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2021年02月13日

五格の使い方(二月十日)



 チェコ語の名詞、形容詞には7つの格があるわけだが、その中で最も使う機会が少なく、覚えていなくても問題ないものと言えば五格、言語学の専門用語的に言えば呼格である。文字通り呼びかけのときに使う格なのだが、1格で代用しても問題ないし、中性名詞や、複数形の場合には1格と共通の形をとるから、どちらを使っているのか気にする必要もない。
 チェコ語に一番似ているとされるスロバキア語には存在しない格だし、ポーランドやロシアなどの伝統的なスラブ語学の世界では、呼格は、五番目ではなく最後の七番目に置くことになっているらしい。使う機会が一番少ないから最後に持って行くというのはわからなくはない。ではチェコ語ではなぜ5番目なのかというと、明確な答えは返ってこない。これが伝統的なチェコ語の考え方であるらしい。

 とはいえ、まったく使わないというわけではないので、五格を使う際に絶対に覚えておくべきことは二つ。子音で終わる男性名詞の場合には、原則として語尾に「e」をつけることと、男性名詞であれ女性名詞であれ「a」で終わる名詞の五格の語尾は「o」になることぐらいである。軟子音で終わる男性名詞の中には、「i」が出てくるものもあるし、「k」で終わるものは語尾に「u」を付けるなんて例外もあるけれども、間違えても仕方がないし、慣れれば何となく使えるようになる。

 この五格がもっとも頻繁に使われるのは、実は人を呼ぶときではなく、「牛(vůl)」の五格である。以前「牛の話」に書いたように、意味のない間投詞的に、特に若い人たちの話し言葉の中に頻繁に登場するし、驚きを表すときには、人称代名詞のと組み合わせて「ty vole」という形で使われる。
 ほかにも怒りや驚きを表す感動詞的な言葉は、五格で使われることが多く、「ty Brďo(Brďaが何を指すかは知らない)」や、「Kristova noho(キリストの足)」、「pane Bože(神よ)」なんてのもよく使われる。ただし、この手の表現で最もよく使われる「Ježíš Mária」は、五格にはしない。しかし、これにイエス、マリアと来ればということで、ヨゼフを付け加えると、「Ježíš Mária Josefe」とヨゼフだけ五格になるのである。もちろん、五格にしないこの手のののしりの言葉は他にもあるのだけど、こういうところに書くのにふさわしい言葉ではないので省略する。

 さて、最近のチェコ語では、本来の五格とは違う呼びかけの形が使われている。特に女性の二音節からなる「a」で終わる名前によく見られるのだが、呼びかけの際に「o」ではなく、「i」(「y」かもしれないない)で終わる形を使うことが増えているのである。例えば「Jana」呼ぶときに、「Jano」ではなく、「Jani」と呼ぶのである。ちょっと長い名前でも、「Tereza」が「Teri」と呼ばれるのを聞いたことがある。
 師匠に質問したら、あだ名とも言える指小形を短縮したものだという答が返ってきた。つまり「Jana」なら、「Janička」の最初の部分だけを呼びかけに使っていると解釈するらしい。それは「maminka」を「mami」と呼んだり、「babička」を「babi」と呼んだりするのにつながるという。男性名詞でも「tatínek」を「tati」と呼ぶから、指小形の短縮形と考えるのも間違いではなさそうだけど、ここは、女性名詞に新たな五格の形が生まれつつあるといいたくなるなあ。すべての女性の名前に適用できるのかどうかはわからないのだけど。
 短いけれども、五格に関してたれられる薀蓄はこの程度しかないのである。
2021年2月11日23時。










タグ:五格
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