2021年01月18日
4格を取る前置詞3(正月十五日)
ハンドボールの世界選手権の話が長くなって、実は今日も日本がクロアチアに勝ったら、ハンドボールにしようかとも思ったのだけど、終了直前に追いつかれて引き分けに終わったので、当初の予定通りチェコ語に戻ることにする。前半の前半しか見られなかったから、大センザツェにはならない引き分けぐらいだとかけることも多くないのである。
ということで、承前。
D動作の対象を表す前置詞
この中には、個別に取り上げた「pro」も入ると思うのだが、いくつかある前置詞の個々の意味の違いは全く判然としない。どの前置詞を使うかは動詞によって決まるとしか言いようがなく、動詞を覚える際に組み合わせるべき前置詞も覚えなければならない。
まずは「na + 4格」をとる動詞から。
・čekat(待つ)
待つ対象を「na + 4格」で示すのだが、それを知らないと前置詞なしの4格にしてしまいそうである。ややこしいのは人間が主語で、誰かや何かを待つ場合には、前置詞の「na」が必要なのに、逆に、何か、特にイベントの類が人間を待つという場合には、前置詞なしの4格で済む点である。「Čeká mě těžká zkouška(難しい試験が私を待っている)」などと使うのだが、日本風の言い方をするなら、「私は難しい試験を控えている」とでもなるだろうか。
・dívat se(見る)
これも4格でよさそうだが、前置詞「na」が必要になる。同じように「見る」と訳せる「vidět」のほうは前置詞なしの4格である。この二つの動詞の区別は、意識して見ようとして見るのが、「dívat se」で、自然と目に入ってくるのを見るのが「vidět」だという。人によっては「vidět」は日本語の「見える」に対応するともいうのだけど、「見える」に対応するのは「je vidět」という使い方で、「vidět」自体は「見る」と「見える」の中間的な存在だと考えている。
・zeptat se(質問する)
質問する相手は2格で表すが、何を質問するのかは、「na + 4格」で示す。チェコに来たばかりのころは、これを使って、「Mohl bych se vás na něco zeptat?(ちょっと質問してもいいですか)」とあちこちで質問していた。もちろん「Mám otázku(質問があります)」なんて簡単な言い方も使ったけれども、見ず知らずの人に使うには直接的過ぎるので、師匠との授業中とか、知り合いに質問するのに使っていた。師匠に丁寧な言い方で質問を求めると、嫌がられたのでこんな言い方も使う必要があったのである。「Mám na tebe otázku」なんていうこともあったから、ここでも「na + 4格」がでてきた。
・myslet(考える)
普通に何活にいて考えるという場合には、「o + 6格」でいいのだが、誰かのことを考える場合には、「na + 4格」を取る。「na + 4格」は人じゃなくてもいいかもしれないし、人の場合でも「o + 6格」を使えるような気もする。つまり区別がよくわからないということなのだが、自分では最初に書いたように使い分けをしている。
延々と動詞をいくつも並べていっても仕方がないので、これぐらいにしておくが、「jít + na + 4格」も、この動作の対象を表すものに入れてよさそうである。
最後に「na + 4格」を使った覚えておくと便利な表現を紹介して、またまた無駄になったこの記事を終わらせよう。動詞「mít」と組み合わせて、その能力があるかどうかを表すことができる。普通は「Nemá na to」という形で、話題にされている仕事や課題を達成するだけの力がないことをいう。サッカーの試合の中継のときにボサーク師匠がある外国人選手について、「Na českou ligu nemá(チェコリーグでプレーするレベルにない)」とかなんとか言っていたのも覚えているが、この表現の意味を知らなかったときには、何のことやらさっぱりわからなかった。
次は「za + 4格」の予定である。
2021年1月16日22時30分。
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