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2018年04月30日

久しぶりにブログのことなど(四月廿七日)



 ブログを始めたころは、頻繁にと言うほどでもないけれども、しばしば模様替えをしていた。季節感を、記事の内容ではあまり表現できていないから、ブログのデザイン上だけでもあらわせるようにと考えていた。確か、秋の森までは背景を季節に合わせられていたのだが、冬の森がなかった。冬っぽいデザインには気に入るものがなく、一度はオロモウツの冬の写真を背景にしてみたことさえある。写真の大きさの調整をしていなかったせいで、肝心の部分がブログの背景として表示されないという大失敗をやらかして、いずれ再挑戦をしようと思っていたのだが、放置してしまった。
 今使っている金魚のデザインが妙にすわりがよかったというのもあるのだけど、放置している間にデザインの細かい編集の遣り方を忘れてしまったというのも大きい。以前しばしばデザインを変えていたころは、どこの数値をいじると真ん中のテキストの幅が広がるとか、サイドバーとの間を狭くできるとか、ある程度覚えていてすぐに調整できたのだけど、この前久しぶりにデザインで遊んでみようとしたら、どこをいじっていいのかさっぱりわからなくなっていた。

 これはもう、デザインを変えるとしても、以前使っていたものをローテーションさせるぐらいしかできなさそうである。提供されているデザインは、真ん中のテキストの幅が狭すぎて、両端の再度バーの外側の余白の部分が広すぎて、そのままだと文章しかない我がブログには使いにくいのである。ブログを初めて三年目になるけれども、まだまだ使いこなしているとは言いにくい、というか、最近は毎日書くことのみに集中してその努力さえ怠ってしまっている。忍者もブログ村も最近は放置状態だし。
 忍者といえば、最近思わず忍者にログインしてあれこれ確認してしまったことがあるのだった。いやその日すぐにその件について書こうと思っていたのだけど、妙にためらいたくなるものがあって、再び同じようなことが起こったらと決めたら起こらなかった。ネタもないしその驚愕について書くのも悪くなかろう。

 ブログの管理ページから確認できるPVの数も、でこぼこはあるものの三年目に入って、三桁で安定し、平均で300前後ということになっている。それだけでも一年目を思い出すと信じられないような数字なのだが、三月の終わりのある日、昨日のPV数の数字を見て思わず何かの間違いだろうと思ってしまった。1500を越える数字が表示されていたのだ。それまでの最高が600ぐらいだったから三倍近い数である。
 シークレットモードなどが数えられないため、ブログの管理ページよりも少な目の数字が出る忍者のカウンターでも、あれいくつだったっけっか、とにかく少なくとも1000に迫るような数字が出ていて、思わず忍者の管理ページにログインしてしまった。一人で大量に閲覧してくださった方がいたようで、ありがたいやら申し訳ないやらである。

 その後は、また300前後で落ち着いているから、これが我がブログの顧客の数ということになるのかな。いや、その全てが定期的に読みにきてくれているとは思えないから、実際の固定客は更に少ないということになるか。読んでもらうことよりも、自分が書き続けることが目的とはいえ、どこかに読んでいる人がいてくれるというのは、何ともうれしいことである。数が減らないことを祈ろう。記事で読者を増やすとかひきつけるとか言うのは無理そうだし、ここは神頼みをするしかない。
 ちょっと気になるのが、ブログサービスならどこでもやっているだろうブログの順位である。PVの数はそれほど増えていないのに、順位が妙に高くなっていることがある。順位がどのようにしてつけられているのかは知らないけれども、日記カテゴリーで20位とか30位とか言われても困ってしまう。この程度の数でこの順位ということは、ファンブログ全体の閲覧が少ない日には相対的に順位が上がるということなのだろうか。

 ブログについて書くと毎回おんなじ話になっているような気もするけれども、たまのことだからよかろうってこれも前回と同じかもしれない。考えてみれば題名からして同じか。日付が違うからよしとしよう。
2018年4月28日22時。











posted by olomoučan at 07:06| Comment(0) | TrackBack(0) | ブログ

2018年04月29日

リーダー不調(四月廿六日)



 ソニーの電子書籍用端末のリーダーについては、一号機が電源の調子が悪くなって、入浴専用機にしたとか、本体下部のボタンがまったく反応しなくなって本を取り替えるためにいちいち電源を切って再度電源を入れなければならなくなったとか、何度か書いてきたが、二号機、三号機もちょっと調子が悪くなった。使用にはあまり問題はないのだけど、電源の持ちが悪くなってしまったのだ。
 以前は充電に三時間以上かかったのが、二時間半ぐらいで充電が済むようになったのは問題ない。問題は使用できる時間が短くなってしまったことである。恐らく読める時間はそれほど短くなっていないと思う。ただ、電源を入れたまま放置しておいた場合にバッテリーが急激に減るようになってしまったのだ。リーダーには省電力設定があって、しばらく操作しないとスリープモードに入るという機能も付いているのだが、読み始めにいちいち操作するのが面倒でオフにしてある。
 一号機で確認したところ、スリープモードにしようがしまいが、バッテリーの減り方に大きな違いはなかったこともあって、省電源機能をオフにし主導でスリープモードにすることもやめてしまったのである。スリープモードを使うのは、カバンの中に入れるなどして勝手にページがめくられたりボタンが押されたままになったりすることを避ける必要があるときだけだった。

 そんな使い方をしていたせいか、充電して本を開いて読みかけたまま、放置しておくと二日ほどでバッテリーが切れるようになってしまった。頻繁にスリープモードに入れることで多少稼働時間が伸びるけれども、一度身に付いた習慣はなかなか変えがたく、たいていは本を開いたまま放置して、頻繁に充電を繰り返すことになる。
 充電もメインで使っているPCとの相性が悪く、二号機はUSBで接続するとPCが勝手にリセットを始めてしまい、三号機にいたってはリセットしても、充電はできるものの、外付けの記憶媒体として認識してくれないので、ハードディスクから本をリーダーにコピーすることができない。だから新しい本を三号機にコピーする必要が出てきたら、別のPCを引っ張り出すしかないのである。

