2014年10月19日
エリカ奇跡のいのち
本日ご紹介するのは、こちら
ロース バンダージー著
ロベルト インノチェンティ絵
『エリカ奇跡のいのち』
こちらは絵本です。
本日のご紹介は非常にネタバレの
多いものになっていますが
ご了承願います……
エリカはユダヤ人の女性です。
作者に対して、エリカはこう語りはじめます
『わたくし、強制収容所に入れられるところでしたの』
エリカが強制収容所に入れられるところだった、その運命の日
エリカはまだ赤ん坊でした。
強制収容所へ向かう電車へ、母親の腕に抱かれてエリカは乗り込んだのです
つまり、エリカが話す内容は、全て聞いた話であり、さらに想像も大半を占めます
一体彼女の両親はどうして電車に乗ってしまったのか、やはり強制だったのか
それとも、騙されて乗ってしまったのか、
ぎゅうぎゅうに押し込まれてどれだけ長い間立っていたのだろうか
いつ、その電車が『死』に向かっているものだと
気付いたのだろう
いつ……いつ、彼女の両親は、
その大きな決断を、下したのだろう……
エリカは様々な回想をしながら、それをそのまま語ります
エリカはきっぱりと言うのです
きっと私のお母さんは、私にごめんね、
ごめんねと謝ってくれただろうと。
そして、きっと愛していると言って
キスをしてくれたに違いないと。
やがて、電車は踏切へ近づきます。
それにつれて電車の速度が少し落ちていきます
その時―――
電車の窓、それも大人ならば決して
通り抜けられないような小さな窓から
母親はその愛する赤ん坊を……
自分は『死』に向かいながら……
せめて、せめて赤ん坊だけはと、
――どれほど切実な願いを抱きながらだったか――
『生』に向かって、投げたのです。
きっと赤ん坊は驚いて、泣いたことでしょう。
突然母親の腕の温もりを失い、
タオルにくるまれたまま草の上で……
その泣き声を、一体どのような気持ちで両親は聞いたでしょう
その、元気な泣き声が、どうか、どうか途絶えませぬようにと……
そう、そして、両親のその切実な願いは、叶ったのです
エリカは親切な人に育ててもらうことになりました
あなたはきっとエリカという名前に違いない!と言って
エリカとして育てられました。
本当に、天国というものがあるならば、
きっと彼女の両親はそんな
エリカを見て涙を流していると、そう思いたいものです
そして、最後に……
当時、ユダヤ人は星の数だけいると言われていました。
そして、その大半が本当に流れ星となって消えてしまった。
いくら数がいようと、その人には、その人にそれぞれの生があり、
それぞれの感情があり、そしてきっと大切な人がいる
自分の死を諦めても(これにも語弊はあると思いますが)、
決して赤ん坊の死は諦められない、そのような親の気持ちを、
一体何だと思って、星の数ほどいる、等と言えるのか……
非常に語りかけることの多い話でありながら、
絵はシンプルなもので、
エリカの話も、想像している部分が多いので
お子様と読む時にも、様々なことを一緒にたくさん考えられると思います
低学年、、、だと赤ん坊を窓から投げるなんて
ヒドイ!となりかねませんが
(勿論家庭で一緒に読むのであれば、
ゆっくりと説明していくことが出来ると思いますが)
中学年、高学年ならば、きっと読み聞かせの絵本としても良いのではないでしょうか
ただ、本そのものは太い割に、言葉が少なく
以外と時間がかからないので、
他の絵本との兼ね合いが
必要かもしれませんね
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ロベルト インノチェンティ絵
『エリカ奇跡のいのち』
こちらは絵本です。
本日のご紹介は非常にネタバレの
多いものになっていますが
ご了承願います……
エリカはユダヤ人の女性です。
作者に対して、エリカはこう語りはじめます
『わたくし、強制収容所に入れられるところでしたの』
エリカが強制収容所に入れられるところだった、その運命の日
エリカはまだ赤ん坊でした。
強制収容所へ向かう電車へ、母親の腕に抱かれてエリカは乗り込んだのです
つまり、エリカが話す内容は、全て聞いた話であり、さらに想像も大半を占めます
一体彼女の両親はどうして電車に乗ってしまったのか、やはり強制だったのか
それとも、騙されて乗ってしまったのか、
ぎゅうぎゅうに押し込まれてどれだけ長い間立っていたのだろうか
いつ、その電車が『死』に向かっているものだと
気付いたのだろう
いつ……いつ、彼女の両親は、
その大きな決断を、下したのだろう……
エリカは様々な回想をしながら、それをそのまま語ります
エリカはきっぱりと言うのです
きっと私のお母さんは、私にごめんね、
ごめんねと謝ってくれただろうと。
そして、きっと愛していると言って
キスをしてくれたに違いないと。
やがて、電車は踏切へ近づきます。
それにつれて電車の速度が少し落ちていきます
その時―――
電車の窓、それも大人ならば決して
通り抜けられないような小さな窓から
母親はその愛する赤ん坊を……
自分は『死』に向かいながら……
せめて、せめて赤ん坊だけはと、
――どれほど切実な願いを抱きながらだったか――
『生』に向かって、投げたのです。
きっと赤ん坊は驚いて、泣いたことでしょう。
突然母親の腕の温もりを失い、
タオルにくるまれたまま草の上で……
その泣き声を、一体どのような気持ちで両親は聞いたでしょう
その、元気な泣き声が、どうか、どうか途絶えませぬようにと……
そう、そして、両親のその切実な願いは、叶ったのです
エリカは親切な人に育ててもらうことになりました
あなたはきっとエリカという名前に違いない!と言って
エリカとして育てられました。
本当に、天国というものがあるならば、
きっと彼女の両親はそんな
エリカを見て涙を流していると、そう思いたいものです
そして、最後に……
当時、ユダヤ人は星の数だけいると言われていました。
そして、その大半が本当に流れ星となって消えてしまった。
いくら数がいようと、その人には、その人にそれぞれの生があり、
それぞれの感情があり、そしてきっと大切な人がいる
自分の死を諦めても(これにも語弊はあると思いますが)、
決して赤ん坊の死は諦められない、そのような親の気持ちを、
一体何だと思って、星の数ほどいる、等と言えるのか……
非常に語りかけることの多い話でありながら、
絵はシンプルなもので、
エリカの話も、想像している部分が多いので
お子様と読む時にも、様々なことを一緒にたくさん考えられると思います
低学年、、、だと赤ん坊を窓から投げるなんて
ヒドイ!となりかねませんが
(勿論家庭で一緒に読むのであれば、
ゆっくりと説明していくことが出来ると思いますが)
中学年、高学年ならば、きっと読み聞かせの絵本としても良いのではないでしょうか
ただ、本そのものは太い割に、言葉が少なく
以外と時間がかからないので、
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