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2020年02月01日

「BORN TO RUN 走るために生まれた」を読んだ。


★BORN TO RUN 走るために生まれた ウルトラランナーVS人類最強の“走る民族"
ランニングで故障ばかりしている著者が「なぜ私の足は痛むのか?」を追求していくうち、走る民族「タラウマラ族(通称ララムリ)」の存在を知る。

記者でもある著者は、タラウマラ族を探すためメキシコの峡谷へ旅立つ。旅や取材を通じて色々な人と出会い故障しないランナーに成長、最後はウルトラランナーVSタラウマラ族という究極のウルトラレースが行われ、自身も参加するという内容である。

一読したところ、とても読みにくい印象だった。話が横道に外れ、ある人物のエピソードについて書かれているが、この人誰だっかな?となったり、過去の話になってみたりと、今どの事について書かれているのか見失うような感じになる。走ることに関して共感する部分はあったものの、これがランナーから絶賛されている本なのか?

登場する人物の簡単なプロフィールをメモを取りながら再読してみると、この本の印象はガラッと変わる。登場人物に感情移入でき、最後のレースの場面では感動すら覚えた。一見、壮大な冒険だけが書かれているように思えるが「人間は走るために進化したこと」「ランニングフォーム」「食について」「シューズがどれだけ足に悪影響を及ぼすか」などランニングに関しても深い知識が得られる。

主な登場人物

とにかく本書は登場人物が多いので下記にまとめておく。
★は本書後半にカバーヨが付けたニックネーム(このネームで書かれている箇所が度々ある)

<クリストファー・マクドゥーガル>
著者。故障だらけのランナー、そして記者。タラウマラ族の取材を続け、ランニングを学んでいくうち足の痛みは消えウルトラランナーにまで成長する。
★オソ(熊)

<カバーヨ・ブランコ>
本名「マイカ・トルゥー」元ボクサーでアメリカ人。峡谷に暮らしタラウマラ族と親交が深い人物で、長年峡谷を走っているためタラウマラ流の走りを会得している。著者とタラウマラ族を繋ぐ重要人物。

<サルバドール・オルグイン>
役人。峡谷の道に詳しく旅前半の道案内人。

<アルヌルフォ・キマーレ>
地元レースで何度も優勝しているタラウマラ族最強ランナー。

<シルビーノ>
アルヌルフォの従妹。

<マヌエル・ルナ>
タラウマラ族のランニングゲーム「ララジパリ(大人の部)」で無敵のランナー。

<アンヘル・ナバ・ロペス>
キマーレ一族の小屋から4〜5km下流にあるタラウマラ族の学校経営をしている人物。

<リック・フィッシャー>
世界中の峡谷を旅する土地勘の優れた写真家。スポンサー、タラウマラ族を集めレッドヴィル・トレイル100を開催。

<キティ・ウィリアムズ>
フィッシャーの婚約者で女性ウルトラランナー。

<ケン・クローバー>
炭鉱労働者だった1982年、レッドヴィル・トレイル100を創設した男。

<アン・トレイソン>
コミュニティカレッジの科学教師。数々のウルトラレースで優勝している女性ランナー。1994年のレッドヴィル・トレイル100でタラウマラ族ランナーと対決する。

<ファンとマルティマノ>
1994年のレッドヴィル・トレイル100で、アン・トレイソンと対決したタラウマラ族ランナー。

<ジョー・ヴィヒル>
当時65歳、元一流陸上コーチ。コーチ引退後はタラウマラ族の研究をするための準備をしていたが、残念ながら病気で亡くなる。

<スコット・ジェレク>
3年連続でウルトラランナー・オブ・ザ・イヤーに輝いた有名ランナー。
★エル・べナード(鹿)

<ジェン・シェルトン>
大学生(女性)。若手有望株のウルトラランナー。
★ラ・ブルヒタ・ボニータ(かわいい魔女)