 最近はテレビのUSB端子から充電するという手が存在することに気付いたので、充電だけでいいときにはもっぱらテレビを使うようにしている。PCが勝手にリセットするというのには、PCへの負担があるような気がして、何度繰り返しても慣れられないのである。ただ、テレビで充電した場合には、充電が終わった後も、PCのときのような接続をとくための手続きがないのがちょっと心配。「この機器は安全に取り外せます」とかいうアナウンスが出るのは使用者に安心をもたらすのである。
 充電が頻繁に必要になったとはいえ、読むという一番重要な機能には問題がないし、二台稼働中なので両方同時に電源切れにならないようにすることは可能だから、もうしばらくはこのままでいけそうだが、最近あまり使っていない一号機が完全にお釈迦になったら、より不調な三号機をお風呂用にして、最後の四号機を投入しようと考えている。このままだと宝の持ち腐れになりそうだし。

 最近確認していないのだけど、ソニーのリーダーの販売は続いているのだろうか。まったく話題にも上らなくなっているから、新型は投入されていないのだろう。それから、リーダー購入者を顧客として囲い込もうとして失敗した(はずの)リーダーストアはまだ営業しているのだろうか。ソニーみたいなハードで稼ぐべき会社がソフトで稼ごうなんて色気を出してはいけないのだ。それがソニーのリーダーが、ライバルに惨敗した最大の原因である。
 この事実を反省した上で、ソニーがリーダーと互換性のある後継機を投入するのは何年後になるだろうか。最悪でもそれまでは四号機を持たせなければならない。そのときには、端末をひも付きの電子書籍販売店で機器認証させることなく、どこの販売店で買ったものでも読めるという、オープンな仕様にしてもらいたいところである。
2018年4月27日23時。


まだあった。通信なんぞ無視して読むことだけに特化したものを出せばよかったのに。

ソニー 電子書籍リーダー Reader 6型 Wi-Fiモデル ブラック PRS-T3S/B






posted by olomoučan at 06:56| Comment(0) | TrackBack(0) | 本関係

2018年04月28日

自転車漫画終(四月廿五日)



 ここまであれこれ自転車漫画とちょっと小説について云々してきたが、『アオバ自転車店』の作者の言うとおり以前から見ると信じられないくらいの自転車漫画が存在するのは確かなことのようだ。少説まで何冊もありそうで、驚きは二倍である。そういえば、高千穂遙も、自転車をテーマにした漫画の原作を書いたり、自転車小説を書いたりしていたなあ。
 高千穂遙には自分が趣味にしたものを、出版社をうまく丸め込んで何が何でも小説にして出版しまうところがあるから、特殊例だと考えていたのだが、自転車に関しては特例ではなく、ブームを牽引する一端を担ったというのが正しそうだ。となると、まず最初に手を出すべきは高千穂遙の作品か。これも検討しておこう。ものすごく詳しい説明が出てきそうだけど、まあファンタジーにボディビル用語の筋肉の名前なんかが出てくるのに比べれば耐えられるはずだ。

 ところで、ここまで書き継いできて、最初に自転車マンガについて書こうと思ったときに、書きたいと考えたことを書いていないことに気づいてしまった。文脈の分かれ目で別の方向に向かってしまって、戻ってくるのを忘れてしまっていたようだ。それは、『アオバ自転車店』の主要キャラクターの一人、アオバ自転車店特製のロードレーサーに乗るモリオくんの台詞に大賛成だということである。
「男はクロモリ、ホリゾンタル」だったかな。「男は」の部分はともかくとして、自転車、特にドロップハンドルのロードレーサー系の自転車は、アルミじゃなくてクローム・モリブデン鋼のフレームの方が美しい。今は知らず、九十年代末のアルミフレームは強度を確保するためか、クロモリのフレームに比べると不細工なまでに太かった。タイヤも太くて全体的に、ロードレーサーの精悍さとは似ても似つかぬものになっていた。だからと言ってロードレーサーを「カトンボ」なんて言ってしまうのはどうかと思うけれども。

 実は、高校に入学に際してお金をかき集めて自転車を購入したときに、注文用のカタログに書かれていた「クロモリ鋼」というのを見て、モリオくんと同じように「黒森」と誤解してしまったことはみとめねばなるまい。そして、これは「黒森」という人か、会社が開発して商標登録をした鋼材だろうと考えていたのである。カタログにもクロームとモリブデンを何パーセント含む鋼材なんてことは書いてあったはずだけど、見た目で選んだ自転車だったからなあ。パナソニックになる前のナショナルの自転車だったかな。
 見た目で言えば、当時のいわゆるママチャリではない男の子用の自転車は、フレームの上部のパイプは水平になっていたから、90年代末のマウンテンバイクのフレーム上部の形状も何とも納得しがたいものがあったのだ。当時は「ホリゾンタル」なんて言葉は知らなかったから言葉ではうまく説明できなかったけど。
 知らなかったのは他にもあって、『アオバ自転車店』を読む前は、「ランドナー」とか「スポルティーフ」とかいう自転車の細分化された種類は知らなかったから、クロモリのホリゾンタルフレームでドロップハンドルに細いタイヤの自分が買った自転車のことは、ロードレーサーだと思っていたけど、泥除けや荷台、ブレーキの補助レバーなんかが標準装備だったから、ロードレーサーではなく、ランドナーかスポルティーフだったのかもしれない。

 だから、チェコに行ったら自転車を買うぞと決めたときに、自転車通勤をしていた知人と、アルミの太いフレームは嫌だなんてことを話していたら、あれこれ調べてチェコのオロモウツには、元軍需企業で自転車のチタンフレームを生産している会社があることを教えてくれた。チタンフレームがアルミと違ってクロモリのように細いのかどうかも、値段がどのぐらいするかも考えずに、地元の製品を買うぞと気分は大いに盛り上がったのだった。
 しかし、チェコに来て自転車を買うために入った自転車屋に並んでいるのは、アルミフレームの物ばかりだった。念のために店員さんにチタンフレームってないのと聞いたら、笑われてしまった。レースに出るわけでもない素人が購入するには過ぎたものなのはわかっていたけれども、店員さんの説明によるとフレームだけでも何万コルナになって、それをもとに自転車を組んだら10万コルナじゃ足りないかもしれないということで、こちらが思っていた以上に高値の花であった。早々にチタンフレームはあきらめて、自分でも買えそうな自転車を探したのだけど、クロモリ、ホリゾンタルは見つけられなかった。
 探せばあったのかもしれないけれども、つたないチェコ語では何と言っていいかわからなかったし、チタンフレームの件で懲りてもいたので、手に入りやすいもので妥協することにした。結局マウンテンバイクほどごつくない、チェコではトレッキングバイクとか言っていたかな、そんな自転車を購入した。当然チェコのブランドがいいということでAUTORである。でも生産は台湾だった。ちょっと残念。

