▼定期的に書く、居酒屋的、駄弁りコラム
「2021年上半期おすすめフリーゲームランキングベスト5と、良作まとめ」でちょうど名作ベストが10本になった。いい機会なので、思い出と一緒に振り返りたい
今現在から見てどうか?当時は面白くても、評価は変わっちゃった?過剰評価だった?などの点にも触れたい
ネタバレあり
▼サイドバー(スマホ版は画面下)の「おすすめ名作フリーゲーム」には、このようにある
1. 死月妖花
2. 夜底奇劇
3. 夏ゆめ彼方
4. ほろびのゆりかご
5. 鼓草
6. 怨溺
7. 籠の街
8. かわいいは壊せる
9. AlexiA ~アレクシア~
10. Human killing
半年ごとに選出した名作を、更にランキングにしている。よくある「マイベスト」だね
他人から見た場合、序列はないでしょう
全部名作ですレビュースコアは以前紹介したスコアシートで細かく審査しているが、このランキングは、
「なんとなく、好き順かも?」という、だいぶフワっとしたものです。厳密にする必要もないしね
いきなり答えを出しちゃうと、私は「どの時代に遊んでも面白いゲーム」を「名作」としているので、いま遊んでつまらないなんてことは当然ない。全部そう断言して「名作」と呼んでいるので、当たり前のこと
…というわけで10本の名作を、時系列ごとに振り返る
▼まず2017年上半期……
トランプが大統領就任
あの頃は、世界中がアメリカ大統領選挙一色だった
そして
何の価値もない大賞は、ここから始まった!ともいえる初代グランプリ「籠の街」…
いやあ…これはね…このブログで最初の「名作」だったか
一目見た時から、びびっときたんだよ。だってほら、絵が好みだから
私はキャラクターが現実離れした髪色をしていたり、目が痛くなる塗りがされた絵は嫌いなので(でも昔はうるし原が好きだった)、このようなマイルドな絵柄のゲームは、「とりあえずダウンロード」しちゃう
…そして、出来栄えは直感を大きく上回ったね。ストーリー構成や伏線の丁寧さ、スタッフロールからタイトル画面までの流れは、全フリゲでも格別の出来
▼2017年下半期…
眞子様が小室圭さんと婚約を発表
誰もが、「誰これ?」と思った
そしていまだに、「誰これ?」と思っている「夏ゆめ彼方」はなあ……
へたくそな将棋を指せるだけで将棋の知識はないが、直感的に面白そうだと思ったな
たぶん好きな季節である夏がテーマだからだろう。
インドアの将棋なのに夏?なんか青春っぽい!とか思った記憶がある
実際にはテーマ性は夏ではなく「夢」のほうで、今でも面白いどころか、むしろ大人になればなるほど、味わいを増す名作じゃないか。
主人公が小学生からスタートするストーリーも、最終章ではおじさんになるので、年齢が近づけば近づくほど、感情移入できるかもしれない
▼2018年上半期…
イチローがマリナーズに復帰した。今も輝くレジェンド
「ほろびのゆりかご」は1/4が配信日(「配信日」って「排卵日」に似てるな)なので、正月三が日が終わり、少しだらけたところでプレイしたな…
しかし戦慄すべきハードなゲームで、フリーゲームによって正月気分が吹き飛んだ。
正月からグロ死体!?ってなものだ
感情移入バリバリしたね
あの時の俺は、ホタローと一緒にゆりかごにいたよ
カロンは面白いゲームを沢山作ったが、今でもナンバーワンだね
▼2018年下半期…
ゴーン逮捕
「世界中に衝撃が駆け巡った」、という奴だ
「夜底奇劇」も絵がタイプだった。
とにかくストーリーと演出が素晴らしい。
「ゲームの燃える展開」を全部やってる感じだ
2つの世界に主人公が2人いて、最後は相いれない2人がぶつかる…
復讐の果てには何があるのか?なんてのもテーマになってる気がするが、
フリーRPGでは3本の指に入る名作だね
▼2019年上半期…
イチロー引退…寂しいが退き際の美学を感じた
「死月妖花」……このブログで最高評価をした名作。超名作か?
