2016年10月08日
「和牛」と「国産牛」実はまったく違うものだった!
牛肉を買うときにパッケージの「和牛」「国産牛」といった表示を参考にしている人は多いでしょう。どちらも日本産の牛肉を意味しているように思えますが、その違いは知っていましたか? 実はこのふたつは定義しているものが異なり、「和牛」の表示は牛の品種、「国産牛」の表示は牛の産地を示しているのです。
「和牛」は日本古来の食肉専用種で、「黒毛和種」「褐色和種」「日本短角種」「無角和種」の4品種と和牛同士の交雑種を指しています。「和牛」の肉質・脂肪交雑は世界最高ランクとされており、そのぶん味も良くて値段も高くなっています。上記の品種の牛は海外でも生産されていますが、「和牛」の表示には「国内で出生し、国内で飼養された牛」であることが義務づけられているので、「外国産和牛」という表示をすることはできません。
一方の「国産牛」は品種に関係なく、原産地が日本の牛であれば表示することができます。この場合、原産地とは「もっとも長く育った場所」を指しています。そのため、外国で産まれた牛であっても、日本国内での飼育期間が他の地域よりも長い牛は「国産牛」と表示することができるのです。
ちなみに「国産牛」の多くは、その数の多さから乳牛「ホルスタイン」の雄の肉です。乳牛の「ホルスタイン」はもともと食用ではない品種ですが、雄は乳製品を生産することができないため、食用にされてしまうのです。この「ホルスタイン」と肉用種と交雑させた「F1」は、肉質が向上していて味も良いとされています。