースにチャンネルを変えた。スポーツニュースでエジプトの勝利を伝えていたのだが、両チームの得点を確認しようと、大会のホームページを覗いたら、Gグループの結果画を伝えるページのこの試合のところには開始時間が書かれているだけだった。使えねえ。

 チェコ代表が辞退したということは、このグループは3チームになるのかと思っていたのだが、代理のチームが参加するようで、すでに4チームの名前が並んでいた。代理のチームは、北マケドニア、韓国が旭日旗だと批判しそうな国旗が表示されていた。よりによってバルカンハンドボールの国かよ。またちょっとこの大会を見る意欲が下がってしまった。チェコ代表がなんどバルカンの笛に泣かされてきたことか、それを考えると、チェコの代わりに北マケドニアを選ぶのは、嫌がらせにしか思えないのだけど、被害妄想の類かなあ。

 ところで、エジプトとチリの試合のハーフタイムの番組に、ハンドボール協会の会長が出演して辞退に至った経緯をややこしく説明していた。ややこしくというのは何が言いたいのかよくわからなかったからで、理解できたのは、出場辞退は、一部のファンが疑っているのとは違って、協会の幹部で決めたことではなく、代表チームのほうから辞退したいと声が上がってきて、検討した結果、今回は辞退したほうがいいという決定に至ったということだった。責任は自分がとるけれども、決定を下したのは自分ひとりではないとも言っていたかな。

 とまれ、年末までは順調に準備が進んでおり、監督二人の陽性が判明したときも、フェロー諸島に出発する前に、選手のうちの一人が陽性となったときにも、チーム内に蔓延することは予想もしていなかったらしい。それがフェロー諸島で試合前の検査を受けたところ、一度に8人の選手が陽性の判定を受け、チェコに戻ってきてからも陽性者の数が増え、追加で選手を呼んだところでどうしようもないところまで追い込まれていたよう。確か、監督のヤン・フィリップが、我々は現在先発メンバー7人を揃えることすらできない状況にあると語っていた。
 同時に、陽性判定を受けていない選手たちの中にも、体調不良を訴える選手が増えたことも、辞退という決定に寄与したという。もしかしたら、検査で陽性は出ないけれどもすでに感染していたのかもしれないし、長期にわたって隔離されたチームの中で、感染者が現れ、更なる隔離が続くというストレスからのものかもしれない。そこに世界選手権に出られるかどうかという問題も絡むから、いかに精神的に強いといわれるハンドボールの選手たちでも、参ってしまったとしても不思議はない。選手たちも、仮に何とかチームを組織できたとしても、こんな状況では更なる感染拡大の恐れもあり、出場は避けたいと考えたのだろう。会長の話では、選手側からも無理だという声が上がっていたらしい。

 ファンの中には、Bチーム、Cチームを準備しておけばよかったのにと批判する人たちもいるようだが、予選の一試合を予備チームで戦うならともかく、今シーズン最大のイベントである世界選手権に予備チームで臨むってのは、個人的に反対である。協会の会長も言っていたけど、準備不足の予備チームで出場してぼろ負けをしたら、ファンたちはどうして出場したんだと批判するに決まっている。点があまり入らないサッカーなら予備チームでそれなりの試合、それなりの結果を持ち帰れるだろうけど、ハンドボールは、点が入りやすいので実力差が点差に反映されやすいのである。

 ニュースでは、チェコだけでなくブラジルも感染者が出てチームを組織するのに苦労すると言っていた。始まってしまった以上は最後まで何事もなく開催できることを祈るしかない。エジプトでは当初観客をれて開催しようと考えていたようだが、あちこちからの反対で、無観客で開催されている。来年のヨーロッパ選手権は観客を入れて開催でき、チェコが問題なく出場できることも、あわせて祈っておこう。
2021年1月14日20時30分。










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チェコとスロヴァキアを知るための56章第2版 [ 薩摩秀登 ]



マサリクとチェコの精神 [ 石川達夫 ]





















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