転職したばかりで忙しかったが、少しずつプレイして、クリアに数か月かかった
大変だが、それだけに価値あるゲーム体験ができた
そう、数か月だ…
とにかく凄まじいボリューム。それに尽きる。それでいて使い回しや手抜きが一切ないので、だれない。だれない工夫が随所にされている
同一シーンの別キャラ視点になっても、同じテキストはほとんどない
構成も見事だった。多くのキャラクターが登場するが、物理的にありえない地点にありえないキャラクターがいる、というようなミスもなかったように思う。(このようなゲームでは、たびたびキャラクターがワープする)
作者はタイムテーブルを作成していたのかもしれない
私はこのゲームのレビューで、1つ、
あえて主張とは矛盾したことを書いた「フリーゲームはどんどん面白くなっている」にも関わらず、
「これを超える名作は現れない」だ
黎明期は習作ばかりだったフリゲも、今ではプロ顔負け、フリゲとは思えないと言われるゲームがたまに出てくる
ならば、いつかは「死月」を超えるゲームも現れると見るべきだろう。なのに、なぜ、そう主張しないのか
それは、「死月」には今現在、唯一無二といえるオリジナリティがあるから本作ではメタフィクションを採用しており、プレイヤーと主人公が全く別の人間として扱われている
膨大な情報量を孕んだゲームでありながら、
実は序盤からストーリーの全貌が「プレイヤーには」示唆されているプレイヤーはそれらの情報を組み立て、真相を推理する。やがて終盤に差し掛かる時、登場人物はプレイヤーの推理に追いつく…
そして交差する、2つの推理…
この瞬間パズルのピースがハマる快感と構成が、唯一無二だそもそもメタフィクションを使ったゲームがほとんどないし、さらにはプレイヤーが膨大な情報から気になるポイントを選択し真相を推理するゲームは稀なので、この唯一無二のオリジナリティやゲーム体験は、どれだけグラフィックが綺麗になろうが、PS5並のムービーを流そうが、プロの声優を起用しようが、味わえないでしょ
10年くらいじゃ
「新発想」は出てこないぞと
ゲームは「クリエイト」するもので、制作者は「クリエイター」だとわかる
▼2019年下半期…
小泉進次郎と滝川クリステルが結婚
まあどうでもいい
「アレクシア」はヤンデレイラストを公開しているサークルのゲームだが、イラストのほうが有名じゃないかな
エンディングのオリジナル曲は、今でもたまに聴いている
▼2020年上半期…
マッキー逮捕
「もうシャブなんてしない」という替え歌が冗談ではなくなった
「Human killing」は画面中に仕掛けられたトリックが非常に面白い
実はこのブログでは、2本だけ評価を変更したフリゲがある。これはその1本で、上方修正した
理由は、「この部分、面白いけど唐突だなあ」という箇所に、実は伏線があったからだ。私はそれを見逃していた
同じ意見が多かったのか(私は書いていないが)、作者が伏線があると補足していた
実に手の込んだゲームだ
▼2020年下半期…
亡くなった芸能人がとても多かった
「鼓草」もびびっときた系。私はこの直感を外したことが無い
「人間の書き方が上手い」、「まるで本当にその時代に生きていたかのようだ」。そんな風に思った
脚本的には「人間の感情の機微や繊細さをよく書けている」という評価だが、実はそれだけではない
ゲーム的には「現実的な人間の書き方がうまい」という意味もある
乙女ゲーにはだいたい
跡部様みたいな人が出てくるのだが、「鼓草」にはそれがいない。誰もがとても、人間くさい
そこに惹かれた
「鼓草」をクリアした後、明治大正昭和を舞台にした乙女ゲーを改めてやってみたが、
やっぱり跡部様が一杯いた
「怨溺」……
…前作「斧鬼」が面白かったからコケることはないと思ったが、比較にならないほどよくなってた
特に水の音を使った恐怖演出が斬新
▼十傑といいつつ最近過ぎる2021年は飛ばして…ざっとこんな感じかなぁ。
数年くらいじゃ全くブランクにならないし、10年後その時代の人がプレイしても、絶対に面白い自信がある
お前が作ったんじゃねーだろ…思い返すと、「びびっと来た系」が多いな
この直感は今後も大事にしたい
▼「雨夜の山荘で君は惑う」クリア。非常に面白かった。
ネタバレ無しで軽く感想
ヒロインの活躍で犯人を撃退するのも同じだし、随所に「かまいたちの夜」のエッセンスがあり、古き良き王道サスペンスとして面白かった
作者はまだ若いようだが、レトロゲーム風だ
事件解決エンディングも古典的で、「被害者を最小限に抑える」と、
「大量の被害者を出しつつも、最後になんとか事件を解決する」の2つがある
普通に考えれば前者がベストエンドなのだが、
このゲームの面白いところは大量に殺人が行われた後者がTRUE END(ED@)である点だ実際のところ…すぐにストーリーが終わってしまうよりも、謎の殺人者によって次々と登場人物が殺されていくほうが、やはり盛り上がる。ヒロインとの絡みも多い
私は本作を、推理ゲームというよりは、スリラーサスペンスとして評価しているなかなかに怖いし、緊張感があった。文章も読ませる
ちなみにトリックはなんとなくパターンで読めたが、犯人はわからなかった。
最後は総当たりで解決。