2016年10月07日
寝なきゃ損!?平均年収の高い人は良い睡眠と朝型生活をしている
「寝る子は育つ」とはよく言われることであるが、「寝る子は稼ぐ」というのもまた真実のようである。というのも、不眠症と生産性の関係が調査で判明したのだ。
睡眠不足によって、アメリカ人の労働者1人当たり年間11.3日分、あるいは2280ドルに値する生産力が失われているという研究が発表された。これはアメリカ全体で、実に年間632億ドルに相当し、大きな機会損失となっている。
□不眠症の有病率は23%
この調査では、7428人のフルタイム労働者からデータが収集された。研究者が、彼らに睡眠習慣と仕事のパフォーマンスの関連性について質問をしたところ、睡眠不足は明らかに労働生産性に負の影響を与えていたことが分かった。また、23%の人が不眠症と判断され、その割合は65歳以上の労働者で少なく(14%)、男性(20%)のほうが女性(27%)より少なかった。
□不眠症による生産性低下は過小評価されている
「不眠症の人々は仕事をしないわけではない。ただし、仕事をしていても、疲れているためその生産性は低くなる。この問題はずっと過小評価されてきた」とこの研究の論文主筆者、ハーバード大学医学大学院のロナルド・C・ケスラー教授は言う。
□睡眠時間と平均年収との関係
日本で行われた別の調査では、睡眠習慣と収入の関連性も指摘されている。この調査によると、平均年収が高い人ほど、睡眠時間をしっかりと取っており、また、朝型の生活を送っていることが証明された。
□不眠症の治療 検査を受ける価値はある
アメリカでは不眠症の治療に年間およそ200〜1200ドルかかるといわれている。しかし、ケスラー教授は、企業にとって従業員が不眠症の検査を受けることは、それだけの価値があるものになると述べている。
まずは、精神的・肉体的な問題が根本にある場合は、その治療が最初のステップとなる。
ただし、日常生活で不眠症へ悪影響を及ぼしている習慣は非常に多い。過量のコーヒー摂取、夜遅くのテレビ鑑賞、パソコンやスマートフォンによるネットサーフィンなどはどれも睡眠に刺激を与える。これらの生活習慣は日常に深く浸透しており、不眠症に影響を及ぼしていると気付いても改善することが難しいものである。
睡眠はとても気持ちの良いものであり、人間が生きていく上で不可欠なものである。健康面だけでなく、経済面にも影響が大きいのであれば、睡眠習慣の見直しはさらに大切になりそうだ。