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2018年04月26日
自転車漫画3(四月廿三日)
『アオバ自転車店へようこそ』の最後のほうの巻の巻末のあとがきで、著者の宮尾岳が、連載を始めたころは自転車漫画なんてほとんど存在しなかったのに、今ではいろいろな自転車をテーマにした作品が出てきて嬉しいというようなことを書いていた。確かに『アオバ自転車店』以前の作品では、『シャカリキ!』ぐらいしか知らないけれども、今ではそんなに多いのだろうか。多くなっているとすれば、自転車なんて漫画になりにくそうなテーマを取り上げて、毎回違った形で作品に仕上げてきた『アオバ自転車店』の影響だといってもいいのではなかろうか。いや、自転車ブーム、自転車通勤ブームなんてものにも影響を与えているような気もする。
考えてみれば、個人スポーツでありながらチームとしての役割分担があってチーム戦略もレースの結果を大きく左右するロードレースは、根性とか友情なんてのが好きな少年マンガには題材として向いているのかもしれない。ただ、その役割分担やらチーム戦略やらがかなりややこしくて、それをちゃんと理解した上で、作品に生かすのが難しいのだろう。その意味では『シャカリキ!』があの時期、90年代の前半に書かれたというのは、凄いことだったのだ。『アオバ自転車店』のほうは、自転車の楽しさを強調するのがテーマだからレースが出てきてもアマチュアのもので、一番大きいのは筑波サーキットでの耐久レースじゃなかったかな。
それはともかく、どんな自転車を題材にした漫画があるのか探してみることにした。舞台は最近お世話になっているhontoである。レンタでもよかったのだが、こっちだと読みたくなってパピレスのポイントを浪費してしまう恐れがあるので、クレジットカードで購入というちょっとハードルの高い、いや実は「ワンステップ購入」という罠が仕掛けられているようだが、罠だとわかっていれば落ちることはそうそうあるまい。
最初は、ロードレースチームになっていたりスポンサーを務めたりしていることで題名だけは知っていた『弱虫ペダル』から。『シャカリキ!』と同じで少年チャンピオンコミックスだった。現時点で55巻まで出ているようだけど、週刊の少年誌に連載された作品は大体一年に5巻前後の刊行であることを考えると、連載開始から10年を越えるところまできているのか。『アオバ自転車店』が20年弱で60巻ちょっとしか出ていないのも、少年誌に掲載された作品と比べると少なく感じられてしまう。
hontoに商品解説がないのは、誰でも知っているような有名作品だからだろうか。並んでいる表紙を見る限りロードレースをテーマにした作品のようである。最初のほうだけでも、現在のロードレース漫画を確認するために読んでみようか。何回も読む必要はないしレンタで48時間なら節約もできるしと考えて確認したら、48時間と無期限では100円分しか差がなかった。48時間は100か200だと思っていたのに……。
レンタには、少し長めのあらすじがついていて、主人公の名前が坂道というのは、少年マンガではよくあるパターンだからいいにしても、各巻のあらすじを読んでいると、きりよく読むのを止められそうなところがない。これは一度手を出したら抜け出せない蟻地獄のようなものだ。一年生のインターハイが終わるまでで30巻近く費やしているからなあ。悩むと読みたくなるから、次に移ろう。
hontoで「自転車」で検索して出てきたのが『南鎌倉高校女子自転車部』。女子高とはいえ、自転車部だからこれもロードレースがテーマになっているのだろう。一巻の表紙は、どう見ても所謂ママチャリだけどさ。二巻からは表紙にロードレーサーっぽのが現れるけど、こちらには付いているあらすじを読む限り、『シャカリキ!』や『弱虫ペダル』ほどロードレースに力を入れた漫画というわけではなさそうだ。舞台が鎌倉というのも、昔寺社や史跡を訪ねて鎌倉を歩き回ったこともあるし、魅力的なのだけど。現時点で10巻というのは、多いのか少ないのか、とりあえずこれも保留。
タイトルと表紙を見て、えっと思ってしまったのが、『かわうその自転車やさん』。自転車屋の店長がカワウソなのかね。あらすじを見ると店の常連さんたちとの交流が描かれているようだけど、登場人物がみんな動物になっているようだ。『アオバ自転車店』的な一話完結の話を積み上げていく形になっているようだから、読み始めても止めやすいとは言えそうなのだけど……。
問題は、登場人物の擬動物化で、アイデアとしてはわかるけど、カワウソみたいな四足で足の短い動物を自転車に乗せるのは無理がないのだろうか。その辺が漫画家の絵描きとしての腕の見せ所ということになるのだろうけど……。現時点で5巻という数の少なさも、魅力的ではあるのだけど、これも保留。
なんだか、次に読む自転車漫画を検討する内容になってきて、当初の目的からは逸脱しているような気もするけど、最近ネタもないし、次回も継続する。当初の予定ではこんなにたくさん自転車漫画ってあるんだねえという話で終わるはずだったのである。本読みとしては、本を発見した以上、内容を確認して読むか読まざるか検討してしまうのが性というものである。
2014年4月23日23時。