警備、特に施設警備はそうですが
まったり現場とまではいかなくても
余裕を持って仕事をしたい。
現実を踏まえると淡い期待ながら
誰でも思う事です。
今回は、警備側だけでなくクライアント側
にも余裕がないと、仕事がつまらなくなる
という話をします。
逆に言えば、双方にある程度「余裕」が
あれば、円滑に業務を回していくのも
夢じゃない。
カテゴリ「施設警備〜市役所葛藤編」の
頃。僕が初めて勤めた地場中小警備会社
A社で、初めて従事した施設警備。
市役所警備を奇襲攻撃で落札した、
A社。当時は交通誘導警備メインの
会社でした。
急きょ隊員を集め、引継ぎもほとんどなく
施設警備の素人集団を投入。
当然業務はボロボロで、市幹部のお怒りさえ
買う始末。警備隊の危機でした。
愕然とするクライアント側である市役所
管財課。前業者との差は何なんだ。
やり手の管財課係長は、徹底的な引き締めに
掛かったのです。俺の言う通りしろ。ついて
いけなければ排除する。
加えて当時、守衛室には管財課職員が守衛と
して勤務していました。彼らがダメ出しを
した隊員はチェンジ。
発足3か月で、隊長がチェンジ。
そのすぐ後に第二弾の隊員チェンジ。
この交代劇に、僕らは戦慄しました。
ふるいに掛けられている。
回想すればレベルの低い悩みで、警備員と
してのレベルが、あまりにも低すぎた。
そんな警備隊を形にするには、管財課の指示
を、遂行できない隊員は排除するしかない。
ミスをする度に、警備業者を変えるぞ!
と係長に言われていました。
それを乗り越えて業務は軌道に乗っていった
のですが、どんなにレベルの低い警備隊でも
「恐怖型マネジメント」で形になるのです。
あの状況では、最適解だったかのしれません。
当初の体たらくが続けば、1年で業者交代も
あり得たでしょう。
但し、ロクな引継ぎもなく過労死ライン
相当の労働時間だったのです。今なら却下
されていたでしょう。
警備契約に、引継ぎに関する取り決めもなく
労務管理の縛りもありませんでした。入札も
当時は1円でも落札可能でした。
業務遂行については、合格点に達するまで
厳しく指導・監督するのは当然です。
しかしながら、上記の様な引継ぎや労務管理
まできっちり管理するのがクライアント側の
責務ではないか。
「当務の時、休憩から隊員が起きて
こなかったら、管財課はどうするつもり
なのか」なんて冗談が出ていたくらいです。
管理としては、いささか抜けていた感が
否めません。この辺はお役所らしい。
僕らの勤務状況を見た職員氏が、君たちは
汲々としてシフトを回していると、揶揄され
たこともあります。
しかし、汲々としているのはお互い様なの
です。
クライアント側は、業務遂行の合格点に
達するよう、委託業者を厳しく指導・監督
する義務があります。
と同時に、委託業者の従業員の健康を守る
義務もあります。労災になれば一大事。
委託業者の好き勝手にさせてはならない。
民間委託において、クライアント側である
官公庁職員の共通認識のようです。
管財課には毎日のように寄せられる、怒涛の
苦情。苦情の原因である警備員の行為は
徹底的に抑え、調教しなければ。
そんな僕らを抑えるのに躍起で、人間らしい
労務管理を指導する余裕までなかった訳です。
これが施設警備を知るベテランを軸に
配置し、引継ぎも周到に行い、労基に
対しても恥ずかしくない労務管理だったら。
クライアント側である市役所管財課側も
もっと余裕を持って、指導監督を行えた
ものでしょう。
使う方も、使われる方も汲々として
業務を回すのに精いっぱいだった。
隊員の健康面に配慮する余裕なんてなかった。
市役所警備に従事した6年間で、3人の隊員が
健康面で脱落し、去って行きました。
この禍根は、カテゴリ「施設警備2〜市役所
迷走編」のラスト記事の悲しい伏線となります。
警備を知るプロ集団の委託側と、管理を
知る、プロたるクライアント側が面一の
状態になった時、仕事は円滑に回ります。
要するに、同レベルのプロが組めばうまく
いく、という事なのです。これが結論。
良いクライアントに巡り合うには、
自分たちの警備レベルを上げること。
逆に言えば、自分たちの警備レベル相応の
クライアントを、引き寄せる事になるのです。
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