 それからもう一つ、単発のキャラクターが言っていた「ロードバイク」なんて言い方は許せないと言うのも納得。コルナゴというメーカーの自転車がいいかどうかは、乗るどころか見たこともないから知らないけれども。
2018年4月26日24時。





TRAILER(トレイラー) 700Cクロモリシングルスピードネイビー TR-PS701-NV ネイビー







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2018年04月27日

自転車漫画4(四月廿四日)



承前
 次に気になったのが、『びわっこ自転車旅行記』。題名から小学生か中学生の男の子が、自転車に乗って旅行する話かと思ったら、「東京在住の三姉妹」が滋賀まで自転車で帰省する話だった。帰省ということは大学生か社会人の女性が三人ということか。作者の実体験をもとに描かれた作品だというのには惹かれるけれども、子供が旅先で出会う大人に助けられながら、目的地までたどり着くというお話を題名から期待してしまっただけにちょっとなあ。
 そんなことを考えていたら、シリーズには「滋賀→北海道編」というのがあって、こちらは三人姉妹のうちの一人が高校生のころに、夏休みに滋賀から北海道まで自転車で旅をしたお話らしい。さらに「琵琶湖一周編 ラオス編」というのもあって、実家在住の末っ子が姉達と一緒にママチャリでびわ湖一周に挑戦するとあるけど、表紙を見るとママチャリに乗っているのは、末っ子だけのようである。
 全部で三冊しかないし、各巻ごとに完結しているようだし、合わなかったら一冊で止められるし、今のところ、これが一番敷居が低いなあ。レンタで読めるようだったら、読んでみようかなと確認してみたら、レンタでは取り扱っていなかった。ヤフーのブックストアで買って読めという表示が出るのだけど、これ以上登録サイトを増やしたくはないので、却下。読むとすれば、hontoを使うことになる。ということでこれも保留。次行こう、次。




 次に見つけたのが『Over Drive』。ロードレースを舞台にしたスポ根物らしいから、『シャカリキ!』や『弱虫ペダル』の路線である。出版社は講談社だから大きく外すことはないと思うのだけど、あらすじを読んでいると、少年マンガにありがちの無茶な展開も垣間見えて、ドラマチックに盛り上がる面白さはあるのだろうと思うけど……。試合やレースがなかなか終わらないという少年マンガの最大の欠点を、多分にもれずこの作品も供えているようだし、それを超えるだけの面白さがあるのかどうかだなあ。一巻の表紙を見る限り絵柄的には好きなほうに入るから、ちょこっと読んでみたい気もする。



 hontoでは、「ブックツリー」という本の専門家がテーマに沿って本を推薦するという趣旨のサービスをやっている。正直な話、いくつか期待して覗いたブックツリーは、すべてこれで終わり? 言いたくなるような期待はずれなもので、あえて見るまでもないと結論付けていたのだが、自転車漫画に関しても「読めば自転車に乗りたくなる!主人公がのめり込む姿が熱い自転車漫画」というブックツリーが存在して、五つの作品が紹介されている。一つ目はすでに取り上げた『弱虫ペダル』、四つ目に『Over Drive』が入っている。せっかくなので残りの三つも見てみよう。


 二つ目に上がっているのは、『ツール!』。題名からツール・ド・フランスを意識させるから、ロードレースがテーマであることは間違いない。自転車レースの専門家が監修についている分、ルールやレース展開は正確で現実的なものになっているだろうが、その分、少年マンガ特有のでたらめさのもたらすドラマ性というものが希薄になっているなんてことがあるかもしれない。実は昔少年サンデーのサイトでWEB連載をしていたころに何回か読んだ記憶がある。子供が主人公でジュニア世代のレースとはいえ、本格的なロードレース漫画は内容的には満足したけれども、これでツール・ド・フランスまでたどり着けるのかなと思っていたら、いつの間にか連載が終わっていた。



 三つ目が『かもめチャンス』。仕事と子育てに忙殺される主人公の人生が一台の高価なロードバイクとの出会いで大きく変わるというコピーには、ものすごく惹かれる。これまで取り上げた自転車漫画の中でも一番である。「ビックコミックスピリッツ」の連載作品だから、主人公の能力を除けば設定周りにはそれほどの無茶はないだろうと思うのだけど……。




 最後の五つ目は、『サクリファイス』。現在取り扱いできないと書いてあるから、紙の本は絶版で、電子書籍化が済んでいないということのようだ。「ブックツリー」のところにある紹介を読むと、主人公は陸上から自転車に転向してプロになるようなのだけど、高校生なのか大学生なのか。そんな内容よりも気になるのが原作者の存在で、近藤史恵。この人推理小説を書いていなかったかと思って確認したらその通りだった。創元推理文庫でちょっと変わった作品を発表していたのを覚えている。その近藤史恵が新潮社から刊行した小説版の『サクリファイス』をもとに漫画化されたようだ。





 小説版のほうはミステリーとしても高い評価を得ているから、純粋な自転車小説ではなく。ロードレース界を舞台にした事件の謎を解く推理小説としての一面が強いのかもしれない。ロードレース界なんてドーピングを筆頭に謎だらけだしさ。
 スポーツを題材にした小説はあたりはずれが大きく、スポーツを知らない書評家の評価も当てにならないことが多いのだけど、この小説はどうだろうか。以前どこかで絶賛されていた箱根駅伝を舞台にした小説を読んで、ドラマとしての面白さはあったものの、あまりの現実性のなさにがっかりしたこともあったしなあ。
 この近藤史恵の場合には、他にも自転車小説を刊行しているようだから、そこまで心配することはないのかな。こんなことを書いていたら、取り上げた漫画よりもこの小説の方が読みたくなってきた。
2018年4月24日23時。










posted by olomoučan at 06:59| Comment(0) | TrackBack(0) | 本関係

2018年04月26日

自転車漫画3(四月廿三日)



