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2021年02月14日

非常事態宣言の終わり(二月十一日)



 去年の秋に再度宣言が出されてから、いつ終わるともなく延長が繰り返されてきた非常事態宣言がようやく今度の週末に終了することが決まった。これは感染状況が改善したことが理由での解除ではなく、下院の審議で、政府の提案した非常事態宣言の延長案が事前の予想通り否決されたことによる。これまでは、政府与党に加えて、共産党が多少の政治的な要求を飲ませるのと引き換えに賛成に周ることで延長されてきたのだが、共産党までが支持を拒否したのである。その結果、下院に過半数を持たない政府の延長案は否決され、現在の非常事態宣言の期限が切れると同時に、解除ということになった。

 ただし、これが野党側が非常事態宣言を不要だと考えていたということにはならない。不要だと主張しているのはオカムラ党だけで、ほかの野党は非常事態宣言の有用性は認めつつ政府の行っている対策では効果が出ていないから、自分たちの立てた対策を取り入れるように求めていた。当然、政府にとって都合の悪い部分のある野党側の提案を政府が議論の俎上に上げるわけがなく、話し合いは話し合いにならず、非常事態宣言の延長は否決された。野党に所属する各地方の知事からも非常事態宣言の継続を求める声が上がっていたのだが、中央での政局が優先されて、与党も野党も妥協に走らなかったのである。

 政府は非常事態宣言が解除されると、あれもこれもできなくなると主張しているのに対して、野党側は逆に非常事態宣言がなくても、あれもこれも既存の法律に基づいて規制できると主張していたから、解除されても完全に規制がなくなるということはないようだが、全国的な一律の規制は難しくなり、どの規制が継続し、どの規制が解除されるのか判然とせず、解除後に地方単位で出される規制もありそうだから、混乱を極めるに違いない。
 それでも、あえて言うと、オカムラ党の主張に賛同したくはないのだが、ここで非常事態宣言が解除されるのは悪いことではない。チェコの政治家は、春にはチェコ人の間に存在したモラルが消えてしまった結果、規制を守らない人が増えていると主張して、守らない人を批判しているが、その原因が政府にあることは無視している。何よりも、どうなれば規制が解除されるのか、非常事態宣言が解除されるのか基準がまったく示されなかったのが最悪である。

 いや、犬システムが導入された当初はよかったのだ。この数字がよくなれば規制が緩和されるという目標があったのだから。それがクリスマス商戦に向けて規制を緩和して営業の再開を許可した後、数字が悪化し始めてからも規制の強化を先送りしたあたりから、おかしくなった。その反動のように、数字が改善されても規制の緩和は行われず、何をしてもしなくても規制は変わらないという絶望感を人々に与え、規制を無視する人が増えたのである。
 去年の春は危険を声高に訴えて規制を守ることを主張していた知人が、規制の例外となっている出張と称して家族旅行に出かけて観光地のペンションに宿泊していたのがその辺の事情を如実に物語っている。そういう人が増えた結果、宿泊施設側が宿泊客に出張である証明書をもとめる義務が追加されることになった。

 正直な話、非常事態宣言があろうがなかろうが、規制があろうがなかろうが、守る人は守るし、守らない人は守らないのが今のチェコの現状である。自分で守れる範囲で守っている人が多いという方が適切か。だから、非常事態宣言が解除されて、一部の規制が解除されたとしても、人々の行動には大きな変化は出ず、政府が主張するような感染の爆発的な拡大にはつながらないだろう。レストランやお店が営業再開したとしても、客が押し寄せるなんてことにはならないだろうし。

 非常事態宣言が解除されることで変わるのは、行動よりも精神的なもので、これまでの先が見えない閉塞感や圧迫感が多少は消えて、例年と比べて大きく増えているらしい家庭内暴力も減るのではないかと思う。この辺の規制強化による悪影響というのは、日本と同様チェコでもあまり大声では話題にされないのだが、さすがにデータが漏れてくるようになった。
 命や健康が一番大切というのはその通りだとしても、規制によって失われる命や健康があることも忘れてはなるまい。病気で死者が増えるのと、家庭内暴力や経済的困窮から自殺者が増えるのと、どちらが政府の責任が大きいかと言えば、後者だと思うのだけど、話題性に欠けるのか取り上げられることは少ない。

 非常事態宣言が解除されても、これまでの自分の生活を変えるつもりはないけれども、気分は楽になるだろうから、ちょっとだけ健康にはなれそうである。
2021年2月12日23時。









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