抗がん剤への期待と温度差: 癌と共に生きる　手術→放射線治療→化学治療

2016年08月30日

抗がん剤への期待と温度差

母が受けた肺がん治療はというと、抗がん剤治療のみです。

手術も、放射線治療も受けましたが、それは転移した脳腫瘍の為のもの・・・。

投薬した抗がん剤は・・・・
ペメトレキセド（アリムタ）　+　カルボプラチン（パラプラチン）
副作用もありましたが全部で6クール、予定通り行うことができました。
3クール目・4クール目でがんの減少が画像で観てとれるほどの効果。
5クール目で足踏み・・・6クール目で後退・・・という結果でした。
大きな括（くく）りで判断すれば、
治療期間中の癌の進行を喰いとめることはできたといえる。
・・・しかし・・・

母が抗がん剤に期待したこと

母にとって抗がん剤というものがどのような存在であったのか！？

全ての治療前には担当医師からの丁寧な説明があります。

母は、説明の中で難しい用語や余命に関すること等、

気になることがあるとそこで思考が止まってしまうという傾向があるので、

説明終了後に私からも説明をしてあげました。

面倒でしたが、意外にこれが良い復習となり、思いのほか頭に残っています。

根治は望めない・・・、つまり、延命のための治療・・・

生存期間を延ばすための治療でしかないということ。

癌を消すことが目的ではなく、

癌の進行を遅らせることが目的であること・・・。

母は私たちと同じ理解の元に治療を受けていたと思い込んでしました。

しかし、そこにちょっとした！？差が生まれていました。

母が期待していた「抗がん剤に対する効果」は、言葉で言うと「もっと」。

抗がん剤を打つ前の恐怖と副作用を代償に、

命の延長を得るという根本的なところは同じなのですが、

期待の部分に差が生じました。

ここに抗がん剤治療の辛さが感じられます。

母は以後の抗がん剤治療を断念しました。

家族が抗がん剤に期待したこと

姉もやはり期待外れな部分はあったようです。

どちらかというと、最後まで奇跡を信じていたようにもうかがえます。

がんの減少が見られた期間は本当にうれしそうにしていました。

私としては、結果として進行を喰いとめたことは事実ですし、

「癌」は進行さえしなければただの「癌」

なので、そのままでいいとさえ思っていました。

抗がん剤治療を続けるのだろうと思っていました。

世論もいろいろ

抗がん剤の是非については様々な意見や投稿が見受けられます。

抗がん剤治療において賛否両論の意見が飛び交う昨今、

何を信じればよいかは正直わかりません。

抗がん剤には2面性があることは事実で、

抗がん剤が効きやすい人と効きにくいい人が発生します。

これだけ医学が進歩した現代でも、

抗がん剤は多くの問題や課題を抱えています。

全ては捉え方一つで決まってしまいます。

抗がん剤はポジティブに受け取るか、ネガティブに受け取るかで

全く違う薬になってしまいます。

皆、生きるために懸命なのです。

副作用に対する恐怖は言葉では言い表せないと思います。

だから知りたいのです、だから聞きたいのです、だから安心したいのです。

なぜなら怖いからです。恐怖で心が押しつぶされそうだからです。

良いことも悪いことも表裏一体となって分かち合いたいものです。

夢や希望を抱くのも、現実を受け止めなければならないのも、

どちらも同時進行で進まなければならないのが患者さんの現実です。

AD

【このカテゴリーの最新記事】

posted by satorich at 06:00 | Comment(0) | TrackBack(0) | 抗がん剤が怖い

この記事へのコメント

コメントを書く

この記事へのトラックバックURL
https://fanblogs.jp/tb/5375161
※ブログオーナーが承認したトラックバックのみ表示されます。

この記事へのトラックバック

癌と共に生きる 手術→放射線治療→化学治療

広告

2016年08月30日

抗がん剤への期待と温度差

癌と共に生きる　手術→放射線治療→化学治療