 『アオバ自転車店へようこそ』の最後のほうの巻の巻末のあとがきで、著者の宮尾岳が、連載を始めたころは自転車漫画なんてほとんど存在しなかったのに、今ではいろいろな自転車をテーマにした作品が出てきて嬉しいというようなことを書いていた。確かに『アオバ自転車店』以前の作品では、『シャカリキ!』ぐらいしか知らないけれども、今ではそんなに多いのだろうか。多くなっているとすれば、自転車なんて漫画になりにくそうなテーマを取り上げて、毎回違った形で作品に仕上げてきた『アオバ自転車店』の影響だといってもいいのではなかろうか。いや、自転車ブーム、自転車通勤ブームなんてものにも影響を与えているような気もする。
 考えてみれば、個人スポーツでありながらチームとしての役割分担があってチーム戦略もレースの結果を大きく左右するロードレースは、根性とか友情なんてのが好きな少年マンガには題材として向いているのかもしれない。ただ、その役割分担やらチーム戦略やらがかなりややこしくて、それをちゃんと理解した上で、作品に生かすのが難しいのだろう。その意味では『シャカリキ!』があの時期、90年代の前半に書かれたというのは、凄いことだったのだ。『アオバ自転車店』のほうは、自転車の楽しさを強調するのがテーマだからレースが出てきてもアマチュアのもので、一番大きいのは筑波サーキットでの耐久レースじゃなかったかな。

 それはともかく、どんな自転車を題材にした漫画があるのか探してみることにした。舞台は最近お世話になっているhontoである。レンタでもよかったのだが、こっちだと読みたくなってパピレスのポイントを浪費してしまう恐れがあるので、クレジットカードで購入というちょっとハードルの高い、いや実は「ワンステップ購入」という罠が仕掛けられているようだが、罠だとわかっていれば落ちることはそうそうあるまい。

 最初は、ロードレースチームになっていたりスポンサーを務めたりしていることで題名だけは知っていた『弱虫ペダル』から。『シャカリキ!』と同じで少年チャンピオンコミックスだった。現時点で55巻まで出ているようだけど、週刊の少年誌に連載された作品は大体一年に5巻前後の刊行であることを考えると、連載開始から10年を越えるところまできているのか。『アオバ自転車店』が20年弱で60巻ちょっとしか出ていないのも、少年誌に掲載された作品と比べると少なく感じられてしまう。
 hontoに商品解説がないのは、誰でも知っているような有名作品だからだろうか。並んでいる表紙を見る限りロードレースをテーマにした作品のようである。最初のほうだけでも、現在のロードレース漫画を確認するために読んでみようか。何回も読む必要はないしレンタで48時間なら節約もできるしと考えて確認したら、48時間と無期限では100円分しか差がなかった。48時間は100か200だと思っていたのに……。

 レンタには、少し長めのあらすじがついていて、主人公の名前が坂道というのは、少年マンガではよくあるパターンだからいいにしても、各巻のあらすじを読んでいると、きりよく読むのを止められそうなところがない。これは一度手を出したら抜け出せない蟻地獄のようなものだ。一年生のインターハイが終わるまでで30巻近く費やしているからなあ。悩むと読みたくなるから、次に移ろう。


 hontoで「自転車」で検索して出てきたのが『南鎌倉高校女子自転車部』。女子高とはいえ、自転車部だからこれもロードレースがテーマになっているのだろう。一巻の表紙は、どう見ても所謂ママチャリだけどさ。二巻からは表紙にロードレーサーっぽのが現れるけど、こちらには付いているあらすじを読む限り、『シャカリキ!』や『弱虫ペダル』ほどロードレースに力を入れた漫画というわけではなさそうだ。舞台が鎌倉というのも、昔寺社や史跡を訪ねて鎌倉を歩き回ったこともあるし、魅力的なのだけど。現時点で10巻というのは、多いのか少ないのか、とりあえずこれも保留。



 タイトルと表紙を見て、えっと思ってしまったのが、『かわうその自転車やさん』。自転車屋の店長がカワウソなのかね。あらすじを見ると店の常連さんたちとの交流が描かれているようだけど、登場人物がみんな動物になっているようだ。『アオバ自転車店』的な一話完結の話を積み上げていく形になっているようだから、読み始めても止めやすいとは言えそうなのだけど……。
 問題は、登場人物の擬動物化で、アイデアとしてはわかるけど、カワウソみたいな四足で足の短い動物を自転車に乗せるのは無理がないのだろうか。その辺が漫画家の絵描きとしての腕の見せ所ということになるのだろうけど……。現時点で5巻という数の少なさも、魅力的ではあるのだけど、これも保留。




 なんだか、次に読む自転車漫画を検討する内容になってきて、当初の目的からは逸脱しているような気もするけど、最近ネタもないし、次回も継続する。当初の予定ではこんなにたくさん自転車漫画ってあるんだねえという話で終わるはずだったのである。本読みとしては、本を発見した以上、内容を確認して読むか読まざるか検討してしまうのが性というものである。
2014年4月23日23時。 








posted by olomoučan at 06:32| Comment(0) | TrackBack(0) | 本関係

2018年04月25日

自転車漫画2(四月廿二日)

アオバ自転車店といこうよ! 1 (ヤングキングコミックス)






 『アオバ自転車店』の最新の数冊を読んで思ったのは、変わっていないようで変わっているというものだった。舞台となる自転車店もその一家も昔と変わっていないし、自転車を通じて人生の悩みを一つ少なくするというストーリーも健在だった。でも、いつの間にか常連のように登場するメンバーが増えていて、10年前に自転車旅行に出たまま帰ってきていないという設定のお祖父さんが戻って店にいるようになっていた。
 長期連載だから連載が続くにつれて10年前がさす年がずれていって、登場する自転車などの面で違和感が出るようになっていたのだろうか。連載が開始された90年代の終わりは、マウンテンバイクがブームで、自転車通勤なんてものが、話題になり始めたころだったから、ロードレーサー系は流行らないものとして扱われていたような気がするのだけど、最近の巻を読むと逆にロードブームのようにも見える。思い出してみると、90年代の終わり何人かの知り合いが、電車での通勤をやめて自転車通勤に切り替えていた。その足として選んだのは、みんなスピード重視のロードレーサーではなく、マウンテンバイク、しかもサスつきだったし。

 個人的には、マウンテンバイクのフレームの形状も、太すぎるタイヤも、サスペンションなんてものもあまり好きではなかったので、マウンテンバイクで通勤というのにはあまり心惹かれなかった。周囲にロードレーサーで通勤している人がいたら、思わず手を出していたかもしれないけどさ。当時は安全上の問題とか、保険がどうとかで企業の側も、自転車通勤を積極的に支援するなんてこともなく知人も苦労していたのだが、最近は企業の側も自転車通勤を推進しているみたいで、隔世の感を感じる。
 隔世の感といえば、『だからバイク大好き』なんて本を出すところまでいっていたバイクフリークのSF作家高千穂遙が、いつの間にか自転車人間になっていたことである。90年代の終わりにはもう自転車に手を出していたのかなあ。何年か前に発見した「日々是好日」という日記的ブログを読んでいると、ねたはもうほぼ100パーセント自転車だった。最近は猫も増えているのかな。

