前回の記事は、酷い体たらくであった僕ら
A社市役所警備隊を、クライアント側である
管財課が汲々として形にしたという話。
過去記事で紹介した「恐怖型マネジメント」
を用いた訳です。(前・中・後編あり)
今回は、恐怖型マネジメントの欠点について
深堀りしていきます。
施設警備の素人集団である僕らを、いっぱし
にしたのは、管財課係長の厳しい指導。
当時、これは最適解であったか。
業務は軌道に乗り、管財課係長が異動で去って
行く時には「見違えるようになった」と僕らは
評されていました。
厳しかった係長が異動して、別の係長が赴任
してきました。警備の事をあまり知らない
人です。
これ幸いとばかりに仲良くなる当時の隊長。
彼は酒の力を借りて、距離を縮めていきます。
僕ら警備隊から提案を行うようになり、
徐々に主導権は業者側に移っていきます。
修羅場?を乗り越えて業務を軌道に乗せ、
経験値を積んだ背景もあるでしょう。
問題は、これまで力で抑えつけられていた反動
が来た。これが恐怖型マネジメントの一番の
欠点と観ます。
強権を発動し力で抑える、有無を言わさぬ
支配から解放されると、どうなるか。
引き続き厳しい係長が赴任してきて、力で
抑えていれば反動は来ないでしょう。ただ
人事異動がある以上、現実的には不可能。
抑える力が厳しいほど、形にした時の
ストレスが反動となって、次の担当者
に降りかかる。
守衛室は前係長が異動してから、まったりと
するようになりました。力で抑えつけた前
係長をあざ笑うかのように。
これを不憫に思う職員もいたようですが、
お構いなし。新係長も特に注意をしません
でした。
恐怖型マネジメントは、環境によっては
最適解だった、という面もありますが、
長期的に見たデメリットは何なのか。
以前の記事で、恐怖型マネジメントを受けた
部下は、脳が委縮するリスクがあると僕は
言いました。個人的なリスクです。
今回は、組織レベルで見たデメリットは何か。
もう言いましたが、反動が来るということ。
前係長の指導に耐えたのだから、少しくらい
ねじを緩めていいだろう。業務を軌道に
乗せたのは、生き残った我々だから。
こういう考えが警備隊を支配するようになり
ました。もう管財課の命でチェンジはない。
確かに警備隊としての危機は遠のいたと
言っていいでしょう。
だからといって、快適な現状に甘んじ
緩んだままで居る隊員と、そうでない
隊員の差が付き始めたのです。
一番下のレベルの隊員が、警備隊として
合格ならば、隊員のチェンジは起きない
でしょう。
チェンジがないからといって、市幹部の直属
である秘書課から、A社上司が呼び出しを
受けるミスをしたこともあったのです。
その際も、A社上司はミスした隊員に
チェンジをほのめかす警告はしません
でした。
取り返しのつかないミスさえしなければ、
安泰だ。前係長はやりすぎだった。
このように、恐怖型マネジメントの仕掛け
の正体を見抜かれ、A社警備隊は全員では
ないにせよ、市役所警備を舐めるように。
勤務態度や、巡回の取り組みに対して
顕著に表れてきます。それでも業務は
回る。
警備隊内での権力闘争に現を抜かす隊員
が出てきました。要するにヒマになって
きたからです。
警備のプロとしての向上よりも、自分が
快適な環境を得る方が優先されるように。
プロなら自分で創意工夫して、よりよい業務
遂行を目指すものです。警備であれば警備
仕様書を元にどうあるべきか考える。
上記の様なレベルの高いプロなら、管理側は
恐怖型マネジメントは不要です。方向性のみ
示せばいい。
逆に言えば、恐怖型マネジメントを使わざるを
得ないレベルの、管理側と委託側。かつての
僕らのように。
この場合、反動が来ることを予測しないと
いけません。僕が再度同じ状況で働く事に
なったら、早急に脱出を考えます。
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