2016年10月17日
スマホがシミの原因? フランス研究チームが明かしたスマホ焼けの事実
紫外線が厳しくなる季節は言うまでもないが、最近は、冬でも日焼け止めクリームを塗っている女性が珍しくなくなった。しかし、太陽の光だけがお肌の大敵だと思っていたら大間違いだ。あなたがいつも手にしているであろうスマホが、日焼けの原因になるというのだ。
■目だけじゃない! スマホのブルーライトは肌にも悪影響
スマホのブルーライトが目によくないことは、よく知られている。
物がゆがんで見えるなどの症状を引き起こす「加齢黄斑変性(かれいおうはんへんせい)」の原因になり得ると指摘されている。画面を見た後、他のものを見るとピントが合いにくいという症状を訴える人もいる。スマホを長時間、見続けると目の疲れも実感することから、「目の病気には気を付けよう」と心掛けている人は多いはずだ。
ところが、ブルーライトが肌にも影響を及ぼしていることがフランスの研究チームの調査で明らかになった。
■ブルーライト、実は紫外線より怖い?
光の中でも、紫外線は浴びるとシミができてしまう。しかし、紫外線より波長の長い、400〜700ナノメートル(ナノは10億分の1)の周波数の 可視光線は、色素の生成には関係しないと考えられてきた。ブルーライトの周波数は415ナノメートルだ。研究チームは、可視光線の両端にある、415ナノメートルのブルーライトと630ナノメートルのレッドライトが肌に色素沈着をもたらすかどうかを調べた。
その結果、415ナノメートルの光線を浴びた肌だけ、3カ月も継続する異常な色素沈着を引き起こすことが分かった。紫外線を照射した時よりも肌を茶色に変化させたのだ。つまりブルーライトは紫外線よりも、シミの原因を作り出していることになる。これが「スマホ焼け」だ。
■「スマホ焼け」どう防ぐ? その防止方法
スマホ焼けを防ぐには、スマホを使わないに尽きる。と言いたいところだが、私たちの生活からスマホを取り上げることは不可能に近い。
研究チームは、紫外線用の日焼け止めを使っても、ブルーライトは色素沈着をもたらしたと報告しているので、日焼け止めも効果なし。ブルーライトをカットしてくれる眼鏡も、顔のすべてを覆ってくれるわけではない。
Googleは、電子書籍のアプリ画面で、夜が更けるにつれてディスプレーのブルーライトを徐々にカットしていく機能を搭載した。ブルーライトをカットする代わりに、レッドライト、グリーンライトを増やしていく。そうすると、アプリの背景が白から、赤みを帯びたものに変わっていく。そもそもは睡眠対策が目的だが、スマホ焼け対策にもなってくれる。Appleにも睡眠前の夜用の画面として同じ機能がある。
スマホを一切使わないことなどできない。こうした機能を使いながら、体の健康とテクノロジーの利便性のバランスを考えていく必要がありそうだ。