2015年11月10日
料理の見た目も味も悪くする「アク」っていったい何のこと?
野菜や果物、肉・魚には「アク」と呼ばれる成分を持っているものがあり、料理の際に取り除かないと味や見た目が悪くなってしまうことがあります。この「アク」とは、何かひとつの決まった成分のことではなく、えぐみや渋みといった食べて美味しくない成分や食材を変色させるなど見栄えを悪くする成分の総称です。
料理の手順でアク成分を取り除くことをアク抜きやアク取りといいます。食材の種類によって、アクを取り除く方法はさまざまです。例えばほうれん草のアクは茹でてから水に晒すことで取ることができます。
ほとんどのアクは水溶性なので、ほうれん草のように茹でるだけで抜けますが、中には特別な処理が必要なものもあります。
例えばタケノコのアクはえぐみが強く、取り除くために茹でる際に米ぬかなどを加えてしっかりアク抜きをしますし、わらびやゼンマイなどの山菜は重曹などアルカリ性の液体を茹で汁に混ぜてアク抜きします。
ジャガイモやリンゴ、ゴボウは皮を剥いた後に放っておくと色が変わってきます。こうした変色は空気に触れると酸化反応を起こす酵素によるもの。この変色を起こす酵素もアクと呼ばれます。これらのアク抜きは基本的に切った後に水につけておくだけでオーケーです。
シチューや煮物、スープなどに肉や魚を入れて煮ていくと、煮汁の上に浮いている白い泡や薄茶色の固まりもアクです。これは食べてしまってもとくに害はありませんが、臭みの原因になったり、舌触りが悪くなったりするので、お玉などでできるだけすくって取り除いたほうがいいでしょう。アクをこまめに丁寧に取ることでにごりもなくなり、見た目もキレイに仕上がります。