 話を戻そう。お店の常連で定期的に登場する人たちの人間関係も変わっていた。折りたたみ自転車をきっかけに付き合い始めた二人は、いつの間にか結婚していたし、坂を登るための手段として購入したロードレーサーで自転車に目覚めた高校生の男の子は、競輪選手を目指して弟子入りしていた。うーん。個人的にはこのモリオくん、自転車のロードレースを目指すんじゃないかと期待していたのだけど、坂登りに執着する高校生でロードレースとなると、『シャカリキ!』と重なるのを嫌がったのかなあ。

 実はこの『シャカリキ!』が、初めて読んだ自転車漫画である。自転車通勤を始めた知人が、すでに連載が終わっていたこの作品を発見して、貸してくれたのである。この作品を読んで自転車通勤を始めたということはないと思うけど、自転車に興味を持つきっかけにはなっていたようだ。あのころは一般の雑誌でマウンテンバイクの特集なんかをやっていて、それを見てあれがいいこれがいいなんてことをわめいていた。でも、最終的に確かフランスのブランドの自転車を選んだのは、『シャカリキ!』の主要登場人物がフランス製のロードレーサーに乗っていたからじゃなかったか。
 『シャカリキ!』は、秋田書店のチャンピオンコミックスだったかな。雑誌「少年チャンピオン」は、大手の「ジャンプ」や「サンデー」、「マガジン」辺りでは取り上げられないような日本的にはマイナーな世界を舞台にした作品も掲載していたからこれもそのうちの一つだったのかもしれない。構成的にも、ものすごくよくできた作品で、面白く読んだのを覚えている。ただ最後の山場となったツール・ド沖縄のレース展開が、序盤から中盤まではともかく、終盤の主人公とライバルの一騎打ちになってからの展開が、二人のライバル関係を作品の終わりに昇華させるにはああいう展開に持っていくのが一番だったのだろうというのはわかった上で、ちょっと無理がありすぎるだろうと思わずにはいられなかった。

 これ以上思い出そうとすると、再読したくなりそうだからやめておいたほうがよさそうだ。多分hontoあたりで探せば、電子書籍か紙の愛蔵版かで出てくるだろうけど、昔何度も読んだものを新刊と同じ値段を出してまで読みたいとは思えない。レンタにあれば100円か200円かで読むことは可能だけど、時間が経てばまた読み返したくなるのは当然だから手は出しにくい。一番いいのは読みたいという欲求を押さえ込んでしまうことなのだ。
 インターネットの発達のおかげで以前とは比べ物にならないくらい楽になったとは言え、日本語の本がいつでも好きなときに買える書店がない。日本語の古い本を探したり廉価に買えたりする古本屋が存在しない。日本語の本や漫画、雑誌を借りられる図書館がない。という三つの点において、活字中毒者にとって海外で生活するのは辛いのである。お金が湯水のように仕えるのであれば、何も気にせず次から次に買うだけだろうけど、日本にいたときのように毎月何万円も本につぎ込むわけにもいかないし、送料やら手数料やらの関係で、つぎ込んだだけの価値のある本が手に入るわけでもないし。
 ということで『アオバ自転車店』を数冊読んだだけで我慢して、『シャカリキ!』は諦めることにする。
2018年4月22日23時。


シャカリキ! (1) (小学館文庫 (そB-12))









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2018年04月24日

自転車漫画1(四月廿一日)



 先日、クレジットカードの実験のために、購入したパピレスのポイントをどうしようか考えて、姉妹サイトのレンタを久しぶりに覗いた。最初は100円か200円で48時間の間は読めるというネット上の貸し漫画屋的なものだったのだが、パピレスで漫画を取り扱わなくなってからは、500円で無期レンタルというのも始まった。実質的には販売ということである。
 この辺の経緯は、推測するしかないけれども、機器認証を必要としないパピレスのオープンな販売方法に対して、出版社の側からクレームがついた結果、パピレス本体での漫画の販売を停止してレンタルでオンラインでしか読めないレンタに移行せざるをえなかったのだろうと推測している。他の電子書籍販売サイトが、リニューアルし専用のリーダーを使ってしかも登録済みのPCなどでしか読めないという嫌がらせを始めたころから、パピレスへの書籍の提供が減り始めたのもこの推測を裏付ける。違法コピー対策といえば言葉はきれいだけれども、取次ぎが仕切る電子書籍の販売会社への支援策と見えなくもなかった。
 実は、パピレスではそれ以前から、漫画や一部の書籍では、普通のPDFでの販売をやめて、キーつきのPDFというオンラインでしか読めない形で販売していたのだ。一冊しか買ったことがないし、コンピューターに詳しいわけでもないので、あの形式の本がどのぐらいコピーしにくかったのかはわからない。この変更せいで、パピレスで買わずに別のサイトで購入した本が二、三冊ある。他の店ではXMDFで買えた中公の本が、パピレスではキー付きPDFでしか買えなかったのである。

 それはともかく、レンタで適当になつかしい漫画を探していたら、『並木橋通りアオバ自転車店』を発見してしまった。自分でもこの漫画を発見した経緯が不明なのだけど、日本を出る前には愛読する漫画の一つになっていた。というほど、当時は単行本が出ていたわけでもないから、連載されていた雑誌を買って読んでいたのかなあ。少年画報社の「ヤング・キング」だか、「ヤング・キング・アワーズ」だかに連載されていたはずだけど、このマンガのためだけに「ヤング・キング」を買っていた可能性は、ないとは言えないのだよなあ。
 田舎に居たころは、「キング」なんて名前の雑誌が存在することは、「少年キング」も含めて知らなかったけど、少年画報社の出していた単行本は何冊か読んだことがあると思う。友人から借りた漫画の中に聞いたことも見たこともない出版社の出したものがあって、びっくりしたことがある。それが確か「ヒットコミックス」というレーベルで、少年画報社が出したものだった。借りた作品は、何かの野球漫画だったと思うのだけど、正確に覚えていない。

