プロフは何曜日に食べる?―薪を焚いてプロフを作ってみた―
タシケントで薪を焚いてプロフを作る機会があったので、その時の様子を紹介しよう。
プロフ(中央アジアの炊き込みご飯)は、普通コンロで調理するが、稀に外で薪を焚いて大きな鍋で作ることがある。お客さんがたくさん来る時には、この方法でプロフを作るらしい。私がタシケントの友達の家を訪ねた時は、私と友達家族を合わせて4人しかいなかったが、焚火を起こしてプロフを作るエキゾチック?な様子をどうしても私に見せたかったらしく、たった4人なのにわざわざ焚火で大量のプロフを作ってくれた。きっと私が帰った後、友達は3日間プロフを食べ続けたことだろう。
薪でプロフ作りをしたのは、土曜日。本来プロフは、イスラム教の安息日が金曜日のため、その前日の木曜日に作るらしいが、最近はグローバリゼーション(というかキリスト教)の影響で日曜日にもプロフを良く作るようになった。というわけで、今回の記事タイトルの質問「プロフは何曜日に食べる?」の答えは、木曜日(と日曜日)だ。でも、曜日を問わず年中食べていると思う。
プロフ作りの下準備
お米の準備
プロフ作りに取りかかってまず行ったのは、お米からゴミを取り除く作業。お米にもみ殻や石が混ざっているので、お皿に入れた米から丁寧にゴミを取っていった。地道な作業である。ゴミがないのは当たり前だと思っていたが、実はそれってすごいことなんだなと改めて実感した。日本で買うお米にはなぜ異物が入っていないのだろうかと不思議に思った。
にんじんを切る
次ににんじんを切る作業に取りかかった。日本のにんじんはオレンジ色だが、ウズベキスタンにはオレンジ色の他に黄色のにんじんがあり、今回は黄色を使った。包丁を持っていざ切りはじめると、かっ硬い…。こんな硬いにんじんに出会ったことがない。
ウズベク料理を友達から習う時に、どの野菜よりもまず先ににんじんに火を通すので不思議だなとは思っていたが、こんなに硬いなら納得できる。バザールで切ったにんじんを打っているおばさんをたくさん見かけた時、「にんじんくらい自分で切るのに、切ったにんじんを買う人なんてそんなにいるのかな」と思ったが、こんなに硬いなら喜んで買おう。でも、オレンジ色のにんじんの方がもっと硬いらしい。
にんじんが硬いと愚痴っていたら、友達のパパが「にんじんを切ったことないから、硬いって思うんじゃないの〜」とからかってきた。にんじんくらい切ったことあるさ。
焚火を起こす
友達の弟が薪を取ってきて、火を起こしてくれた。
しばらくしたら「火が小さい、まだまだ下手だね」と言って、ママが弟に代わって薪をどんどん追加していった。
薪で炊くプロフの作り方
いよいよプロフ作りのスタート。「日本人は油少な目が好きでしょ?だから油は控えるね」と言って、お玉2杯分の油を鍋に入れた。これで油少な目らしい。
そして、羊肉のかたまりをそのまま油にどぼん!油と煙が一気に立ちのぼった。とても豪快。
その後は、普通のプロフと作り方は同じ。にんじんを炒める時に「タシケントでは入れないんだけどね」と言いながらトマトペーストを入れたのがちょっと変わっているなと思った。真ん中にある白い塊は羊の脂。これを入れると一層おいしくなるらしい。
水とご飯を入れて蓋をする。
蓋というか、たらいだ。そして、コンロと違って弱火には出来ないので、薪を掻き出した。あとはプロフが炊けるのを待つだけ。
こちらが完成した羊肉のプロフ!
とても美味しそうだから、早く食べたくてうずうずしていると、友達のパパが「ウズベキスタンでは、年上から順番に食べ始めるのが礼儀だよ」と言った。じゃあ、私はまだ食べれないではないかと思った次の瞬間、「でも、美味しいプロフは話が別だ。さぁ食べて。」と言われたので、遠慮なく大皿に盛られた出来立てのプロフをスプーンですくって口にほおばった。うまい!薪で炊いたプロフは、やはりガスコンロのプロフと違って、格別に美味しい!最高のおもてなしを受けて、一生忘れない思い出となった。
しかし、この大きな羊肉の塊はどうやってスプーンで食べるのだろうと思っていたら、ママがノン(ナンブレッド)の上で、羊肉を切り分けてくれた。「なんでノンの上で切るの?」と聞いたら、「羊肉の油がしみ込んでノンがおいしくなるでしょ?」とのこと。なるほどね。
ご自宅の炊飯器で簡単に作れるプロフは、以下の記事で作り方を紹介しているので、興味のある方はどうぞ↓↓↓
簡単!失敗なし!炊飯器で作るプロフのレシピ
この記事へのトラックバックURL
https://fanblogs.jp/tb/3448465
※言及リンクのないトラックバックは受信されません。