2014年11月11日
各書名言集(小説pert9)
もう、最近わりと
各書名言集の周期も
めちゃめちゃになって
参りました。←
『六月六日生まれの天使』
―それは、あまりにも非現実的な光景だった。
不思議の国のアリスの童話が、また脳裏に浮かぶ。
穴へ飛び込んだアリスが、地底でチュシャ猫や帽子屋、
三月ウサギなどに出会ったように、
私も異世界に紛れ込み、
そこの住人たちに出会っているのではないか。
白覆面の怪人、窓越しに手招きするサンタクロース、
そして、次はもっと恐ろしい何かが……。私は本気で、そう思った。―
起きてみたら記憶を失っていて、しかも
自分が何者なのか教えてくれる人は
誰もおらず、いるのは敵か味方か分からない
不気味な人々ばかり……
主人公の女性が気が狂わんばかりに
心の中で悲鳴をあげるのも
いやに生々しく共感してしまって
最初から心臓どきどきの作品です
紹介記事はこちら
『人質の朗読会』
―青年は幾度もやりを投擲した。構える、助走をする、
投げる、槍を取りに行く、それを抜いて助走の印まで戻る。
これを淡々と繰り返した。
こんなにも見事な肉体が躍動しているというのに、
競技場を包む静けさはどこまでも変わりがなかった。
私の耳に届いてくるのは、スパイクのピンの音、
槍が手を離れ飛び出す瞬間の空気を切る音、
そして青年が芝生を踏みしめる音、それだけだった。
投擲が生み出すそれらの音たちは、
静けさの底へと慎ましく吸い込まれていった。
青年の邪魔にならないよう、私は咳払い一つせずに息を殺していた。―
実際にはじめて読んでいる時にも
思わず息をつめてしまったし、
何となく、忘れ馴れない場面です。
槍が投擲される、その音以外に
何もない、慎ましやかな静けさ…
こういうの、個人的に大好きで…
紹介記事はこちら
『きみが住む星』
―きみは、前世で自分が何だったか、
なにかのはずみに思い出したことはないかい?
昨日、この国のきれいな海に潜って遊んだ後、
疲れているはずなのに寝床に入っても
なぜか眠れなかった。
そして、深夜までずっとぼんやりしていたぼくは
急に思い出したんだ、
自分が前の世界では鳥だったことをー
何というか、どうしてこんな言葉を
さらっと書けるんでしょうね……
この後がまた、素敵なんですが。
どの手紙でも、「ぼく」は「きみ」
への思いをさらっと書いて、
バイバイ。で終わっていますが
その終わり方が、また、良いんです
紹介記事はこちら
今回は、比較的
長い文章を引用した作品ばかり
でしたが……
興味をひく作品は
ありましたか?
各書名言集の周期も
めちゃめちゃになって
参りました。←
『六月六日生まれの天使』
―それは、あまりにも非現実的な光景だった。
不思議の国のアリスの童話が、また脳裏に浮かぶ。
穴へ飛び込んだアリスが、地底でチュシャ猫や帽子屋、
三月ウサギなどに出会ったように、
私も異世界に紛れ込み、
そこの住人たちに出会っているのではないか。
白覆面の怪人、窓越しに手招きするサンタクロース、
そして、次はもっと恐ろしい何かが……。私は本気で、そう思った。―
起きてみたら記憶を失っていて、しかも
自分が何者なのか教えてくれる人は
誰もおらず、いるのは敵か味方か分からない
不気味な人々ばかり……
主人公の女性が気が狂わんばかりに
心の中で悲鳴をあげるのも
いやに生々しく共感してしまって
最初から心臓どきどきの作品です
紹介記事はこちら
『人質の朗読会』
―青年は幾度もやりを投擲した。構える、助走をする、
投げる、槍を取りに行く、それを抜いて助走の印まで戻る。
これを淡々と繰り返した。
こんなにも見事な肉体が躍動しているというのに、
競技場を包む静けさはどこまでも変わりがなかった。
私の耳に届いてくるのは、スパイクのピンの音、
槍が手を離れ飛び出す瞬間の空気を切る音、
そして青年が芝生を踏みしめる音、それだけだった。
投擲が生み出すそれらの音たちは、
静けさの底へと慎ましく吸い込まれていった。
青年の邪魔にならないよう、私は咳払い一つせずに息を殺していた。―
実際にはじめて読んでいる時にも
思わず息をつめてしまったし、
何となく、忘れ馴れない場面です。
槍が投擲される、その音以外に
何もない、慎ましやかな静けさ…
こういうの、個人的に大好きで…
紹介記事はこちら
『きみが住む星』
―きみは、前世で自分が何だったか、
なにかのはずみに思い出したことはないかい?
昨日、この国のきれいな海に潜って遊んだ後、
疲れているはずなのに寝床に入っても
なぜか眠れなかった。
そして、深夜までずっとぼんやりしていたぼくは
急に思い出したんだ、
自分が前の世界では鳥だったことをー
何というか、どうしてこんな言葉を
さらっと書けるんでしょうね……
この後がまた、素敵なんですが。
どの手紙でも、「ぼく」は「きみ」
への思いをさらっと書いて、
バイバイ。で終わっていますが
その終わり方が、また、良いんです
紹介記事はこちら
今回は、比較的
長い文章を引用した作品ばかり
でしたが……
興味をひく作品は
ありましたか?
タグ:名言
【このカテゴリーの最新記事】
この記事へのコメント
コメントを書く
この記事へのトラックバックURL
https://fanblogs.jp/tb/2961333
この記事へのトラックバック