2014年10月30日
空中庭園
本日ご紹介するのは、こちら
角田光代著『空中庭園』
何と言いますか、最初は、ちょっと、何だか変わっているけれども
羨ましいな、なんて個人的に思ってしまったほど
一見とっても仲が良い家族。
その、家族それぞれ一人一人の視点が切り替わりながら、
章が変わっていく形式の小説です。
セントーバッターは娘のマナちゃん。
お母さんの決めたルール
隠し事は絶対にしないこと!
家族のだれかの誕生日には必ず誕生パーティ
勿論、娘の彼氏が誰かは家族皆が知っているし
なんとお母さん、娘に私はどこで生まれたの?と聞かれて
躊躇無く、ラブホテル野猿ってとこ、なんて答えてしまうくらい
徹底して「隠しごとはなし」(いや、本当に変わってるなとは思いました苦笑
お父さんと、お母さんは元ヤンで、結婚してヤンキーやめて
今の生活があるんだよねーなんて、娘が言って
あー、なるほど…この異様なテンションはそれで…???
と、微妙に納得したりしなかったりするのですが
しかし…
視点が父親に切り替わって、読者はぞっとします。
あるわあるわ、隠しごと。父親もあるし、母親もあるある……
父親もどうしようもないダメ男だけれども、
しかし母親のことを思うと同情したりしなかったり
いや、阿呆であることに変わりはないんだけれども…
そして、章は表題「空中庭園」お母さん視点です
確かに、この小説、一番の中心はなんだかんだ、
お母さんな気がするんですね
彼女が抱えている秘密と闇と……
非常に複雑で、深刻で、どうしようもない
それを押し隠して、幸せな主婦をヒステリックに演じる彼女は
見ていて気の毒なような、苛々するような、でも、やはり気の毒
そんな過去があったのか、と読者が思ったところで
視点がまたまた切り替わり、
今度は先程お母さんがボロクソにけなしていた
人物の視点に移り、またまたそれまで
知らされていなかったことが明るみに出て…
この小説のすごいところは
視点が切り替わる、章が変わるたび
それぞれの人物像ががらっと
変わっていくところだと思います
そしてもう何が真実なのか、何が秘密なのか
自分であいつは知らないけれども…と語っていても
実はその秘密はばればれだったりだとか
人間関係と、それぞれの持つ事情が闇でかつ複雑
最初は、少しここの登場人物と世界が違い過ぎてどうも共感もできず
飽きちゃうんじゃないかな、なんて思っていたのですが
気づけばすっかり引き込まれてしまいました笑
なんだか少しぞわぞわと怖いお話ではありますが
如何でしょうか?
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角田光代著『空中庭園』
何と言いますか、最初は、ちょっと、何だか変わっているけれども
羨ましいな、なんて個人的に思ってしまったほど
一見とっても仲が良い家族。
その、家族それぞれ一人一人の視点が切り替わりながら、
章が変わっていく形式の小説です。
セントーバッターは娘のマナちゃん。
お母さんの決めたルール
隠し事は絶対にしないこと!
家族のだれかの誕生日には必ず誕生パーティ
勿論、娘の彼氏が誰かは家族皆が知っているし
なんとお母さん、娘に私はどこで生まれたの?と聞かれて
躊躇無く、ラブホテル野猿ってとこ、なんて答えてしまうくらい
徹底して「隠しごとはなし」(いや、本当に変わってるなとは思いました苦笑
お父さんと、お母さんは元ヤンで、結婚してヤンキーやめて
今の生活があるんだよねーなんて、娘が言って
あー、なるほど…この異様なテンションはそれで…???
と、微妙に納得したりしなかったりするのですが
しかし…
視点が父親に切り替わって、読者はぞっとします。
あるわあるわ、隠しごと。父親もあるし、母親もあるある……
父親もどうしようもないダメ男だけれども、
しかし母親のことを思うと同情したりしなかったり
いや、阿呆であることに変わりはないんだけれども…
そして、章は表題「空中庭園」お母さん視点です
確かに、この小説、一番の中心はなんだかんだ、
お母さんな気がするんですね
彼女が抱えている秘密と闇と……
非常に複雑で、深刻で、どうしようもない
それを押し隠して、幸せな主婦をヒステリックに演じる彼女は
見ていて気の毒なような、苛々するような、でも、やはり気の毒
そんな過去があったのか、と読者が思ったところで
視点がまたまた切り替わり、
今度は先程お母さんがボロクソにけなしていた
人物の視点に移り、またまたそれまで
知らされていなかったことが明るみに出て…
この小説のすごいところは
視点が切り替わる、章が変わるたび
それぞれの人物像ががらっと
変わっていくところだと思います
そしてもう何が真実なのか、何が秘密なのか
自分であいつは知らないけれども…と語っていても
実はその秘密はばればれだったりだとか
人間関係と、それぞれの持つ事情が闇でかつ複雑
最初は、少しここの登場人物と世界が違い過ぎてどうも共感もできず
飽きちゃうんじゃないかな、なんて思っていたのですが
気づけばすっかり引き込まれてしまいました笑
なんだか少しぞわぞわと怖いお話ではありますが
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