 東京に出てから、古本やめぐりをする中で、いくつかのヒットコミックスの漫画を購入して面白かったことから、その作品の作家が連載をしていたことから、「ヤング・キング」に手を出したという可能性もありそうである。五十嵐浩一というと、『ペリカン・ロード』が有名で評価も高いのだろうけど、個人的には初期の『ピーター葉夢』だったかな、が好きだった。そこから『迷惑荘の人たち』を読むようになって、「ヤング・キング」に載っていた『並木橋通りアオバ自転車店』と出会うという流れが一番納得できそうだ。
 80年代半ばのNHKによるツール・ド・フランスのダイジェスト中継もあって、それなりの自転車ファンになっていたから、高校の入学祝にもらったお金をつぎ込んでドロップハンドルのロードレーサーっぽい自転車を買ったりもしていたし、それ以後はずっと自転車から離れていたとはいえ、『並木橋通りアオバ自転車店』を読むようになったのは必然であったのだ。

 そして、旧友から何か本を贈るからリクエストがあればというありがたい申し出を受けたときに、『並木橋通りアオバ自転車店』を何冊か送ってほしいとお願いしてしまったのである。旧友からは何でこんなものをと言われてしまったけれども、ほかに読みたい本、漫画とか言われても思いつくものがなかったのである。今更昔持っていた漫画を送ってもらうのも何だったし、その意味では、連載開始の最初のところだけ読んでいた『並木橋通りアオバ自転車店』は理想的だったのだ。
 送ってもらったのは、最初の数巻分だったかな。一話完結の話を積み上げていく連作作品で、人生における問題が自転車がきっかけになって解決の方向に向かうというパターンは、安心してたのしく読めたけれども、その時点でパターンとしては出尽くした感もあって、無理をしてまで続きを読もうとは思わなかった。忘れた頃に手元の何冊かを再読すればそれなりの満足感を得られたし。特に一巻の最初のスポルティーフの話と巻末の特別編のプジョーの話は、自転車を題材にした漫画の中では最高と言ってもいいだけの出色のできだし、この二つを越える話がそうそう出てくるとも思えなかった。

 しかし、この漫画、日本にいたら絶対に書店に直行して既刊の単行本をまとめて購入するだろうことは断言できる。長編連載とは違って一話完結でありながら、一話読み終わると次が読みたくなる漫画なので財布に優しくないのである。財布に優しくないのは連載の長さと巻数の多さもで、レンタで出てきたのは、『並木橋通りアオバ自転車店』が全20巻、第二期らしい『アオバ自転車店』も全20巻、第三期の『アオバ自転車店へようこそ』も全20巻の60巻に、「ケイリンチャレンジ編」、第四期の『アオバ自転車店といこうよ』が1巻で全部で62冊もあるのである。
 全部レンタルするとパピレスにあるポイントだけではたりないので最新の数冊を読んでみることにした。古いほうからだと途中でやめられなくなるのがはっきりしているが、残り数冊辺りから始めれば、最新刊まで到達したところで満足して、止められる可能性が高いと判断したのである。ということで第三期の最後の数冊を一冊500ポイントで無期限レンタルして読んでみた。感想は、やっぱり面白い、でも1巻を越えるものはないというものだった。
 長くなったので、以下次回。
2018年4月21日24時。












posted by olomoučan at 06:30| Comment(0) | TrackBack(0) | 本関係

2018年04月23日

ハンドボール・チェコリーグ女子(四月廿日)



 ハンドボール女子のリーグは、スロバキアと共同でインテルリガという形で行なわれているが、基本的にテレビで放送されることはない。だから女子ハンドボールの試合がテレビで見られるのはチェコ代表の試合、大きな大会か、その予選のホームゲーム、それに気まぐれのようにたまに放送されるカップ戦ぐらいのもので、男子のリーグ以上に選手を知らないのだけど、こちらもそろそろプレーオフが始まるはずなので、状況をまとめておく。

 今年は、久しぶりにチェコのチームが、スロバキア最強チームのミハロフツェを抑えて首位に立っているようだ。いや残りが一節だけだということを考えると優勝が決まっているのかな。とりあえず順位と勝ち点の表を挙げておく。(S)がつくのはスロバキアのチーム。


  1モスト       41
  2スラビア・プラハ  38
  3ミハロフツェ(S)  36
  4シャリャ(S)    34
  5ポルバ       28
  6ベセリー      28
  7オロモウツ     28
  8プレショウ(S)   26
  9ズリーン      12
  10ホドニーン     10
  11ピーセク      8
  12バーノフツェ(S)  7
  13トレンチーン(S)  4


 この時点で近年のチェコ最強チームのモストの優勝は確定している。一部のチームはすでに全試合を終了しているから、順位が変わる余地はそれほど大きくないのだが、重要なのは5位から7位までのチェコ側三チームの順位争いである。現時点で一番上にいるポルバはすでに全試合終了して勝ち点を伸ばす余地はないのだが、ベセリーとオロモウツはそれぞれ下位チームとの試合を残しているから、ポルバが最終的に7位におちる可能性は高い。
 この順位争いが重要なのは、この後、チェコ側で行なわれる順位確定のためのプレーオフの出場権がかかっているからである。チェコ側では上位四チームで優勝チームを決めるプレーオフ、下位四チームで降格チームを決めるプレーアウトを行なう。だから、全体で6位、チェコ側で4位になるのとならないのとでは雲泥の差があるのである。

 オロモウツは去年だったと思うけれども、同じような状況でぎりぎりで上位4チームに入れずプレーアウトにまわったのだが、勝ち点は持ち越すので最初から残留が決まった状態だったために、選手たちのモチベーションを維持するのが大変だったというようなことを読んだ記憶がある。その再現は避けたいところだし、かつてときどき応援に出かけていたファンとしては、プレーオフに進出して番狂わせを起こしてほしいものだと思ってしまう。プレーオフの決勝までいけば一試合ぐらいはテレビで中継される可能性も、少しはあるから、久しぶりにオロモウツの試合を見ることができるかもしれない。
 ちなみにポルバは、オストラバの一地区をホームとするチームで、モストの一つ前に台頭してきたチームである。もう十年以上前の話だけど、以前はオロモウツ、スラビア、ズリーンが三強で毎年プレーオフに進出していた。それが近年は。モスト、スラビア、ポルバの三チームが三強で、オロモウツは準決勝進出の四チーム目を争うチームの一つになってしまった。やはりスポンサーが問題なんだよなあ。