<ビリー・バーネット>
大学生(男性)。ジェンと同じく若手有望株のウルトラランナー。ジェンとビリーは酒を飲み大騒ぎしたため著者は彼らを「パーティーキッズ」と呼ぶ。
★エル・ロボ・ホベン(若き狼)

<エリック・オートン>
アドベンチャースポーツのコーチでタラウマラ族研究家。
★エル・ガビラン(鷹)

<ルイス・エスコバー>
HURC100を制したウルトラランナーで、レースフォトグラファー。
★エル・コヨーテ

<ベアフット・テッド>
数々の大会を裸足で走るベアフットランナー。
★エル・モノ(猿)

<ダニエル・リバーマン>
バーバード大学人類学教授。

<ボブ・フランシス>
一年の大半をバトピラスの峡谷で過ごし、トレッカーガイドなどをしているアメリカ人。タラウマラ族と親しい。

話の流れ

どの様に話が進んでいき、どの様に話が脱線するのかまとめておく。

旅立つ

著者であり記者のマクドゥガルはメキシコの山岳地帯「シエラ・マドレ」で「白馬」と呼ばれ、タラウマラ族と親しい伝説の人物「カバーヨ・ブランコ」探しの旅に出る。
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*過去の話
怪我の絶えないランナーである著者。「どうして私の脚は痛むのか?」その疑問を追求し、カバーヨ、タラウマラ族探しの旅に出るまでに至った話。
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峡谷へ。タラウマラ族の学校経営をしている人物アンヘルからタラウマラ族のランニングゲーム「ララジパリ」 カバーヨの行き先、タラウマラ族の飲み物「イスキアテ」などについて情報を得た話。
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クリールという町へ向かいカバーヨに会う。彼は「ある計画」を持っていることを知る。
↓↓↓
*ここから過去の話になる。
カバーヨがどうして「ある計画」を立てることになったかを1990年代にさかのぼり長い話となる。フィッシャーという男のエピソードと、彼がスポンサー、タラウマラ族のチームを作りレースを開催した話。
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*人物紹介:アン・トレイソン
タラウマラ族と当時のレースで対決したアン・トレイソンがランナーになったきっかけや、数々のウルトラレースで優勝までになった話。
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レースを見に来たヴィヒル博士のランニングに関する持論。その中で陸上界で有名なランナー「エミール・ザトペック」の逸話も知れる。
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*フィッシャーのレースに話は戻る。
レースはアン・トレイソンを負かしたタラウマラ族が優勝するも、フィッシャーの利己的な態度でレースは後味の悪いものとなり、タラウマラ族はその後レースに現れることはなくなった。その当時、シャギーという名でレースのペーサーをしていたのがカバーヨ・ブランコであった。
*過去の話は終わり。
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*カバーヨと著者の話に戻る。
94年のレッドヴィルのレース後、彼はどうしていたのか?どのようにしてタラウマラ族と親しくなったのか?カバーヨの走りを見せてもらい指導も受ける著者。
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カバーヨの「ある計画」とは、タラウマラ族が本気を出したらどこまで強いのか?もう一度、タラウマラ族vsウルトラランナーのレースを開催したい(もっと危険な場所で)ということだった。

帰国

カバーヨの事について調べる著者。オリンピック資格を得るためにヴィヒル博士の指導を受けに来たディーナが全米記録更新するまでのエピソード。彼女は2004年、アテネオリンピックで銅メダルを獲得する。彼女の指導後、ヴィヒル博士は心臓発作で亡くなる。
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e-mailでのカバーヨとのやり取りでレース開催準備が進む。
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*人物紹介:スコット・ジェレク
スコット・ジェレクの生い立ちからカバーヨのレースに出場を決めるまでの話や彼のレースエピソードなど。

