僕が警備員を辞めた理由

美しい警備とは、見せる警備→魅せる
警備→美しい警備と発展した究極の警備
の形として、僕が勝手に作った言葉です。



制服の着こなしから、立哨の姿。
要するに見られているという意識を
持って業務に従事する。



ここまでなら、隊長クラスが指導する
範囲です。では美しいと感じるには
何が足りないのか？



「言葉使い」です。これについては指導が
行き届いている隊員は少ない。



施設警備、特に商業施設や官公庁では重要
です。もちろん来訪者には気を付ける
でしょう。



ここで問題なのは、身内の隊員に対して
の言葉使い。交通誘導警備などでは聞くに
堪えない、そんな無線の交信もあります。



言葉使いがぞんざいになるデメリットは、
警備隊内の人間関係に悪影響を及ぼす点
です。



警備隊内で序列をつけ、マウントを取り
たがるのが人間の性。



施設警備では秩序を守らないと、たちまち
警備隊としての機能が落ちます。



カテゴリ「施設警備３〜ブラック企業編」の
B社では、隊長通達で役職名（班長など）で
呼ぶように、といった指示がありました。



しかし隊長自身は、〇〇ちゃんといった呼称
を続け改めない。この辺の自己矛盾は警備隊
崩壊の第一歩です。



言葉使いが悪くなれば、最悪警備隊内での
ケンカになります。これを危惧して指導する
責任者はどれだけいるでしょうか。



そこまでいかなくても、男の顔は履歴書
よろしく顔に普段の言動がにじみ出るもの。



これを見てクライアントは評価の対象と
するのでしょう。



普段の言葉遣いの悪さの延長上に起きた
トラブルであれば、警備隊から排除される
きっかけとなります。



逆に言葉に気を使い、身内であっても
トラブルを避ける配慮のできる人は評価
されます。



これは警備員というより、社会人としての
評価なのです。



努めて汚い言葉、マイナスの言葉を避ける。
別室で休憩中に理不尽な事の愚痴を、
気を許した同僚に言うくらいでしょう。



この美しい警備ですが、個人の努力は
言うまでもありませんが、それだけでは
実現しない部分もあるのです。



それは、会社の労務管理。



長時間労働が続き、休みが無ければ人間
怒りっぽくなり、ちょっとした事でケンカ
になったりします。



対外的にも、お客様に対する丁寧な対応が
難しくなります。



使う側は、美しい警備を実現する環境を
作る義務があるのです。



それを精神論で何とかしろ、と労務管理の
責務を棚上げして無理強いする会社は
もはやブラック。



クライアント側も、施設の顔としての役割を
警備員に任せるのなら、労務管理はチェック
する必要があります。丸投げではいけません。