 このままいくとチェコ側で降格しそうなのは、ピーセクということになるのか。昇格したてのホドニーンとズリーンも完全に残留が決まったわけではないけれども、ズリーンの順位はともかく、勝ち点がここまで好くないというのにはちょっと驚かされてしまった。ズリーンが降格ということになると、Bチームが二部、チェコだけなら一部リーグに参戦しているから、ややこしいことになりそうである。

 そのチェコの一部リーグでは、プルゼニュの二チームが優勝争いをしている。どちらかは去年降格したチームだと思うのだけど、よくわからない。どちらが昇格しても、西ボヘミアのプルゼニュのチームがインテルリガに登場するわけだから、移動がますます大変になりそうである。ちなみにハンドボール協会の淳意表ではDHCプルゼニュとHCプルゼニュという名称で区別されていた。「HC」はハンドボールクラブで、「D」は女性のという意味の「ダームスキー」だろうから、あんまり区別になっていない。
 一部の順位表を見て、オトロコビツェとかクノビツェとか、インテルリガが始まる前のチェコの一部リーグで活躍していたチームの名前があって懐かしさを感じてしまった。去年まではここにオロモウツのBチームも参戦していたはずなのだが、今年からはポルバBとともに活躍の場を一つしたの二部リーグ東に移しているようである。
 かつては、全国規模のリーグに参戦できるレベルのチームが少なかったために、ズリーンやオロモウツなどのBチームが二部に参戦していたのである。最大で三チーム、四チーム存在した二部のBチームが一つだけになっているのは、チェコの女子ハンドボールの裾野が多少は広がっていると考えて喜んでいいのだろうか。

 ノバのどこかのチャンネルで朝しばしばドイツリーグの試合を録画で放送していたのも最近は見かけなくなったし、ハンドボールに対する飢餓感が高じているせいか、恐らく誰も期待していないであろうチェコのハンドボールリーグに関する話を連続して書いてしまった。
2018年4月20日。



 オロモウツは無事に最終戦に勝利し、チェコ側の順位決定のためのプレーオフ進出を決めた。準決勝の相手は優勝チームのモストである。






2018年04月22日

ハンドボール・チェコリーグ男子(四月十九日)



 先日、帰宅してテレビをつけたら、チェコテレビのスポーツチャンネルで体育館で試合前のウォーミングアップをしている場面が流れ、ハンドボールのゴールと思しきものの前でキーパーが柔軟体操をしていたから、久しぶりにハンドボールの中継があるのかと、大喜びしたのだけど、実際はそんなことはなく、フットサルの中継だった。
 ウィンタースポーツのシーズン中は、恒例だった日曜日の午前中のハンドボールのチェコ一部リーグの中継がなくても、仕方がないと思えた。特に今年は冬季オリンピックも行われたわけだし、スキーやバイアスロンなんかが優先されるのも当然である。しかし、四月になってウィンタースポーツのシーズンが終わってからもハンドボールの中継が戻ってこないのである。毎週木曜日に「ムラダー・フロンタ」の付録につく雑誌のテレビプログラムで真っ先に日曜日のハンドボールの中継を探すのだが、今年に入ってからは、チェコリーグの中継は一度も行なわれていないはずである。

 原因として考えられるのは、チェコのハンドボール協会の内紛で会長が辞任したことと、昨年のスポーツに対する助成金を巡るスキャンダルで、各スポーツ協会に流れるはずだった国からの助成金が一律ストップして、協会の予算が欠乏した可能性があることぐらいである。人気、視聴率だけの問題でないことは、チェコテレビが中継するほかのマイナースポーツを見ていればわかるのだけど、スポンサーがつかないとなかなか難しいのだろう。
 中継がなくてどんな結果になったか確認するのも忘れている間に、一部リーグのエクストラリーガでは、レギュラーシーズンが終わって、プレイオフが始まっていた。チェコのエクストラリーガは12チームの所属で、上位8チームが、三勝した方が上に進むプレーオフに参加し、下位4チームはそれまでの勝ち点を持ち越した上で、追加の試合を行って降格チームを決めるプレーアウトに出場する。

 今シーズンの順位表は、上から

  1ズブジー     35
  2カルビナー    29
  3ロボシツェ    29
  4プルゼニュ    29
  5ドゥクラ・プラハ 28
  6コプシブニツェ  20
  7イチーン     19
  8フリーデク・ミーステク 19
  9フラニツェ    17
  10ノベー・ベセリー 15
  11ブルノ      14
  12ストラコニツェ  10


 プレーオフの準々決勝では、ズブジー―フリーデク・ミーステク、カルビナー―イチーン、ロボシツェ―コプシブニツェ、プルゼニュ―ドゥクラという対戦が見られるわけだ。このうち、ズブジーとフリーデク・ミーステクは、隣町とは言わないまでも結構近くの町のはずである。調べたら比較的大きな町としては、南西からズブジー、コプシブニツェ、フリーデク・ミーステクが順番に並んでいるという位置関係だった。つまりこの辺りはフラニツェ、カルビナーもそれほど離れていないし、モラビアのハンドボールの中心なのである。
 そのプレイオフの準々決勝は、現時点で二試合終わっており、レギュラーシーズン上位のズブジー、カルビナー、ロボシツェ、プルゼニュの四チームが、ホームで順当に二勝を上げている。恐らくはこの四チームが準決勝に進むはずである。優勝候補はズブジーと言いたいところだけど、プレイオフに強いプルゼニュも侮りがたい。最近試合を見ていないから、外国帰りのステフリークの状態とかわからないし、ズブジーにいたってはどんな選手がいたかもちょっと覚えていない。

 個人的には、かつての最強チームカルビナーの復活を願っているのだけど、どうだろうか。カルビナーが優勝してヨーロッパのチャンピオンズリーグに出場してくれたら、久しぶりに観戦に出かけようと思わなくもない。以前に比べるとはるかに交通の便がよくなっているし、カルビナーなら仕事をしている知り合いもいることだし、顔見せついでにということもできる。プルゼニュだと、プラハまで行くのも億劫なのにさらにその先まで足を延ばす気にはなれない。ピルスナー・ウルクエルの工場見学というのも、南アフリカビールに買収されて以降はそれほど魅力を感じなくなったしさ。それはともかく、ズブジーかカルビナーのどちらかが優勝して、ボヘミアに対するモラビアの優位性を見せ付けてくれれば満足である。