再びメキシコへ

著者はメキシコに戻り、カバーヨのレース開催のために動く。テキサス州、エルパソ(メキシコ国境近く)でレースに参加するジェンとビリーと合流。ジェレク、ルイス、テッド、一流ランナー達が揃う。
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*人物紹介:ジェンとビリー
ジェンとビリーの出会いや、彼らがウルトラランナーになるまでのエピソード。
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著者一行はチワワ砂漠を越え、クリールという町でカバーヨと合流する。
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*人物紹介:テッド
テッドが裸足ランナーになった経緯、リバーマン博士らのランニング理論、怪我とランニングシューズの関係性やベアフットの話は興味深い。
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カバーヨの家がある炭鉱町バトピラスへ着いた一行は翌日、レースの地形感覚を掴むため、山登り(ランニング)に向かう。その間にスコットの補給食、普段の食事内容から日本人の千日回峰行や肉抜きでの食生活などの話を挟む。山では各自バラけてしまい、軽い山登りのつもりだったジェンとビリーだが、2日酔いで脱水症状になり死をも覚悟しなければならなくなったが、戻ってきたメンバーに助けられる。
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*著者のランニングエピソードに切り替わる。
ランニング旅行で怪我をした著者。インタビューでエリックと知り合い、運動生理学者ケン・ミアクに弟子入りし、エリックをトレーナーに付けて著者は見違えるほど走れるようになった。
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*20年前の話に脱線。。。
ブランブル博士と若き科学者デイヴィッド・キャリアーの仮説について長い話が続く。人類が直立したのは地球上どの生物よりもうまく酸素を取り入れるため。人間と他の動物の呼吸の違いなどから、人間は走るために生まれたという仮説について。

古代人は走って獲物を追い続けて持久狩猟をしていたという説。その説を実行するため、デイヴィッドの兄のスコットとレイヨウ狩りへ行くも失敗。兄は非営利法人を立ち上げ、一流ランナーを集め持久狩猟を続けるのだが行き詰まる。そこに持久狩猟を成功させられるというルイス・リーベンバーグという数学者が現れ。。。
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*話は戻る。
バトピラスから55km、ランニングでウリケに向かう途中、タラウマラ族と合流する。ここでカバーヨはメンバー達をニックネームでタラウマラ族に紹介する。
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カバーヨがレースに選んだ地「ウリケ」へ着いた(ここは残酷なまでの険しい地形がある) 究極の知られざる「ウルトラマラソン(ウルトラランナー VS タラウマラ族)」が始まろうとしていた。レースに向けて町一体となり盛り上がっていく。テッドがマヌエル・ルナからワラーチ作りを学んだりと人種を超えた友情も生まれる。
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クライマックスであるレースの様子。ウリケ・タラウマラ族も参加し総勢25名。Y字型の中央をスタート地点とし往復する標高差2000mのコース。ウリケ・タラウマラ族の失格、スコットにピッタリ着くキマーレ一族、追い上げるジェン。

果たして誰が優勝するのか?著者は完走できたのか?

とまぁ、話が進んでは過去の話、ある人物エピソードや、博士らの理論や仮説に脱線することが繰り返されストーリーが進んでいく。

感想&まとめ

走るために完璧な設計で作られている足の機能を妨げるシューズの話は納得がいく点が多かった。例えば、足のアーチは着地する度に潰れてショックを吸収するようになっているのに、わざわざそのアーチを支えるようなシューズがあること。

ストライドが伸びると速く走れるとの考えから、シューズは踵部分が厚くなった。前足部より面積が小さい踵で着地すると不安定になる。裸足で走れば魚の目、タコ、マメとは無縁になる。

高機能である高価なシューズほど怪我をしやすいという話は自分にも当てはまった。ランニングを始めた当初、高価なシューズとバーゲンセールの安いシューズの2足を購入。膝がキリキリを痛み出し2週間ほど走れなくなったことがあった。

ランニングを再開するとまたも膝が痛み出すが、痛む日と痛まない日がある。よく考えると、高価なシューズの方を履いて走りに出ると膝が痛むことが分かり、その高価なシューズは普段履きになった。その後は1万円以上するシューズは購入しなかったためか怪我はしなくなった。

