しばらく新型クラウン関係とレクサスを交えた比較記事をアップさせていだく予定です。
今回は、新型クラウンの価格を元に、レクサスに与える影響をざっと計算してみたいと思います。
新型クラウンに関しては、「MOPナビ/DCM/先進安全装備」がほとんどのグレードで標準化されているため、車両価格が現行モデルより上昇しておりますが、客観的に見て「割安」と感じます。
特に「3.5Lマルチステージハイブリッド」モデルの価格は”衝撃”であり、従来のレクサス車の価格設定体系がおかしくなってしまうほどといっても過言ではないでしょう。
一番価格比較がし易い、スポーツグレードの 「
RS Advance」で比較してみたいと思います。
若干パワートレーンで装備が変わりますが、大きな差はありません。
おさらいしますと、新型クラウン【RS Advance】グレードの予定価格は以下の通り。
< >内は、2.0Lターボエンジンからの価格差です。
2.5Lハイブリッドは2.0Lターボエンジンモデルからわずか20万円程度のアップ。実際は自動車取得税等の減税があるので、ほぼ同価格になるようです。また、3.5Lモデルは2.5Lハイブリッドから「約110万円」であり、アップ幅は一見大きいように感じますが・・・
■3.5Lマルチステージハイブリッド…6,906,600円 <
+1,312,200円>
■2.5Lハイブリッド(FR) …5,799,600円 <
+205,200円>
■2.0Lターボエンジン …5,594,400円
まずは、ほぼ同クラスのFRセダン、レクサス「GS」で比較してみます。
3.5Lハイブリッドシステムを搭載する「GS450h」は高価な「LDH」(約21.6万円相当)や高性能ブレーキシステムが付きますが、それを考慮しても、ターボエンジンモデルとは、「約150万超」の価格差がなされています。
■GS450h F SPORT …8,463,000円<
+1,864,000円>
■GS300h F SPORT …6,982,000円<
+383,000円>
■GS300 F SPORT …6,599,000円
次に、フラッグシップセダンレクサス「LS」で比較してみます。
3.5Lマルチステージハイブリッドと、3.5Lツインターボエンジンの価格差は「約110万円」ですが、LS500 F SPORT(FR)には高価なアクティブスタビライザー(約30万円相当)が付くので実質的にはツインターボエンジンモデルとは、「約140万円」の価格差となっています。
■LS500h F SPORT(FR)…13,100,000円<
+1,100,000円>
■LS500 F SPORT(FR)…12,000,000円
さて、以上の比較から・・・
【新型クラウン 売れ筋の 2.5Lハイブリッドについて】
2.0Lターボエンジン(GS300)と2.5Lハイブリッド(GS300h)の価格差は「
約38万円」です。
2.0Lターボエンジン(新型クラウン)と2.5Lハイブリッド(新型クラウン)の価格差は「
約20.5万円」です。
新型クラウンの2.5LハイブリッドはGSに使用されているものより更に進化した新型です。
それにもかかわらず、ターボエンジンとの価格差が縮小していますから、間違いなく
「お得」といえるでしょう。
また、前述のとおり、”自動車取得税”の関係で、ハイブリッドとターボエンジンの価格差は無視できます。
新型の2.5Lハイブリッドシステムは、”新型カムリ”でもかなり出来が良いことが証明されていますので、よほどハイブリッド嫌いの方でない限り、2.5Lハイブリッドが選択されると思われます。
【新型クラウン 3.5Lマルチステージハイブリッドについて】
3.5Lハイブリッド(GS450h)と2.0Lターボエンジン(GS300)の価格差は装備差を補正すると「約150万円」です。
つまり、旧世代のハイブリッドシステムでも、「3.5Lハイブリッドシステム」は高価な設定になっています。
3.5Lマルチステージハイブリッド(LS500h)と3.5Lツインターボエンジン(LS500)の価格差は装備差を補正すると「約140万円」です。
つまり、同じ排気量のエンジンでも「マルチステージハイブリッド」は非常に高価な設定となっています。
さて、では「3.5Lマルチステージハイブリッド」と、「2.0Lターボエンジン」の価格差は一体どれぐらいなのでしょう?
次の通りざっとシミュレーションしてみました。
LSには「2.0Lターボ」モデルは存在しませんが、レクサスGSで考えると、「GS300」(2.0Lターボ)と「GS350」(3.5L NAエンジン)の価格差は「
約66万円」です。
これが「3.5ツインターボ」との比較であれば更に価格差は広がる(+20万〜+30万程度?)と考えるのが自然ですので、2.0Lターボエンジンと3.5Lツインターボエンジンの価格差を販売価格に反映すると仮定すると、少なくとも「
約90万円程度」はあると考えて良いでしょう。
つまり、仮にLSに「2.0Lターボ」モデル(LS300)が存在するならば、LS500よりも少なくとも「約90万円安」、LS500hより少なくとも「約230万円安(140万+90万)」に設定されなければつじつまがあいません。
しかし、前述のとおり、新型クラウンの3.5Lマルチステージハイブリッドは、2.0Lターボに比べ、わずか「
約131万円」の上昇となっています。
新型LSとGSから推定すると、3.5Lマルチステージハイブリッドと2.0Lターボの価格差シミュレーションは前述のとおり、「
約230万円」ですから、新型クラウンの3.5Lモデルは、「
約100万円は安価」と考えることができます。
これは、”バーゲンプライス”といって差し支えないと思います。
また、新型LCと比べると更に恐ろしい計算になります。(考えたくもない?)
新型LCでは、「LC500h」(5L NA)とLC500(3.5Lマルチステージハイブリッド)の価格差は「
約50万円」LC500hの方が高価に設定されています。
日本だけがこのような価格ではなく、欧米、欧州でもマルチステージハイブリッドのLC500hが高価に設定されています。
ということで皆さまご想像のとおり・・・
仮に、新型クラウンに「LC500」と同じ「
V8 5000cc エンジン10速AT」を搭載するとなると、新型クラウンのハイパフォーマンスモデル(仮に「GR」と表記)の車両本体価格は以下のような価格になってしまいます。(3.5Lマルチステージハイブリッドモデルから一律50万円安の設定)
【仮】クラウン「GR」Advance … 6,506,600円
【仮】クラウン「GR」Exccutive … 6,687,400円
【仮】クラウン「GR」S … 5,737,000円
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ではもし仮に新型クラウンにLS500と同じ「3.5Lツインターボエンジン」を搭載すると・・・
やめておきましょう。この時点で「価格設定が崩壊」します(3.5Lマルチステージハイブリッドから「約140万円」を差し引くと、クラウン2.0L
ターボエンジンモデルより安くなってしまう・・・)。
というように、”新型クラウン”の登場で今まである程度納得感?があったレクサス各モデルの価格差がおかしなことに・・・
もともとクラウンやマークXでは3.5LNAエンジンと2.5LNAエンジンとの価格差がそれほど大きくありませんでしたし、レクサスは欧州車のように「排気量による価格差」が大きく設定されているのは事実ですが、今回の新型クラウンは、レクサスLS・LCとパワートレーンやプラットフォームを共有化しているため同じ土俵で比較することも可能と思います。
(実際はこんなに単純ではないと思いますが、少なくとも「LS500h」と「LC500h」の3.5Lマルチステージハイブリッドモデルの価格設定が割高に感じてしまうのは私だけではないでしょう。。。)
ということで、新型クラウンの「3.5Lマルチステージハイブリッドモデル」は”バーゲンプライス”といって差し支えないのではないでしょうか。