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2019年11月18日
「地獄少女」見てきました
個人的にはアニメ版であれ「地獄少女」をあまり高く評価していませんでしたので、この映画を見に行く気はありなかったんですが、時間が合ったの…程度で決めましたがちょっとビックリ。「累 かさね」の時に近い驚き。

いわゆるアニメを実写化ですが、正直なところ予想をはるかに上回る出来でした。アニメ版に対する印象と言えば、「救いがない」話ばかりで少々パターン化された作品で、続けて見ると若干食傷気味になるかな?って程度でしたが、映画だからこそこれが払しょくできた可能性はあるものの上手く昇華されていました。





午前零時に「地獄通信」なるサイトに接続し、呪いたい相手の名前を入力すると相手を地獄に堕とすことができる…という都市伝説。もちろん当時は手段は違ったものの、今から50年近く前に地獄通信を使い復讐を行った母親の話を元に都市伝説の真相を探るフリーライター工藤。

一方で学校になじめず、カリスマミュージシャンの魔鬼に心酔する高校生、市川美保はライブで南條遥と出会い意気投合。一緒に行ったライブで女性ボーカリスト御厨早苗が暴漢に襲われた辺りから彼等が徐々に地獄通信と関わりあっていく。

それでは恒例の【感想:Start】〜【感想:End】にはいります。この間にネタバレの可能性がありますのでご注意を。

【感想:Start】

まずかなり失礼な書き方をしますが、キャストを見る限りちょっと…って感じになりましたが、逆にシリーズ化も可能な感じがしました。ちょっと「一目連」の活躍が少なかったので評価が難しいのですが、彼等一味のキャラクターが良く合っていました。特に輪入道の麿赤兒さんは秀逸でした(笑)。あと美保役の森七菜さんの演技が良かったなぁ。

さてストーリーですが、いちおうテレビでも放映されていたアニメですので「地獄少女」の基本的なルールは周知として書きます。(ちょっと不穏な話ではありますが)心底人を恨んだ人間であれば多分「地獄通信」は利用しないでしょうねぇ。こっちが完全な被害者なのに何で相手と同じ地獄に堕ちなきゃいけないの?って。

それを考えると一気に高まった恨みや復讐に駈られた人間の思慮の浅さがとても良く表現されていました。1965年のエピソードを除くと、映画の中で最初に「地獄通信」を使うのが御厨早苗。暴漢に襲われ顔に醜い傷が残ってしまい、その上犯人からの謝罪文と見せかけた犯行声明とも挑発ともとれる手紙に逆上し、契約を結んでしまいます。冷静に考えれば顔を傷つけられてもボーカルとして復活して見せることが最高の復讐であることがそのの手紙からも分かるんですが。

そして美保が地獄通信を使うのかどうかがちょっと読めなかったんですが、彼女にしてもこの先の人生で赤い糸を解いたことを死ぬほど後悔する事でしょう。それを考えるとこの物語の「勧善懲悪」の部分で言うと「懲悪」に相当するのは復讐する側も含まれていることを言ってるんでしょうねぇ。

個人的には「復讐は何も生まない」なんて綺麗ごとは言いませんし、「復讐は達成と同時に安寧を生む」と信じているので、復讐後に安寧が得られない地獄通信は…やっぱり逆上した人間の選択肢なんでしょう。そう考えると地獄少女の閻魔あいが猶予を与えているってのがけっこう良心的だなぁ。

まぁ、何にせよ一話完結のスタイルを考えると続編を期待してしまいますが、この映画がどこまで評価されるかにかかってる。私は傑作に近い映画だと思うんですが。

【感想:End】

最後に。この映画の監督は白石晃士という方で「不能犯」はいま一つでしたがちょっと気になってきた。(奇しくもこの映画の紹介の時に「地獄少女」って言葉が出てきてる(笑))

これから年末に向けて冬休み映画、クリスマス映画、年末年始の映画ってラッシュが続くんでいつまで上映されるかなぁ。




地獄少女|映画情報のぴあ映画生活



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