最高級のシューズを使うランナーは、そうでないランナーよりも怪我する確率が高いという本書の指摘に逆行するように、最高級の厚底シューズが流行り記録が次々と塗り替えられている現状は複雑な心境になる。

走る前のストレッチは怪我につながりやすいし、ヨガなどで身体を柔らかくすることも意味がないとも書かれており、これも自分に当てはめると納得がいく。自分は走り始めた頃からストレッチはやっていないが、速くなるのではないかと思いストレッチを取り入れた時期があった。

結局、ストレッチをやったところで速くもならないし、いきなりレースペースで走り出しても怪我などしたこともない。レース前、司会者がランナーを集めてストレッチをしている場面を見かけるが自分は参加したことはない。

ストレッチをやる意味などあるのかと疑問に思っていたが、本書を読んで自分は間違っていなかったと実感した。

動物と人間の骨格や構造を比較して「人間は走るために生まれた(進化した)」という博士らの仮説から昔、人間は持久狩猟をしていたのではないかという仮説は長く続き、読んでいて少々退屈な部分だった。

人間は「走る」という本能を持っている。走ることが本能でないなら、マラソンという長い距離を走る遊びをする人はいないはずだということも書かれている。自分は誰からも強制されたわけではなく走り始めた。何をやっても長続きしない自分が唯一続けていられるのが「走ること」である。これは「走る本能」と関係しているのかもしれない。

個性的なウルトラランナー達がウリケに向かう道中のエピソードも面白かったが、最後のレース場面は特に感動的だった。

リタイアしたマヌエル・ルナがコースに引き返し、ワラーチ作りで友情を築いたテッドを見守るのを皮切りに、ゴールしたランナー達が次々と引き返し、まだゴールしていないランナーを励ましに行く場面。

帰りの交通費もままならないジェン達が、自分達より遅かったタラウマラ族に賞金を渡す場面。レースが終わり、他のタラウマラ族は帰っていく中、キマーレ一族だけは最後までウルトラランナー達を見送った場面。自分がそのレースに居たと想像すると胸が熱くなった。

大手メーカーからレースのスポンサーになる申し出があったが、カバーヨは「走ることは人に物を買わせるのが目的でない、走ることは自由でなくてはならない」ときっぱり断る彼のカッコよさには痺れた。

ウルトラマラソン人気、レースでサンダル(ワラーチ)や裸足で走るランナーを時々見かけるが、彼らは本書の影響を受けているに違いない。

長くなったが、最後に本書の名言で締めよう。

人は年をとるから走るのをやめるのではない、走るのをやめるから年をとるのだ。

【関連作品】
・人は走るために生まれた 〜メキシコ山岳民族・驚異の持久力〜 [DVD]
・EAT&RUN 100マイルを走る僕の旅(スコット・ジュレク, スティーヴ・フリードマン他)



この記事へのコメント
たか さん、コメントありがとうございます。

冒険記もさることながらランニングに関してとても参考になる良書でした。この本の影響を受けてサンダルランとウルトラマラソンに興味を持ち、今年中に実行してみたいと思っています。

ENDUREという本は知りませんでした。機会があれば読んでみたいと思います。
Posted by グロム35 at 2020年02月06日 21:18
この本良いですよね。
あと欧米の本ってこういう物語調のが多いですよね。「ENDURE」でもそうでした。

僕もヒールストライクが引き起こした膝蓋腱炎から復帰する前に読みましたが、色々参考になりました。
たまにいわゆるマリンシューズで走るのですが、ペースが遅い分身体とじっくり対話できて良いですね。
身体に痛みがではじめた時にあえてサンダルで走ると、シューズが隠していた身体の使い方の間違いがわかるので、
僕はサンダルランというのはかなり大切な練習だと思ってますね。
Posted by たか at 2020年02月04日 13:23
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グロム35
中年おやじランナーです。マラソンが唯一の趣味で、走り始めて2年目でサブ4達成、現在はサブ3.5を目標としてトレーニングを積んでいます。
★フルマラソン自己ベスト★
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