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2012年05月14日
「ロボット」見てきました
 かつて「インドのやりすぎ映画」として紹介した話題の「ロボット」を見てきましたが…本当に申し訳ありません。この映画、おバカ映画でもなんでもなく、むしろ名作の一本に近い作品だと思います。(後で説明しますが、手塚治虫世代でもありますんでそう感じるのかも)



 この映画の中には「人の負の心も再現せねば、ロボットは人間に近付けない」とのニュアンスのセリフが出てくるアトムにあるテーマや「知能を持つことが本当に幸せだったのか…」と言いながら滅びるナメクジのセリフのある火の鳥などを思い出しました。(あと、ついでに言えば『ピノキオは人間になりました。メデタシメデタシ。…だが、ピノキオは人間になって本当に幸せになれたのだろうか…?』とのセリフがラストにあるキカイダーも)

 それでは恒例の【感想:Start】〜【感想:End】に。この間にネタバレがありますんでご注意を。

【感想:Start】

 正直、この映画をコメディ感覚で見に行きましたが、これはこの映画に対する冒涜と言っても過言ではありません。YouTubeで見た“やりすぎ”映像は、この映画のトンデモないところだけを掻い摘んだようなもので、本当にマジメな映画です。

 ロボットを人間に近づける。その時に発生する矛盾やジレンマがこの映画で見事に描かれています。

 天才工学者バシー博士は自身の作ったロボットのチッティを軍事利用(こう言い切ってしまうのがインド映画の潔さ(笑))のために研究成果を発表するが、バシー博士の恩師でありながら彼の能力に嫉妬するボーラ博士により審査を落とされる。感情を持たず、単に命令に従うしかないロボットは危険だと。

 しかし、審査の帰りに出くわした火災現場で「命令に従う」チッティは大活躍をする。これで挽回できると意気の上がるバシーだが、チッティの命令にのみ従う行動が悲劇を生んでしまう。(ここの描写、そこそこエグい)

 審査に通ることを目指し、先の悲劇をくり返さぬようチッティに感情を教え込むバシー。しかし、感情を持ったが故にバシーの恋人を愛し、殺人を前提とした軍の試験も拒否してしまうチッティ。怒りに駆られたバシーはチッティを破壊するが、その残骸を回収し悪だくみをするボーラ。

 殺人兵器として生まれ変ったチッティは“感情に任せ”行動を起こし…

 この戦闘シーンやカーアクション、ここまでやれるって(ある意味)ハリウッドでも撮れないよ(笑)。


 映画のクライマックスシーンでのチッティのセリフ。これはなかなかの見所です。セリフが重い。


 歌に踊りに、インド映画の要素がしっかりと詰まっていながら、ムチャクチャな戦闘シーン(アンドロイドの数が合わないだろ!)もありますが、不覚にも(先に書いた)セリフのシーンでは涙してしまいました。

 ダークホース中のダークホース。少々長すぎる映画ですが、間違いなくオススメの映画です。

【感想:End】

 そんでもって今日、昨日見ようとした「英雄の証明」に行くつもりがネットで「ロボット」が広島で見られることを知って遠出したわけですが、ついでにダブルヘッダーで「キラー・エリート」も見ましたが…本当に意外なことですが「ロボット」の方が数段良かったなぁ(笑)。

 あと、「ダーク・シャドー」「超能力者」は前売りを買ってますし、映画の予告を見てみたくなった映画も増えてしまった…。あっ、でも「009」はパス(笑)。

 あぁ…それにしても今日は遊びすぎたなぁ。



ロボット@ぴあ映画生活

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