概要説明は「かいきみなづき 半」のレビュー感想と重複するため割愛し、感想を書く
未プレイの人は前シリーズ「はざまたそがれ」からのプレイをおすすめ
クリアまで8時間のボリュームだが一話10分で終わるためテンポが良く、他に類を見ないグラフィック表現の良作だ(このブログでグラフィック評価点満点の、数少ないフリゲ)
だが「かいきみなづき」は「はざまたそがれ」の前日譚と思われるので、本作から先にプレイするのもアリかもしれない(まだ未完ではあるが)
つまり、「どちらもおすすめ」ということだ
▼やはりテキストを使った演出がすげぇ!
「頬に、涙が伝う…」というテキストから本当に涙が流れたことにも驚いたが、一番斬新なのは剣でテキストウィンドウを斬りさく演出。
こいつぁたまげたぜ
エンジンはnscripterだが、この手のアイディアは作者が出してるのだろうか。余りの発想力の高さに驚く
▼作風はまったくブレてないが、お色気成分とギャグ要素が増した
女性キャラはみんな相変わらず可愛いね
最近はホラーといいながら萌え絵の作品が多いので、ホラーテイストのキャラクターデザインでありながら、可愛さも両立してることが何気に凄い
同一人物とは思えないほど顔が変わる
▼このシリーズはギャグも面白いのだが、ホラーの合間に入ることで効果的な演出を生んでるんだよな。緩急が完璧だ
梅おにぎりがなくてしかめっつらをするみつには、爆笑した
おまけシナリオの脱力系ギャグも最高だ。「なろう」を皮肉ったのだろうか
▼「かいきみなづき」と「はざまたそがれ」の決定的な違いとして、「かいきみなづき」にはバトルが無いのだが、今回は敵の脅威に立ち向かう主人公を含め、3回ものバトルがあり、これがまた手に汗握る緊張感と面白さだ
というか、「俺が読みたかったのはこれだよ!」とすら思った
圧倒的な強さを見せつけるみつも格好よかったが、意外や意外、一番面白いのはおまけシナリオだ
勇者にしか掴めない剣を切断した手首ごと掴むとか、まさに「はざまたそがれ」さながらの頭脳プレーではないか。西尾維新が考えそうなほど奇知がある
これが読みたかった。
おまけシナリオって、実は本編より前作ファンが楽しめる内容かもしれない
あんなにふざけてるのに
▼もうひとつ「かいきみなづき」が「はざまたそがれ」と大きく違うポイントとして、どちらも友情をテーマにした作品でありながら、他人からはじまり腹の探り合いをした「はざまたそがれ」と違い、「かいきみなづき」では主人公が最初から仲間たちを愛しているんだけれど、まあこの切なさが凄かったね
大好きだけど、好きになっちゃいけない。
そばにいたいけど、友達になれない。
玲子は仲間を頼りたいが、彼女たちを想うがゆえに、それは出来ない…
望まぬすれ違いと、悲しい軋轢…
そんな玲子を信じ、すべてを優しく包み込むみつには、思わず胸を締め付けられちゃったよ
一茶(玲子の相手役っぽい)も天邪鬼だけど、玲子をしっかり信じてるんだよねえ…
…そして…
そんな愛すべき仲間たちの末路が、唯一「はざまたそがれ」に登場する、あいあいの夢で語られるのがね…
一四話までプレイし、私はキャラクターたちに、すっかり感情移入してしまったよ
彼女らがどうなるのか、最後まで目が離せない
評価はA+ 80点くらいかな
次で完結予定らしい。
実に楽しみだが、怖くもある。不思議な気分だ
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