 残留争いのほうは、フラニツェが生き残ってくれれば、特に言うことはない。勝ち点差もかなりあるし多分大丈夫だろうとは思うのだけど。ブルノ? ブルノは正直どうでもいい。モラビアの首都の座をオロモウツから奪ったブルノにはあまり親近感を感じられないのである。

 気になる昇格争いのほうは、昨シーズン降格してしまったリトベルが、一部復帰に向けて順調に首位の座を守っているようである。優勝すれば昇格なのか、昇格プレーオフが行なわれるのかはちょっとわからないけれども、リトベルには是非、チェコハンドボールのメインスポンサーであるビール会社の地元でもあるし、一部リーグに昇格して定着してもらいたいところである。同じビール会社の工場があるプシェロフは、二三年前まで一部で頑張っていたはずなのだが、二部にも三部にも存在しなくなっている。チームが消滅したということなのだろうか。マイナースポーツの宿命とはいえ残念なことである。

2018年4月19日



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2018年04月21日

アクセントの話2(四月十八日)



 日本語のアクセントといえば、我々日本人はどこまで自覚的に使い分けられているのだろうか。自分のことを考えてみると、例えば「はし」であるが、「橋」「端」「箸」の三つの言葉のアクセントの違いを単語単独で発音し分けろと言われても、できない。いや正確には正しく発音し分けられているかどうかの自信がない。それに、発音し分けたつもりのものが同じなんじゃないかという不安もある。
 漢字を見ながら発音すれば、多少ましになるような気もするけれども、それでも確信は持てない。確信を持って正しいアクセントで発音しているというためには、文にしないとだめなのである。どうしてこういうことが断言できるかというと、昨日登場したアクセントマニアの畏友に飲み屋で散々追及されたからである。この「はし」は、「橋」か「端」かと聞かれて、わからんと答えたら、じゃあ自分で発音して見せてくれと頼まれ、単独だとぐちゃぐちゃになる区別が文脈がわかる形で発音すると、正しいかどうかはともかく区別はできていることを畏友に指摘されたのである。
 つまり、「はし」「はしを」だけだと、どの「はし」なのか文脈がはっきりしないため発音が不安定になるのに対して、「はしを渡る」「はしで食べる」「道のはし」のような形で口に出せば、ちゃんと発音し分けられているらしいのである。そこで疑問になるのが、「はしを渡す」の場合に、自分が「橋を渡す」で発音しているのか、「箸を渡す」で発音しているのかなのだが、状況を思い浮かべながら発音すれば、ちゃんと発音し分けられているというのが畏友の評価であった。

 こんなのは、日本語の場合には「雨」と「飴」、「柿」と「牡蠣」(アクセントが違うかどうか自信がないけど)など枚挙に暇がない。人の名字でも、「久保田」と「窪田」、「葛西」と「笠井」ではアクセントが違うらしいし。特に前者は、大学時代の先輩にこの名字の人がいて、発音の違いを指摘されてもなかなか修正することができなかった。人名だと文脈で区別できないから当時は仕方がなかったのである。
 その後、国語学をかじった後に、「窪田」の「窪」が、「窪地」の「窪」であることに気づいて、「窪地」の「窪」に「田」をつけるように発音することで、区別して発音できるようになり先輩からも文句を言われなくなった。「葛西」と「笠井」も、漢字の切れ目、特に「笠井」の「笠」を意識して発音することで、区別できるようになったと思う。これは畏友にも発音を聞かせていないし、あくまで個人的な印象に過ぎないのだけど。

 そして、数年前にさらに厄介なアクセントの話を教えられた。それは、「東」「西」「南」「北」である。この四つの言葉は、方角を表す場合にも使えるし、人の名字としても使われる。どちらも名詞であることには変わりはないし、漢字も同じなのに、方角と名字とではアクセントが違うというのである。それまでそんなこと一度も意識したこともなかったので、半信半疑だったのだが、その人が発音し分けてみせたのを聞いて、確かに違っていることが理解できた。
 自分の発音でも「北に行く」と「北さんが行く」というときの「北」のアクセントが違っていることが確認できた。どう違っているかはよくわからないけど違っているのは確かだった。それは、他の方角でも同じで、日本語の発音というのは簡単な陽でおくが深いのだなあと日本人でありながら思わず嘆息してしまったのだが、驚きはそこでは終わらなかった。
 この話をしてくれた方の出身は東京なのだが、実は西日本では方角と名字のアクセントが逆になると言うのだ。その境界となるのが静岡県の真ん中ぐらいで、そこから西と東とで方角と名字が完全に入れ替わるのだそうだ。一度関西の人に発音してもらったことがあると思うのだけど、そのときちゃんと聞き分けられたかどうかの記憶がない。

 九州は西に入るはずなのだけど、個人的には西側のアクセントで方角と名字を聞くと違和感を感じてしまう。これはアクセント崩壊型といわれるアクセントが原則として存在しない方言で育っているため、耳で聞いてまねして覚えたアクセントがテレビで使われる、特にNHKで使われるアクセントだったということによるはずである。東京近辺でも北関東にアクセント崩壊型の方言が存在して、そんな人たちが江戸、東京に入っていったことも、現在の標準アクセントの成立に寄与しているはずだから、九州の人間にとっては、京都、大阪の関西風アクセントよりも、関東風のアクセントの方が親和性が高いのである。
 昔、実家に帰って中学、高校時代の同級生達と話をすると、「気取った話かたしやがって」と非難されたものだが、それは語彙の問題ではなくアクセントの問題だったのだろうと今にして思う。それも田舎にしばらくいれば、もとの田舎のアクセントに戻ってとやかく言われなくなっていたから、アクセント崩壊型の方言で育った人間のアクセントは周囲の人たちのアクセントの影響を受けやすいということもいえるのかもしれない。そういえば、オストラバで仕事をしてオロモウツに戻ってくると、自分のチェコ語のアクセントがオストラバ方言みたいに聞こえるような気がして頭を抱えたこともあったなあ。

 ちなみに日本語のアクセントを視覚化してくれるものとしては、OJADというものがある。視覚化だけでなく耳でも聞けるようにしてくれるから、興味のある人は覗いてみてほしい。
2018年4月18日24時。





NHK日本語発音アクセント新辞典








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チェコとスロヴァキアを知るための56章第2版 [ 薩摩秀登 ]



マサリクとチェコの精神 [ 石川達夫 ]





















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