22/11/17(木)国際放送機器展 Inter BEE 2022へ行った。放送機器とは縁の無い仕事の一般視聴者なので見学するブースがなかった場合を想定し、前日にセッションを予約しようとしたら既に殆ど満席となっていた。
13:00から国際会議場2F国際会議室で行われる『P-PABトークセッション「Z世代にもわかる!新4K8K衛星放送の魅力」』がまだ空席があったので予約を入れた。
行ってみれば【5116:レスターコミュニケーションズ/タックシステム】のDolby Atmos セミナーが面白くてトークセッションは欠席しても良いかと思ったが、18/12/01(土)4K BS放送開始から4年経過しようとしているのに何故今”新4K8K衛星放送”なのか気になり参加してみた。
出演者は開設者:A-PAB受信環境推進部 宇佐美雄司統括部長、伊東良展部長、コメンテーター:青山学院大学 総合文化政策学部 内山隆教授、Z世代ゲスト:国本梨紗さんの4名だ。
ネット映像配信サービスに親しみ楽しんでいる国本さんに、4K8K衛星放送を見る方法としてアンテナからテレビの選び方、何故4K8Kと言うのか、HDRと広色域による高画質を説明する内容で、目新しい”新”情報は今後4K放送局が4局増える予定くらいだった。
4Kの”K”とはキロの略で1000を意味しますと説明した時には国本さんに対するテクノロジーハラスメント(テクハラ)にならないかと私がハラハラしてしまった。(^_^;;
参考:イノベーター理論とは?商材普及の鍵を握る5つのユーザー層を解説
https://infinity-agent.co.jp/lab/innovator-theory/
開局4年経過しているのに今更ながら何故こんなトークセッションを開催したのかと思ったら、一般社団法人放送サービス高度化推進協会(A−PAB)調査によると4K放送受信機は2022年9月末時点で日本の世帯数の2割を軽く超えており、「普及率16%の論理」から言えば今後爆発的に普及すると期待しているそうだ。
しかしその4K放送受信機購入者で実際に4K放送を認知している人は4割しかおらず認知度が低いままという課題が残っているとのこと。4Kテレビ購入しながらリモコンの[4K]ボタンを押していない世帯が約800万もいるのかと驚いてしまった!
まあ実際のところ民放BS放送はテレビショッピングチャンネル化しているから4K放送に期待していない一般消費者の気持ちも理解出来る。今後4局増えても単にショッピング番組が増えるだけなら、麻倉怜士氏が以前提案した民放4K放送局を減らし合同4K放送局にて民放各社のオリジナル4K収録番組を放送してくれた方が電波の有効活用になるという話に同意する。
参考:どうなる?次世代地デジ技術、23年度に4K方式確定も8Kは先送り
https://xtech.nikkei.com/atcl/nxt/column/18/02155/00001/
国本さんは終わりの挨拶で「4K8K放送視聴を友人達に勧めます」とお約束の話をしていた。実際のところスマホにてオンデマンド倍速視聴しているネット映像配信に慣れたZ世代が高画質高音質というメリットだけで4Kテレビの前に座るのか疑問だ。
参考:映画を「倍速視聴」する人なぜ増加?現代人の切実な理由と作り手の苦悩
https://diamond.jp/articles/-/304886
一般社団法人放送サービス高度化推進協会の存在自体がZ世代には既得権益を守るだけでコスパが悪いと言われそうなセッションだった。(^_^;;