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2014年07月06日

「ピラフの語源はウズベキスタンのプロフです」はウソ!?ピラフとプロフの関係とは?

一部の日本人の間で、「ウズベキスタンのプロフはピラフの語源」だと信じられているが、調べてみた結果、どうやらそれは違うという結論に達した。

プロフ
<プロフ>

そもそもプロフやピラフの発祥の地はどこか?

色々な料理研究書を読みあさったが、どの本もプロフやピラフの発祥の地は、ペルシア(現在のイラン)であるとしている。

プロフの起源はソグディアナ(※)で食されていたことからみると、ペルシア起源であると考えられる。

先崎将弘(2012)『美味しい中央アジア』東洋書店 21pp.


※ウズベキスタンのサマルカンド一帯の地域。イランとの文化的つながりが強い。

ピラフ(仏 pilaf)
洋風の炊き込みご飯・焼き飯。(中略) ペルシア語の(pilaou/炊いた米)が転じて、トルコ語のピラウ(pilaw)になり、フランス語のピラフになる。


岡田哲(2014)『たべもの起源事典 世界編』ちくま学芸文庫 563pp.


つまり、ピラフの語源はペルシア語で炊いた米を意味するpilaouであり、トルコからフランスに渡り、ピラフとなったわけで、ウズベキスタンは通っていない。

プロフ・ピラフの伝播








トルコ民族がプロフをトルコに伝えた?

それでもウズベキスタンのプロフが、ピラフの語源だ!と主張する人がいるのは、トルコ民族は中央アジアから来た民族だからだろう。もともとトルコ民族は遊牧民で、モンゴル高原から中央アジアに移動し、そこからアナトリア(現在のトルコのアジア側)に来て定住しはじめた。
したがって、中央アジアのプロフがトルコ民族の移動と共に、トルコに普及し、フランスに渡ってピラフになったというのも十分に考えられる。

しかし、実はピラフはトルコ民族がアナトリアに到達するずっと前から、もう既に存在していたのだ。

ピラフの歴史は古く、トルコ民族の間でアナトリアに入るはるか以前から実質的には米の炊き込み料理は存在していた

鈴木董(2003)『世界の食文化Hトルコ』農文協 214pp.


遊牧民は、移動するので鍋とかフライパンとか大がかりな調理器具を持たなかった。羊の丸焼きとか、皮の容器で乳製品を作り、ワイルドな食生活を送っていたから、そもそもピラフを作っていたか疑わしい。したがって、やはりピラフの語源はペルシア語のpilaouで、プロフではないと考える方が自然だ。


結論:ピラフの語源はプロフではない。
   ピラフもプロフも同じペルシア語から派生した。



ちなみに今までウズベキスタンの炊き込みご飯をプロフと書いてきたが、ウズベク語ではプロフではなく、palovらしい。

「ピラフ」でなく、「ピロフ」でもなく、「パロフ」でもない…「プロフ」?

ではなぜ日本でプロフと呼ぶかというと、palovがロシアに伝わった際にplovとなり、このロシア語名を日本語のカタカナに置き換えてプロフとなったと思われる。


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Asalhon(アサルホン) 日本人。 学生時代にウズベキスタンを旅行し、その料理に魅了されたのをきっかけにウズベク料理のブログを始める。 Facebookグループ「中央アジアの料理が好きじゃー!」の管理人。
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