2015年11月02日
食中毒の正しい対処法。もしも食中毒になったら…
年間を通して、感染の危険がある食中毒。暑い季節はもっとも注意が必要です。そして、もし感染をしてしまったら、適切な対処をすることが重症化を防ぐポイントになります。そこで今回は、食中毒になってしまったときの正し対処法について医師に教えていただきました。
病院の受診目安は……
食中毒になったとしても、1日数回以内の泥から水のような下痢(便の色は赤や黒色ではない)で、腹痛も軽度であれば、水分補給と市販の整腸薬でようすを見ても問題ない場合もあります。いっぽう、次の症状は早めに病院にかかるようにしましょう。
<危険な症状>
・便の回数が1日10回以上
・便の色が赤や黒色
・熱がある、
・腹痛がひどい
重度の食中毒の治療法
上記のケースでは、便の細菌培養検査と抗生剤による治療が必要になります。水分補給をする場合は下痢のために血液中のカリウムが失われますので、スポーツ飲料が良いですが、手元にない時には水分とバナナなどの果物でカリウムを補給するだけでも効果を感じられるでしょう。食事は症状が落ち着くまではお粥などの消化が良いものがおすすめです。
食中毒の対処法
食中毒の原因は、細菌やウイルスへの感染がほとんどで、それぞれの対処法は次の通り。
<細菌>
軽症であれば、市販の整腸薬でようすを見ることもできますが、便の細菌培養検査を受けて、原因菌が何かがわかった方が適切な抗生剤による治療で速やかによくなります。
<ウイルス>
特別な治療はなく、3〜4日間は脱水予防のために水分補給をして、市販の整腸薬で様子を見ることもできます。しかし症状だけからは原因が細菌かウイルスかは判別することができないので、安全のためには病院に行った方が良いでしょう。
細菌、ウイルスの潜伏期間は?
食中毒は生ものなどの疑わしき食べ物を食べてから数時間で症状が起きますが、細菌の種類によっては症状が起きるまでに4〜5日程度かかることがあります。特に細菌によって起こる食中毒の中には適切な治療を早めに開始しないと重症化して入院しなければならないことがありますので、心当たりがある時には早めに病院にかかった方が良いでしょう。特に幼児や高齢者に関連する仕事や食品関係の仕事に従事している場合は必ず病院に行って細菌培養検査が必要です。
細菌によって起こる食中毒は抗生剤を飲めば治りますが、細菌の種類によっては治った後で合併症を起こすものや慢性化するものがありますので、自己判断で通院を中止せずに、便の細菌培養検査で原因菌が消えたことを証明する必要があります。