2015年11月17日
悲しいときには、青色と黄色が見えなくなる
悲しいときって、周りの景色の色彩が失われたように見えたような経験はありませんか? 実はこれ、気のせいではなかったんです。
過去に行われた研究でも、憂鬱な気分のときには色のコントラストが識別しにくくなるなど、感情が視覚に影響を与えることは報告されていましたが、今回アメリカのロチェスター大学の研究によると、人は悲しいときには、青と黄色が見えにくくなることが分かりました。
同大学で行われた1回目の実験では、127人の学生を2つのグループに分け、一方のグループには悲しい気持ちにさせるような内容のビデオを、もう一方のグループにはコメディービデオを鑑賞してもらいました。その後、被験者に全48色のカラーパッチを見せて、それぞれの色について赤、黄色、緑、青のどれであったかを答えてもらいました。その結果、悲しいビデオを観たグループでは、黄色と青色を正確に認識できなかったのです!
続いて行われた2回目の実験では、130人の学生をやはり2つのグループに分け、一方のグループが悲しいビデオを観ている間、もう一方のグループにはスクリーンセーバーを眺めてもらいました。その後1回目の実験と同様にカラーパッチを使って色彩テストを行ったところ、やはり悲しいビデオを観たグループの方が黄色と青色の正解率が低かったのです!
研究者らによると、黄色と青色だけ見えなくなる理由としては、神経伝達物質の一つであるドーパミンの影響が考えられるということですが、感情で本当に見え方まで変わってしまうなんて、びっくりですよね!
参考:
Feeling blue and seeing blue: Sadness may impair color perception
http://www.sciencedaily.com/releases/2015/09/150902112006.htm