2016年06月23日
年代別の睡眠を徹底解剖! 巨大調査からみる日本の眠り
「寝る」を科学的な観点から考える当サイトでは、たくさんの眠りに関する記事を配信してきた。今回は、2013年11月に行われた睡眠に関する国の調査結果を基に、日本人の眠りを年代別に 考える。
■若い世代で「昼間の眠気」が深刻
調査は20代以上の7000人余りを対象に行われた。布団に入ってから寝付くまでに時間がかかるかどうか、夜中に目が覚めて困るかどうかなど、睡眠の質を聞いたところ、「日中、眠気を感じる」と答えた人の割合が最も高かった。
特に若い世代で深刻で、男性では20代で49.3%、30代で42.1%。女性も20代で56.8%、30代で49.2%と、半分近い人が昼間に眠気を感じていることが分かった。
■働く世代は「睡眠時間の不足」を訴える
20代から50代の働く世代は、共通して「睡眠時間が足りない」と答えていた。男性では20代で36.0%、30代で40.0%、40代で31.7%、50代で31.5%と3割以上の人が睡眠不足を訴えている。同じく女性も20代で42.0%、30代で36.6%、40代で42.9%、50代で33.8%だ。
■高齢者の睡眠状況は「良好」
60代、70代の高齢者は、日中の眠気を感じる人も睡眠不足を訴える人も、他の世代に比べると圧倒的に少ない。結果として「睡眠全体の質に満足できない」と答える人は男女ともに2割を切っていた。良好な睡眠状況と言える。
■働く世代には短い昼寝が効果的
厚生労働省はこうした調査結果などを踏まえ、2014年3月に「睡眠指針」を見直した。年代別の対策も示している。
昼間の眠気や睡眠不足を訴えながら働く世代。「毎日、十分な睡眠を取って」と言われても、現実的には無理な場合も多い。しかし、眠気で仕事の質が下がってはいけない。そこで、午後の眠気対策に「昼寝」が勧められている。午後の早い時間帯に「15−20分の短い昼寝」をすると作業効率アップに効果的だ。
また、睡眠時間が足りているかどうかは、日中の眠気がサインになる。日中の仕事に支障をきたすほどの眠気がなければ、普段の睡眠時間でOKと考えてよい。
■高齢者は生活にメリハリをつける
調査結果では高齢者の睡眠状況は良好だった。しかし、この年代の人に覚えておいていただきたいことは「年をとると、睡眠時間が少し短くなる」のが自然だということだ。たくさん眠ろうと、寝床で過ごす時間を必要以上に長くすると、かえって睡眠が浅くなり、夜中に目覚めやすくなる。その結果、昼間、長時間寝てしまうという悪循環につながる。
日中は軽い運動などを取り入れて、昼間はしっかりと目覚めた状態で過ごしていただきたい。
睡眠時間は長すぎても駄目、短すぎても駄目、と言われる。それでは理想的な睡眠とは?分かりやすく言えば「日中の眠気で困らない程度の自然な睡眠」ということになる。ぜひ、ご参考に。